俳優・清水尋也の出演ドラマに注目!「心の崩壊と再生」が胸に突き刺さる
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青春映画からサイコスリラー作品まで、様々な作品でいくつもの表情を魅せる清水尋也。ドラマガイドの竹本さんによると、「作品の意味を察知する確度の高いアンテナを持った稀有な若手俳優」の一人なんだそう。新作『アノニマス~警視庁指殺人対策室~』や『東京リベンジャーズ』にも注目ですが、過去の出演ドラマ・映画にもイチオシの作品が多いのだとか!
イチオシスト:竹本 道子
『太陽にほえろ!』のスクラップブックをつくり友人と盛り上がったこども時代。夕方の再放送が見たくて一目散に帰宅した青春時代。撮影現場を垣間見た平成時代。尽きないドラマへの好奇心は令和もつづく。All About ドラマ ガイドを務める。
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ファースト写真集の表紙でもわかるように、たった写真1枚でも内に秘めたるものを表現してしまう若手俳優の一人である「清水尋也」。21歳にしてアングラ感、バイオレンス性に毒と狂気、虚ろと鋭利、いくつもの表情を映し出しています。
若い時代にのみ誰もが持ち抱える光と影、衝動と爆発を、カメラの前でここまで放てるものなのかと背筋がゾクっとさせられることもあれば、どこまでも透明な空を見せて心地よさを届けてくれる、無限の可能性を持った俳優です。
公開予定の映画『東京リベンジャーズ』も注目を集めていますが、過去の出演ドラマ・映画にもその魅力があふれています。
ちなみに、一転していじめる側の中学生を好演し話題になった翌2012年の『ソロモンの偽証』も、併せてご覧いただきたい作品のひとつ。若かりし頃に窪田正孝や柳楽優弥、森山未來が見せた”得体の知れないうごめき”とはまた違う色を見せた、希少な俳優のひとりであることに間違いありません。
DATA
ギャガ『渇き。』
出演:役所広司、小松菜奈、妻夫木聡、清水尋也、二階堂ふみほか
原作:深町秋生「果てしなき渇き」(宝島社刊)
監督:中島哲也
脚本:中島哲也、門間宣裕、唯野未歩子
製作:依田巽、鈴木ゆたか
プロデュース:小竹里美、鈴木ゆたか
アソシエイト・プロデューサー:村野英司
音楽:GRAND FUNK.Inc
音楽プロデューサー:金橋豊彦
主題歌:ディーン・マーティン「Everybody Loves Somebody」
劇中歌:でんぱ組.inc「でんでんぱっしょん」、Trippple Nippples「LSD」、daoko「Fog」、近藤房之助「アイ・ラヴ・ユー、OK」、松田聖子「Sweet Memories」、Barbara Borra「Gone Away Dream」
ふたまわり年上の主人公(松雪泰子)に恋する青年・岡本くんは、スレンダーで長身の好青年です。スーツにネクタイ姿はちょっと反則ではないだろうかと思うくらいさわやかで、「こりゃ誰でもときめいちゃうな」と、観ているだけで頬がゆるんでしまいます。そよ風みたいにやさしく温か、そしてまっすぐなを青年をサラリと演じてしまう21歳に癒やされてください。
DATA
吉本興業『甘いお酒でうがい』
出演:松雪泰子、黒木華、清水尋也、古舘寛治、前野朋哉ほか
原作:川嶋佳子(シソンヌじろう)『甘いお酒でうがい』(KADOKAWA刊)
監督:大九明子
脚本:じろう(シソンヌ)
音楽:髙野正樹
製作:藤原寛
エグゼクティブプロデューサー:坂本直彦
日常、心が欠けしまう経験は誰にでもあるものですが、多感な青春時代はその欠けた部分から崩壊してしまうこともあれば、再生していくこともあります。この十色を鮮明に見せるのが清水尋也。キラキラ感はもちろん、もどかしさや切なさは青春特有のものですが、その痛さや歪みが許容を外れすぎると観ていて不快になってしまう。しかし、その不快さがあってこそ作品は存在感を増していきます。おそらく、作品の意味を察知する確度の高いアンテナを持ち合わせた数少ない俳優のひとりなのでしょう。
優等生・橘亮輝の屈折した状況から変化していく過程を非常に繊細に演じた『ホットギミック ガール ミーツ ボーイ』では、青春映画の見方そのもを考えさせられました。
DATA
