「酒造りの神様」が手がける究極の日本酒、農口尚彦研究所の「YAMAHAI」
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アメリカ在住の東さんは石川県の出身。今回は、石川県が誇る「酒造りの神様」が手がけたという日本酒を紹介してくれました。自分で楽しむのはもちろんのこと、贈り物としてもオススメなんだそう。
イチオシスト:東 リカ
2014年末、7年間暮らしたサンパウロからポートランドへ移住。日本メディアにブラジル&米国ノースウェストの情報を発信中。得意分野は取材、旅行、グルメ、お酒、アート、サブカルチャーなど。All About ブラジル・アメリカ ガイド
。
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お酒の飲めるオトナなら、きっと一度は「酒造りの神様」と呼ばれる杜氏の作る日本酒を飲んでみたいはず。私の地元、石川県出身の農口尚彦(のぐち・なおひこ)さんが、その神と呼ばれる人です。
農口さんは80歳のときに病気を患ったこともあり、一度は引退されたのですが、ファンの熱い要望に応え、2017年、84歳で現役に復活。石川県小松市に「農口尚彦研究所」を開所し、酒造りを再開しています。今回は、そんな「神様」が作るちょっと贅沢なお取り寄せ商品をイチオシします!
小松市駅前からバスに乗ってどんどん山の方へと入っていき45分ほど。十二ヶ滝を越えて、日華石の石切り場の見える「観音下」で下車します。
平静とした空気のなかバス停から少し歩くと、農口さんの「の」の文字をかたどったロゴの看板、それからモダンながら周囲の田園風景に溶け込む美しい建物が見えてきます。
農口さんも設計に意見し新設されたこの施設は、最新の設備を備えた酒蔵や全国から訪れる若い蔵人たちが宿泊する社員寮、テイスティングルーム「杜庵(とうあん)」、ギャラリーなどが入っています。
杜氏一家の3代目として生まれた農口尚彦さんは、16歳で酒造りの道に入って以来、70年以上ずっと日本酒とともに生きてきました。
農口さんは、1961年から定年まで石川県の酒蔵「菊姫」で杜氏を務めました。そこでは、80年代の吟醸酒ブーム、また、戦後の量産に押され失われつつあった「山廃づくり」を復活させ、山廃ブームを巻き起こしました。全国新酒鑑評会ではなんと12年連続、通算27回の金賞を受賞しています。2006年には「現代の名工」に認定、2008年には黄綬褒章を受章しました。
そんな「レジェンド」と呼ぶにふさわしい功績を持つ農口さんですが、彼の酒造りのポリシーは「飲む人が求める酒を造ること」と驚くほど謙虚です。市場の動向を読むセンスにも長けている農口さんは、ただ同じ酒を造り続けるのではなく、その時代に喜ばれる酒を求めて、柔軟に酒の味わいを変化させてきました。
農口尚彦研究所は寒造りをするため、冬場の6カ月間ほどは無休で作業が行われます。農口さんはご高齢にも関わらず、若い蔵人たちに率先して夜中も2、3時間ごとに麹の様子を確かめるなど、妥協のない酒造りを行っているそうです。
「YAMAHAI」には、ワインがメルローやシャルドネなどぶどうの違いを表に出すような感覚で、お米の違いを打ち出した3種類をラインアップしています。これは、海外市場を視野に入れていることはもちろん、麹菌を使い分け、日本酒の主原料であるお米の旨味、甘みを最大限に引き出す酒造りをしてきた杜氏の想いが反映されているのかもしれません。
赤いロゴが「五百万石(GOHYAKUMANGOKU)」、緑のロゴが「美山錦(MIYANISHIKI)」、ピンクが「愛山(AIYAMA)」という酒米をそれぞれ使ったものです。ラベルもすっきりとオシャレで、特に720mlのボトルならフレンチやイタリアンなどのお供にワインクーラーに入っていてもまったく違和感がありません。
「GOHYAKUMANGOKU」は、肉料理、鰻など、和洋問わずメインのお供にぴったりで、幅広い温度帯で味の変化を楽しむことができるお酒です。「MIYANISHIKI」はどんな料理にも合わせやすく、冷やで贅沢な食中酒として楽しめます。「AIYAMA」は乾杯のお酒として冷やでおすすめだそうです。
用途に応じて選んでもいいですし、3本大人買いして飲み比べるのも楽しいはずです。テイスティングルーム「杜庵」では、おちょこの形状や厚さ、温度の違い、おつまみとのペアリングなどで変わる日本酒の楽しみ方を提案していました。
何と言っても復活した「酒造りの神様」が手がけたお酒です。日本酒通はもちろんのこと、ワイン好きや世界中の味にうるさいグルメな方たちにも自信を持って贈れるのではないでしょうか。
DATA
農口尚彦研究所┃YAMAHAI
内容量:720ml、1800ml
農口さんは80歳のときに病気を患ったこともあり、一度は引退されたのですが、ファンの熱い要望に応え、2017年、84歳で現役に復活。石川県小松市に「農口尚彦研究所」を開所し、酒造りを再開しています。今回は、そんな「神様」が作るちょっと贅沢なお取り寄せ商品をイチオシします!
