孤育てママの心を解き放つ漫画『キングダム』
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子育てが「孤育て」になってしまう昨今。一大ブームとなっているこの人気漫画が、意外にもママが抱える閉塞感を打破してくれてオススメです!
イチオシスト:斎藤 貴美子
美容・健康、ファッションが得意なコピーライター/ディレクター。日本酒ソムリエ「唎酒師」の資格を取得。出産後、子育て系NPO団体等への取材から、育児問題を認識。ママ系サイトでコラムを執筆し、育児サバイバル術を発信。All About 子育て ガイド。
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閉塞的な「孤育て」から開放する荒療治
まっすぐな性根の持ち主、信くんが主人公
小さい子どもと家にこもって、ワンオペの日々……子育てが「孤育て」と言われている昨今、母と子二人だけの密室関係に息苦しい毎日を送っているママも多いのではないでしょうか。やることは山積みで、自由な外出や一人の時間はままならないストレス、がっつり溜まりますよね?
そんな、子どもに手がかかり、気持ちが閉じてしまいがちな時期に、ガツンと正反対の価値観に触れられる人気漫画が『キングダム』です(以下、ややネタバレを含みます)。
え、青年漫画? 歴史漫画? と育児との関連のなさに首をかしげるのも当然ですが、「孤育て」で閉じがちなマインドを開く荒療治になりえるのです。
子育てを乗り切る視点を中国歴史漫画から
『キングダム』とは、春秋戦国時代の中国を舞台に、秦国が中華統一をしていく過程を描いた戦闘漫画です。主役の信くんをはじめ、各キャラクターたちが己の信念のもと活躍し、その様子がとても爽快。バッタバッタと敵将が、そして味方が散り、自らの明日も知れない命のやりとり。家庭どころか一国の未来、そのものを背負う覚悟。それらの重圧のなか研ぎ澄まされるスキルと、深まる友情&愛情。
とにかくスケールがでかい、そしていつもがほぼ緊急事態。
毎日小さな命に寄り添いながら、スローステップで進む育児とは真逆の世界観です。
だからこそ、子育てでミクロになりがちな視点がマクロとなり、世の中が平和であること、命が無事であること、平穏な日々であることのありがたみを感じ、日々つらいことを乗り切りやすくなると思うのです。
女傑たちのカッコ良さに、野望がめばえる!?
52巻の表紙は、強すぎて美しすぎる山界の女王「楊端和(ようたんわ)」
また、『キングダム』がほかの戦記ものと違うのは、たくさんの女性が活躍するところです。庇護や性の対象としてではなく、地に足の着いたカッコいい女傑たちが、知力と武力を駆使してカラフルに生きる……よぉし、私も育児がひと段落したら、活躍してやるー! うおおおお! と野望を抱くのにも一役買ってくれるのです。
連綿と続く子育ての毎日にこそ、別世界のトリップを。単行本は58巻まで発売されているので、育児の合間にちょっとずつ読み進めれば、けっこう長く楽しめそうです。
DATA
集英社|キングダム
ヤングジャンプコミックス
著者:原泰久
サイズ:B6判
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