彼氏とうまくいかないとき観ると落ち着く恋愛映画『her 世界でひとつの彼女』
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恋愛がうまくいかないと不安になるし、孤独を強く感じてしまいます。誰かと親密になることの喜びと怖さ、誰かとつながるための方法について教えてくれるラブストーリー『her 世界でひとつの彼女』を紹介します。
イチオシスト:石田 陽子
建設会社勤務後、フリーライターになりました。NTTドコモiモード公式サイト『本音メール診断』『iコンシェル」ほか インターネットサイトで恋愛コラムを多数執筆。まずは「イチオシ」の記事をご覧ください。
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誰かとのつながることの喜びと恐れ、恋愛中の複雑な感情に戸惑ったとき見たい映画
恋人と気持ちがすれ違ったとき、自分の中の複雑な感情に戸惑ったときに心を落ち着かせてくれる映画を今回はご紹介したいと思います。物語の舞台は、そう遠くない未来のロサンゼルス。セクシーで魅力的なAI(人工知能)型OSと一人の男との恋を描いた『her 世界でひとつの彼女』です。最近はマッチングアプリの数も増えて、出会いを探す人のためのツールも進化中。また、架空のアイドルの顔の画像を自動生成するAI技術が開発されたというニュースもありました。VR技術も進み、近い未来には恋愛の理想型を求めた人がAIと本気の恋に落ちるということもありそうです。
さて、物語の中で主人公のセオドアは最新のAI(人工知能)型OSを起動させ、画面の奥から聞こえるユーモラスで親しみやすい声をしたサマンサとすぐに打ち解けます。そして、夜寝る前に会話したり、デートをしたり、元妻のキャサリンとの関係についても相談するようになります。
一人で歩きながら眺める景色と、好きな人と楽しく会話しながら見える景色が違って見えるように、自分以外の存在を強く意識することで世界が変わって見えることがありますよね。嫉妬を覚えるくらい誰かの存在が自分の心の中で大きくなっていることに気づくなど、人間同士の恋愛と人間とAIの恋愛の違いはないようにも感じるでしょう。
AIと恋に落ちた主人公、セオドアはラブレターの代筆業をする言葉のプロですが、言葉だけで愛をつなぎとめられない現実までも描き切ったこの作品。第86回アカデミー賞で脚本賞を受賞しています。
実体のない恋愛にときめき、同時に安心したいと心は揺れ動く……。時代が変わっても、どんなに進化しても、私たちはいつでも誰かとつながることを必要としていて、そしてつながることに不安や恐れを感じる存在なんだと改めて気づかされます。ラストの優しい余韻に包まれながら、愛について新しい視点で考え直すのもいいなと思います。
作品情報『her 世界でひとつの彼女』
DATA
監督・脚本・製作:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス/エイミー・アダムス/ルーニー・マーラ/オリヴィア・ワイルド/スカーレット・ヨハンソン
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