東映『ホットギミック ガールミーツボーイ』
出演:堀未央奈、清水尋也、板垣瑞生、間宮祥太朗、桜田ひよりほか
原作:相原実貴「ホットギミック」(小学館「ベツコミ フラワーコミックス」刊)
監督・脚本:山戸結希
プロデューサー:髙橋直也、山尾海彦、川田亮、長井龍、平林勉
音楽プロデューサー:津島玄一、本谷侑紀
音楽:坂本秀一、泉まくら
主題歌:花譜「夜が降り止む前に」(KAMITSUBAKI RECORD)
大人びた雰囲気で挑戦的な高校生を演じた『絶対零度~未然犯罪潜入捜査』では、真実に対する揺るぎない決意と未来への覚悟を感じさせる深い演技に脱帽。取調室での彼の頑な姿勢に心が泣きました。目ヂカラ任せではない重厚感で、高校生の心の強さを感じさせています。
DATA
フジテレビ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
出演:沢村一樹、横山裕、本田翼、柄本時生、マギーほか
脚本:浜田秀哉、小山正太、井上聖司、宇山佳佑
企画:稲葉直人
プロデュース:永井麗子
演出:佐藤祐市、城宝秀則、光野道夫、佐藤源太
音楽:横山克
主題歌:家入レオ「もし君を許せたら」(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)
不良たちの闘争劇を交えたサスペンス映画『東京リベンジャーズ』も2021年公開。清水尋也演じる狂ったワル・半間修二も楽しみですね。
DATA
ワニブックス┃清水尋也ファースト写真集『FLOATING』
ページ数:125ページ
若い時代にのみ誰もが持ち抱える光と影、衝動と爆発を、カメラの前でここまで放てるものなのかと背筋がゾクっとさせられることもあれば、どこまでも透明な空を見せて心地よさを届けてくれる、無限の可能性を持った俳優です。
公開予定の映画『東京リベンジャーズ』も注目を集めていますが、過去の出演ドラマ・映画にもその魅力があふれています。
絶望、希望、得体の知れないうごめきを全身で表現したボク 『渇き。』
2011年に公開された映画『渇き。』では、壮絶ないじめを受ける物語のキーマンとも言える”ボク”を演じています。主人公に「翻弄される」とか「狂わされる」ということばでは説明しきれないボクの心の渦に、胸がしめつけられました。賛否両論ある作品ですが、一途な心と衝撃的な流れのなかで抱える得体の知れないうごめきを、目ヂカラに頼ることなく全身で表現する15歳の演技にただ驚いたことを覚えています。ちなみに、一転していじめる側の中学生を好演し話題になった翌2012年の『ソロモンの偽証』も、併せてご覧いただきたい作品のひとつ。若かりし頃に窪田正孝や柳楽優弥、森山未來が見せた”得体の知れないうごめき”とはまた違う色を見せた、希少な俳優のひとりであることに間違いありません。
DATA
ギャガ『渇き。』
出演:役所広司、小松菜奈、妻夫木聡、清水尋也、二階堂ふみほか
原作:深町秋生「果てしなき渇き」(宝島社刊)
監督:中島哲也
脚本:中島哲也、門間宣裕、唯野未歩子
製作:依田巽、鈴木ゆたか
プロデュース:小竹里美、鈴木ゆたか
アソシエイト・プロデューサー:村野英司
音楽:GRAND FUNK.Inc
音楽プロデューサー:金橋豊彦
主題歌:ディーン・マーティン「Everybody Loves Somebody」
劇中歌:でんぱ組.inc「でんでんぱっしょん」、Trippple Nippples「LSD」、daoko「Fog」、近藤房之助「アイ・ラヴ・ユー、OK」、松田聖子「Sweet Memories」、Barbara Borra「Gone Away Dream」
ほこほことした日常に素敵な風を吹かせた『甘いお酒でうがい』
荒んだ心、えぐられた心、非日常的でエキセントリックな人物を演じることが多いのだろうかと思いきや、濃厚な彼の持ち味ではないことを痛感したのが、2020年に公開された映画『甘いお酒でうがい』。ふたまわり年上の主人公(松雪泰子)に恋する青年・岡本くんは、スレンダーで長身の好青年です。スーツにネクタイ姿はちょっと反則ではないだろうかと思うくらいさわやかで、「こりゃ誰でもときめいちゃうな」と、観ているだけで頬がゆるんでしまいます。そよ風みたいにやさしく温か、そしてまっすぐなを青年をサラリと演じてしまう21歳に癒やされてください。
