シンガポールの”今”が垣間見えるアジア映画『クレイジー・リッチ!』
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シンガポール・沖縄ガイドの稲嶺恭子さん。アジアのエンターテインメントに関しても発信を続けています。今回イチオシしてくれたのは、シンガポールのリッチ層のきらびやかな様子が描かれた映画「クレイジー・リッチ!」です。
イチオシスト:稲嶺 恭子
大手出版社で情報誌編集に携わり、退社後シンガポールへ。現地日本人向け情報誌編集部を経て、帰国後は沖縄へ移住。シンガポール、沖縄での経験を生かして、2007年よりフリーランスの編集&ライターとして、主にアジアと沖縄をテーマとしたガイドブック・雑誌・書籍・ウエブ媒体などで活躍中。
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『クレイジー・リッチ!』。アマゾンプライムのビデオなどで観ることできるほか、原作小説もイチオシ
原作者はじめ、アジアンが多数関わっている映画で、コミカルな話の展開のなかにアジアンの根っこにある文化がしっかり描かれている点がとても興味深い作品です。シンガポールのロケ地も素敵に映し出されているので、シンガポールを旅する前にはぜひチェックしてみてください!
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想像をはるかに超えるアジアンリッチの世界
この作品の主役は、ABCと呼ばれるアメリカン・ボーン・チャイニーズのニューヨーカー、レイチェル。ある日、彼女は恋人のニック・ヤンと一緒に彼の故郷のシンガポールへ行くことになります。そこで初めて、レイチェルはニックがシンガポールの大富豪の御曹司であることを知って……という展開。作品のなかではクレイジーともとれるシンガポール在住のアジアンリッチたちの華やかな生活や、日本以上に古風な華僑セレブたちの文化・考え方が描かれています。実際に、この作品の作者であるケヴィン・クワンはアジアでも有数の大銀行の創始者の孫。彼のリアルな体験が反映されているのか、夢物語のようで夢物語でない、リアルなアジアンリッチの世界が覗ける作品でもあると思います。
こんなにシンガポールがフィーチャーされた作品は初めて!
私はもともとケヴィン・クワンの原作小説『クレイジー・リッチ・アジアンズ』が好きで、作品が映画になると聞いたときは「この世界観をどう表現するんだろう?」と不安でした。しかし、フタを開けてみると小説のイメージを崩さない内容に感動。頭の中で想像していた場面がそのまま作品になっていて「よくぞ、映画にしてくれた!」と拍手を送りたいほどでした。
私がシンガポールに実際住んでみて感じた「リッチ層は欧米をはるかに超えている」「今、時代はアジア!」という部分を余すことなく世界に伝えてくれた作品だと思います。古風だけど新しもの好きという彼らをコミカルに表現できているのも高ポイント。
シンガポールで撮影したロケ地はどこも素敵に映し出されているので、シンガポールに行く前にぜひ観てほしい!
アジアの才能がハリウッドに集結した記念すべき映画
この映画のもうひとつすごいところは、主要キャストがすべてアジア系の俳優だというところ。シンガポール在住時代にTVなどで見ていたシンガポールの俳優さんも多数出演していました。また、原作者のケヴィン・クワンはじめ制作人にもアジア系のクリエイターが多数関わっています。ハリウッドに多様性をもたらす作品として称賛されるとともに論争も巻き起こしましたが、それゆえ、アジアならではの色彩感覚や表現が多用されていて、今のアジアが好きな私にとっては斬新な映画でした。
これをきっかけに、もっとアジアの才能が評価されるといいなと、そんな期待も膨らむお気に入りの作品なのです。
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DATA
クレイジー・リッチ!
監督:ジョン・M・チュウ
時間:121分
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