介護施設利用者の腕の変色を発見→ひとり夜勤を担当した職員に話を聞いたら…
介護施設で夜勤専従として入社した60代新人職員が、利用者への不適切ケアにより夜勤を外され「不当解雇だ」と騒ぎ立てたトラブル。30代施設管理者の体験から、言った言わないを防ぐ記録と面談の工夫を学びます。
イチオシスト
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年齢や経験を過信せず、しっかりとした事実確認と記録を
プロフィール
- 当時の年代:30代
- 性別:男性
- 当時お住まいの都道府県:北海道
- 当時の職業:介護施設管理者
【わたしのイチオシ対策】言った言わないを防ぐ! 面談時の記録と第三者の同席
自身やご家族が体験した新入社員とのトラブルについてアンケートで募集し、【わたしのイチオシ対策】として紹介します。今回は、介護施設の夜勤専従として入社した60代の新人職員が不適切ケアを行い、指導したところ不当解雇だと騒ぎ立てた体験談をお届けします。
Q1. トラブルが発生した場所を教えてください。
A. 介護施設内
Q2. トラブルになった相手を教えてください。
A. 新入職員(夜勤専従・60代・女性)
Q3. どのようなトラブルに巻き込まれましたか?
A. 利用者への不適切ケアの疑いがあり夜勤業務から外した結果、本人が「夜勤で働けないのは不当解雇だ」と騒ぎ出し、第三者機関に訴えると言い出したトラブルです。夜勤専従として雇用していたため、業務内容の変更が解雇に当たると主張されてしまいました。
Q4. トラブルになったきっかけを教えてください。
A. 不適切ケアの事実について本人と面談を行った結果、事実確認が取れました。安全なケアの継続が困難と判断し、夜勤業務から外れてもらうよう伝えたことがきっかけです。
Q5. トラブルになった際、相手から何か言われましたか?
A. 最初は「自分がしたことですから処分はお任せします」と言っていましたが、実際に夜勤をさせられないことを伝えると一変しました。「自分を守るためにやった」「他の利用者の身を守るためにやった」と正当化し始め、不当解雇だと声を荒らげられました。 後日面談でも、こちらが言っていないことを言ったと主張されたり、ご自身が発言した内容が全く別のものにすり替わっていることも多くありました。
Q6. トラブルの内容を詳細に教えてください。場所や当時の状況、心情を踏まえてご回答お願いします。
A. 介護経験が長く、施設側も人手不足であったため、夜勤専従のパートとして採用しました。自宅から施設まで1時間かかる距離で、なぜこんな遠いところを選んだのか疑問もありましたが、まずは様子を見ることにしました。二人体制の夜勤では問題ありませんでしたが、一人夜勤になると利用者が不穏になることが増えていきました。
とある夜勤明け、利用者の腕に変色があるのを発見しました。 本人に確認したところ、利用者からの暴力行為を制止するために、両腕を強くつかんだり抱きかかえたりしたという報告があり、面談を行いました。不適切なケアが確認されたため、夜勤を外れるよう伝えると激昂。施設管理者としては、利用者の安全を守るための真っ当な判断でしたが、感情的に反論され「勘弁してくれ」という心境でした。
Q7. どのように解決しましたか?
A. 本人より「不当解雇なので退職届は書かない」との申し出があり、1か月ほど平行線のまま時間が経過しました。 その後、不当解雇の証明を出せと連絡がきましたが、こちらは解雇の通知も書面の取り交わしもしていなかったため、再度面談の機会を設けました。最終的には、本人の「不当解雇だ」という意見は変わりませんでしたが、こちらとしても解雇を認めるわけにはいきません。話し合いの結果、出勤していなかった期間の給料を補償することで着地という結果になりました。
Q8. トラブルを経験して、後悔していることや「もっとこうすれば良かった」と思うことはありますか?
A. 入社して間もなかったこともあり、職員の性格や適性を完全に見極められていませんでした。 面談時にもう少し柔らかい言葉を選んでいれば、相手の怒りを多少なりとも抑えられたのかもしれません。また、当施設は一人夜勤の体制であるため、リスクを考慮し、今後は極力夜勤専従の受け入れを控える方針にしました。
■編集部解説
利用者の安全第一を考え、不適切な対応に対して毅然と指導を行った管理者としての姿勢は不可欠なものです。しかし、特定の業務を前提として雇用しているスタッフの配置を急変更する(シフトを外す)対応は、時に労働条件の不利益変更や実質的な解雇と捉えられ、激しい労務トラブルに発展するリスクを孕んでいます。 今回のように主張が二転三転する相手との対話では、正論で押し切ろうとせず、投稿者様が気づかれた通り「発言内容や事実関係をその都度書面やメモで詳細に記録しておくこと」や「最初から複数人で面談を行い、客観的な証拠を残すこと」が、組織と利用者の双方を守るために極めて重要な防衛策となります。
Q9. 同じような被害を防ぐために、他の人へ伝えたいことがあれば教えてください。
A. 相手の言っていることが日によって変わり、「言った言わない」の問題が多発する相手には、面談や電話の内容を細かく記録に残すことが極めて重要です。可能であれば一人で対応するのではなく、面談でも電話でも近くに内容を確認できる第三者を配置しておくべきです。 そうすることで、相手の矛盾した発言に対しても客観的な事実をもって言及できるはずです。
■編集部まとめ
職員の不適切ケアへの対処から、雇用の継続を巡る長期的な平行線のトラブルへと発展してしまった介護施設での事例でした。人手不足が深刻な現場において、経験者の採用は心強いものですが、事前の適性見極めや、万が一の際の指導手順を組織内で共通化しておくことは必須です。トラブルに直面した際は当事者間だけで感情的に話し合わず、投稿者のアドバイスにある通り「細かな対話記録を音声や書面で残す」「第三者を同席させる」という客観性の担保を徹底すること。そして、就業規則に基づいた適切な労務手続きを踏むことこそが、組織の信頼と健全な労働環境を守る鍵となります。
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