DATA
吉本興業『甘いお酒でうがい』
出演:松雪泰子、黒木華、清水尋也、古舘寛治、前野朋哉ほか
原作:川嶋佳子(シソンヌじろう)『甘いお酒でうがい』(KADOKAWA刊)
監督:大九明子
脚本:じろう(シソンヌ)
音楽:髙野正樹
製作:藤原寛
エグゼクティブプロデューサー:坂本直彦
屈折した青春の綻びを懸命に繕う姿『ホットギミック ガール ミーツ ボーイ』
『ちはやふる』『ホットギミック ガールミーツボーイ』『青くて痛くて脆い』など、驚くほど違う風景を見せる青春映画において、これまた驚くほど違う人物を淡々と演じているかのような清水尋也。いわゆる問題作において意欲的に演じている俳優道に好感が持てます。日常、心が欠けしまう経験は誰にでもあるものですが、多感な青春時代はその欠けた部分から崩壊してしまうこともあれば、再生していくこともあります。この十色を鮮明に見せるのが清水尋也。キラキラ感はもちろん、もどかしさや切なさは青春特有のものですが、その痛さや歪みが許容を外れすぎると観ていて不快になってしまう。しかし、その不快さがあってこそ作品は存在感を増していきます。おそらく、作品の意味を察知する確度の高いアンテナを持ち合わせた数少ない俳優のひとりなのでしょう。
優等生・橘亮輝の屈折した状況から変化していく過程を非常に繊細に演じた『ホットギミック ガール ミーツ ボーイ』では、青春映画の見方そのもを考えさせられました。
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東映『ホットギミック ガールミーツボーイ』
出演:堀未央奈、清水尋也、板垣瑞生、間宮祥太朗、桜田ひよりほか
原作:相原実貴「ホットギミック」(小学館「ベツコミ フラワーコミックス」刊)
監督・脚本:山戸結希
プロデューサー:髙橋直也、山尾海彦、川田亮、長井龍、平林勉
音楽プロデューサー:津島玄一、本谷侑紀
音楽:坂本秀一、泉まくら
主題歌:花譜「夜が降り止む前に」(KAMITSUBAKI RECORD)
連続ドラマで確実に爪痕を残した2020年 『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
2018年の『anone』や『チア☆ダン』では、主人公にとって大切な存在となる印象深い青年を演じていますが、2020年は連続ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』season4の第6話や、『キワドイ2人ーK2-池袋刑事課 神崎・黒木』の第3話にゲスト出演し、演技力の高さで大きな爪痕を残しています。大人びた雰囲気で挑戦的な高校生を演じた『絶対零度~未然犯罪潜入捜査』では、真実に対する揺るぎない決意と未来への覚悟を感じさせる深い演技に脱帽。取調室での彼の頑な姿勢に心が泣きました。目ヂカラ任せではない重厚感で、高校生の心の強さを感じさせています。
DATA
フジテレビ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
出演:沢村一樹、横山裕、本田翼、柄本時生、マギーほか
脚本:浜田秀哉、小山正太、井上聖司、宇山佳佑
企画:稲葉直人
プロデュース:永井麗子
演出:佐藤祐市、城宝秀則、光野道夫、佐藤源太
音楽:横山克
主題歌:家入レオ「もし君を許せたら」(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)
2021年、さらに予想を超えた清水尋也が私たちの前に現れる
2021年1月25日にスタートする、SNSでの誹謗中傷を描いたクライムサスペンス『アノニマス~警視庁指殺人対策室~』(テレビ東京/月曜夜10時)で彼が演じるのはホワイトハッカー。アノニマスとの緊迫する闘いに新しい清水尋也を発見できそうな予感がしています。不良たちの闘争劇を交えたサスペンス映画『東京リベンジャーズ』も2021年公開。清水尋也演じる狂ったワル・半間修二も楽しみですね。
DATA
ワニブックス┃清水尋也ファースト写真集『FLOATING』
ページ数:125ページ
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