【高岡漆器を日用品に】螺鈿細工×ガラスで次世代へ挑む
お酒を飲むときや、少し特別な食卓にしたいとき、使う食器にもこだわると何だか楽しい気持ちになりますよね。富山県の高岡市で「高岡漆器」の製造を行っているという天野さんが紹介してくれたのが、螺鈿細工をガラスに施し漆で仕上げた「螺鈿ガラス」。特別感のある食器ですが、日常的に使うのもおすすめなのだそう。その螺鈿ガラスの魅力を、天野さんに教えてもらいました。
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【この記事は、イチオシスト自身が企画開発に携わる「モノ・サービス」について、開発者だからこそ知るイチオシポイントや開発への想いを教えてもらうインタビューコーナーです】
螺鈿ガラス-金杯-
『高岡漆器をもっと日々の暮らしで使ってもらいたい』そんな思いから開発された「螺鈿ガラス」。 伝統工芸品が現代人の生活に溶け込むように、2年の歳月をかけて螺鈿細工の技術を昇華させました。和と洋の融合、伝統と現代の調和が生活のなかで楽しめます。
透明感と硬質な美しさ、様々な光を通して表情を変える楽しさ、音の響きといった特長をもつ “ガラス素材” に高岡漆器の代表的な特長の一つである螺鈿(あわび貝)技法をとりいれ、漆で仕上げた、「螺鈿ガラス」。ガラスを通して見える、貝独特の虹のような輝きと、漆のもつ温もりがあわさることにより、 和と洋の美しさの融合、伝統と現代があわせもつ、高級感あふれる逸品です。
1975年に国の伝統工芸品として認定された高岡漆器は記念品として買われる機会が多く、購入されても使わずにしまわれている時間の方が長いことがほとんどでした。近年ではライフスタイルの変化に伴い、記念品としての需要も少なくなり、高岡漆器の存続が危機に瀕していると感じていました。
「高岡漆器を押し入れにたくさんある記念品ではなく、日々の暮らしの道具として活かせないだろうか?」
と考え始めたことが開発のきっかけでした。
まるで万華鏡のような螺鈿の幻想的な輝き
上質感あふれる十二画の金付ガラス
水や日本酒を注ぐことで、グラスの各側面に螺鈿が反射し まるで万華鏡のような神秘的な輝きを放ちます。
グラス全体に細工を施すのではなくあえて底面だけに螺鈿細工を施すことで、ふと池や湖を覗き込んだような箱庭の世界を作り上げました。
ガラス素材を使用しているので、おもてなしの場や普段の食卓、どんなシーンのテーブルコーディネートにも調和します。
使った方が幸せになるように願いを込めた、縁起の良い文様
金杯・万華鏡シリーズ
「グラスの底を覗いて、ふと笑みがこぼれる」そんな心が緩むようなささやかな幸せを感じていただきたい。この想いから螺鈿ガラスに施している文様は、日本古来から伝わる美しいものや縁起の良いものを採用しています。
グローバル化が進み、各国固有の文化の境界線があいまいになっていくなかでも、日本の良き伝統文化や風習を螺鈿ガラスを通じて感じていただければ幸いです。
螺鈿ガラスに込めた想い
「高岡漆器を通じて、少しでもその人の生活や心を豊かにできないものか」
創業当時からのお付き合いの職人さんたちと試行錯誤の末にたどり着いた、螺鈿ガラス。
螺鈿ガラスが高岡漆器とそれに携わる人々を未来へ運ぶ舟となり、使う人にほんの少しでも心がほころぶ瞬間をもたらす存在になってくれればと願っています。
高岡漆器を通じて、少しでもその人の生活や心を豊かにできるよう、ひとつひとつ心を込めてお作りしています。
新型コロナウィルスの影響もあり、ご自宅で過ごされる時間が増えていると思います。螺鈿ガラスで普段の生活をほんの少しだけ華やかにしてみませんか?
グラスの底を覗けばきっと笑顔になっていただけると思います。
DATA
金杯・万華鏡シリーズ
柄:花火/四宝/麻の葉/七宝/青海波
素材:ガラス・漆
サイズ:φ5.8×8.1cm
生産:日本
万華鏡グラス・金桜
カラー:黒/朱
素材:ガラス・漆
サイズ:φ7.5×10.3cm
生産: 日本
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