雨も悪くない。雨の日に観たい映画『言の葉の庭』
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「雨の日も悪くないかもと思える」作品として、映画に詳しいヒナタカさんがおすすめしてくれたのは『言の葉の庭』。雨の日は、『君の名は。』でおなじみ、新海誠監督の知る人ぞ知る名作を見てみてはいかがでしょうか?
イチオシスト:ヒナタカ
映画の展開にツッコミを入れたいがためにブログ「カゲヒナタのレビュー」を開設する。ネタバレなしで映画を紹介したい!ネタバレしまくって展開にあれこれ言いたい!という思いが強まり、現在のブログのスタイルに落ち着く。
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雨の日にぴったりの映画『言の葉の庭』
外に出るのが億劫になりがちな雨の日。そんな日は家でゆっくり映画鑑賞するのも良いものです。
今回は、雨の日や梅雨の時期にぴったりの映画『言の葉の庭』を紹介しましょう。普段はうっとうしく思いがちな雨の日を「こんな日も悪くないのかも」と肯定できる作品になっているのです。
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雨の日の風景が言葉にならないほど美しい作品だった
まずは、『言の葉の庭』のあらすじを簡単に紹介しましょう。靴職人を目指す15歳の高校生のタカオは雨が降る日は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いていました。やがてタカオは日本庭園でひとりビールを飲んでいる謎めいた女性のユキノと出会います。それから二人は雨の日だけ出会い、逢瀬を重ねて行くのですが……。『言の葉の庭』の魅力の筆頭と言えるのが、風景が言葉にならないほどに美しいということでしょう。舞台となっているのは実在する日本庭園の新宿御苑で、雨に濡れた木々や花、一滴一滴の雨が地面に落ちる様、霧の合間から見える風景に至るまで、ただただ綺麗で見惚れるのです。
監督を務めたのは『君の名は。』の新海誠。過去作の『秒速5センチメートル』では桜が散りつつある道を、『星を追う子ども』では田舎やファンタジー世界での風景を美しく描いてきた新海監督ですが、この『言の葉の庭』では雨の日に特化して、その美麗さを讃えています。その光景は現実よりも美しく見え、そして現実でもこのような美しさを探してみたいとも思える……そこにこそ、雨の日に観て欲しいと願う理由があるのです。
人生の中での雨宿りを描いていた
(C)Makoto Shinkai/CoMix Wave Films
本作の「雨」というモチーフは、物語とも不可分の要素です。新海監督は本作を“年齢差の男女が偶然出会う雨宿り”と“人生の中での雨宿り”という二重の意味での雨宿りの話になっていると捉えているそうで、雨こそが二人の関係性を象徴していたりもするのですから。
雨宿りをしている二人の逢瀬が誰にも邪魔をされない、その場限りの“世界”が構築されているように思えるのも、その美しい光景があるからでしょう。やがて二人の関係性は、人生の中で立ち止まって休んでもいい(雨宿りをしてもいい)、そして誰かの助けや言葉を借りてまた歩き出せばいい……という尊いメッセージにも昇華されていくのです。
また、映画における雨は登場人物の“涙”を象徴することが多くあります。『言の葉の庭』はその雨=涙が美しいと示すことで、「人生で立ち止まり、また歩き出すまで」の二人を祝福しているとも言えます。ちょっと落ち込んだ時に本作を観れば、少しだけ前向きになれる勇気がもらえるかもしれませんよ。
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DATA
コミックス・ウェーブ・フィルム┃言の葉の庭
配給:東宝映像事業部
脚本・監督:新海誠
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。