清涼な水と緑に囲まれた酒蔵
農口尚彦研究所は日本酒蔵ですが、農口杜氏の酒造りの精神や技術を若い世代が研究、継承することをコンセプトとしていることから研究所という名前になっています。 研究所があるのは、石川県小松市観音下町(かながそまち)。白山の雪解け水を源流とする日本酒造りに欠かせないおいしい水を汲みあげられる場所です。農口尚彦研究所からの眺め
山奥に佇むモダンな農口尚彦研究所
蛇の目に似た農口尚彦研究所のロゴ入りおちょこ
日本酒の神様と呼ばれる杜氏
酒蔵プロジェクトの軌跡を示すパネル
農口さんは、1961年から定年まで石川県の酒蔵「菊姫」で杜氏を務めました。そこでは、80年代の吟醸酒ブーム、また、戦後の量産に押され失われつつあった「山廃づくり」を復活させ、山廃ブームを巻き起こしました。全国新酒鑑評会ではなんと12年連続、通算27回の金賞を受賞しています。2006年には「現代の名工」に認定、2008年には黄綬褒章を受章しました。
そんな「レジェンド」と呼ぶにふさわしい功績を持つ農口さんですが、彼の酒造りのポリシーは「飲む人が求める酒を造ること」と驚くほど謙虚です。市場の動向を読むセンスにも長けている農口さんは、ただ同じ酒を造り続けるのではなく、その時代に喜ばれる酒を求めて、柔軟に酒の味わいを変化させてきました。
農口尚彦研究所は寒造りをするため、冬場の6カ月間ほどは無休で作業が行われます。農口さんはご高齢にも関わらず、若い蔵人たちに率先して夜中も2、3時間ごとに麹の様子を確かめるなど、妥協のない酒造りを行っているそうです。
神業を堪能できる無濾過生原酒「YAMAHAI」
農口尚彦研究所からは複数のお酒がリリースされています。どれか1つを選ぶならば、農口氏が復活させ、極め続けてきた山廃仕込みの無濾過生原酒「YAMAHAI」はいかがでしょうか。手間がかかり、杜氏の長年の経験と高度なセンスを要求される山廃は、味の骨格がしっかりとしてより力強い濃醇な酒になると言われています。「YAMAHAI」には、ワインがメルローやシャルドネなどぶどうの違いを表に出すような感覚で、お米の違いを打ち出した3種類をラインアップしています。これは、海外市場を視野に入れていることはもちろん、麹菌を使い分け、日本酒の主原料であるお米の旨味、甘みを最大限に引き出す酒造りをしてきた杜氏の想いが反映されているのかもしれません。
赤いロゴが「五百万石(GOHYAKUMANGOKU)」、緑のロゴが「美山錦(MIYANISHIKI)」、ピンクが「愛山(AIYAMA)」という酒米をそれぞれ使ったものです。ラベルもすっきりとオシャレで、特に720mlのボトルならフレンチやイタリアンなどのお供にワインクーラーに入っていてもまったく違和感がありません。
テイスティングルーム「杜庵」での飲み比べ
用途に応じて選んでもいいですし、3本大人買いして飲み比べるのも楽しいはずです。テイスティングルーム「杜庵」では、おちょこの形状や厚さ、温度の違い、おつまみとのペアリングなどで変わる日本酒の楽しみ方を提案していました。
小松市出身の九谷焼人間国宝・吉田美統氏が手がけたおちょこで
DATA
農口尚彦研究所┃YAMAHAI
内容量:720ml、1800ml
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