吉高由里子のドラマをイチオシ!笑って泣いて仕事する“等身大”の強み
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『東京タラレバ娘』や『危険なビーナス』など、数々の話題作に出演している女優・吉高由里子。ドラマガイドの竹本さんによると、「なぜか身近な存在に感じられる」のが彼女の強みなんだとか。彼女の持つ魅力を、出演作を振り返りながら教えていただきました。
イチオシスト:竹本 道子
『太陽にほえろ!』のスクラップブックをつくり友人と盛り上がったこども時代。夕方の再放送が見たくて一目散に帰宅した青春時代。撮影現場を垣間見た平成時代。尽きないドラマへの好奇心は令和もつづく。All About ドラマ ガイドを務める。
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さっき交差点ですれ違った彼女かもしれないし、職場で隣のデスクに座っているかもしれない。そんな身近な存在に感じてしまう吉高由里子を観ていると、なんだか元気が出てきます。
彼女はいつだって、「今」と言う時代を私たちの目線で表現しながら、力強く前に進むための勇気を教えてくれる存在。会ったことがないのに私たちと響き合える不思議な魅力を持っています。
今回は、先日スペシャルドラマが放送された『東京タラレバ娘2020』のほか、2020年10月公開の映画『きみの瞳が問いかけている』や、2020年秋の日曜劇場『危険なビーナス』など、さらに注目度が高まる吉高由里子さん出演のドラマ作品のイチオシを新旧織り交ぜて厳選します。
DATA
日本テレビ『東京タラレバ娘』
出演:吉高由里子、榮倉奈々、大島優子ほか
原作:東村アキコ「東京タラレバ娘」(講談社)
脚本:松田裕子
音楽:菅野祐吾
チーフプロデューサー:伊藤響
プロデューサー:加藤正俊、鈴間広枝、鈴木香織(AXON)
演出:南雲聖一、鈴木勇馬、小室直子
働く現場のリアルを映し、ていねいに物語を見せてくれる
『ガリレオⅡ』での刑事役や『正義のセ』での検事役など、働く女性を生き生きとチャーミングに演じる吉高由里子ですが、『わたし、定時で帰ります。』や『知らなくていいコト』では、育児との両立やクライアント絡みのハラスメントなど、私たちがよく知っている働く現場のリアルを強烈にあぶり出し、新しい感覚で私たちをグイグイと引き付けています。起こり続ける問題をいかに解決するか。そこにドラマがあるわけですが、吉高由里子が演じる働く女性は、圧倒的なオーラやドラマチックな手腕、あるいはお決まりのパターンで解決することはありません。
努力と経験で自らを成長させてきた彼女なりの視点で懸命に模索し、解決へと奔走します。だからこそ親近感がわき、私たちは彼女に魅かれるのでしょう。自らの絶対性を振りかざさないところも素敵。たとえ現状に「でも」があっても、相手に耳を傾けて寄り添うやさしさを忘れません。「私も見習わなくちゃ」と思いますよね。
働く現場のリアルを見せるドラマでは、ラブストーリーの部分が浮足立ってしまって、そこを別物として観ることがありますが、彼女の作品はなぜか、ラブストーリーも自然体で視聴でき、こちらまで胸がキュンとしたことを覚えています。
大人気となった向井理演じる種田さん(『わたし、定時で帰ります。』)や、柄本佑演じる尾高さんの人間味あふれる大人の魅力は、吉高由里子の甘すぎずクールすぎずの抜群のセンスによって、さらに引き立ち想いでに残る作品となりました。
DATA
フジテレビ『ガリレオ II』
出演:福山雅治、吉高由里子、澤部佑(ハライチ)、柴咲コウほか
原作:東野圭吾「ガリレオの苦悩」「聖女の救済」「虚像の道化師ガリレオ7」「禁断の魔術ガリレオ8」(文藝春秋刊)
脚本:福田靖、仁志光佑(7話のみ共同脚本)
音楽:福山雅治、菅野祐悟
プロデューサー:牧野正
演出:西坂瑞城、澤田鎌作、金井紘
DATA
日本テレビ『正義のセ』
出演:吉高由里子、安田顕、三浦翔平、広瀬アリスほか
原作:阿川佐和子 「正義のセ」シリーズ(角川文庫)
脚本:松田裕子、松本美弥子、梅田みか、山岡潤平
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:加藤正俊、鈴木香織(AXON)
演出:南雲聖一、明石広人、岩﨑マリエ
DATA
TBSテレビ『わたし、定時で帰ります。』
出演:吉高由里子、向井理、中丸雄一、柄本時生ほか
原作:朱野帰子『わたし、定時で帰ります。』『わたし、定時で帰ります。ハイパー』(新潮文庫刊)
脚本:奥寺佐渡子、清水友佳子
音楽:平野義久、新屋豊
プロデューサー:新井順子、八尾香澄(C&Iエンタテインメント)
演出:金子文紀、竹村謙太郎、福田亮介、坂上卓哉
時に不規則なリズムが危うい表情となる
天真爛漫なイメージが強い吉高由里子の唯一無二のすごさは、なんと言っても豊かな表情とことばのはこび。彼女のことばは、教科書通りの優等生の持つ流暢でテキパキとした流れではなく、不規則なリズムから生まれる味わい深いもの。甘さがあるのに媚びることなく、それでいてムッとしたり、悔し涙がこぼれてきたりする人間っぽさが愛くるしく映るのですが、豊かな表情を封じ込めると不規則さだけが残り、演じる役によって、トリッキーにもミステリアスにも映ります。
そこには、吉高由里子のまったく別の顔が生まれてきて、ゾクっとすることも。センセーショナルだった映画『蛇にピアス』や『ユリゴコロ』で見せた抑えきれない衝動と光の届かない世界に住む心模様を見せる姿は、個性派でありながら実力派の女優なのだと痛感します。
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ギャガ『蛇にピアス』
出演:吉高由里子、高良健吾、ARATA、あびる優ほか
原作:金原ひとみ「蛇にピアス」(集英社)
監督:蜷川幸雄
脚本:宮脇卓也、蜷川幸雄
音楽:茂野雅道
吉高由里子が見せる日常はとびきりの幸せにあふれている
なんて幸せそうにゴハンを食べるのだろう。なんて幸せそうに友だちを話をするのだろう。このあふれる幸せ感もまた、吉高由里子らしさのひとつです。映画『横道世之介』で演じた社長令嬢の祥子が「世之介さあ~ん!」と明るく呼ぶ声の幸せそうなこと! 聴いているこちらも幸せにしてくれます。彼女が全身で主人公を思う姿はまぶしくて、曇りのない吉高由里子の魅力を存分に堪能できる作品です。
また、映画『ロボジー』では、恋する女子大生でみごとなコメディエンヌぶりを見せています。トンチンカン度をマックスにシフトしながら、とびきりの笑顔と愛くるしさであふれる幸せ。やっぱり吉高由里子は素敵です。
DATA
東宝『ロボジー』
出演:五十嵐信次郎、吉高由里子、濱田岳、川合正悟ほか
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
音楽:ミッキー吉野
さまざまな役柄を力みなく演じる彼女には、まだまだ“未知なる何か”がありそう。秋からの新作ドラマ・映画でも新たな彼女の魅力が発見できる予感です。
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