「40歳過ぎて優勝したらかっこいい」 300試合出場の森田理香子が目指す新たなゴルフ道
イチオシスト
<ヤマハレディースオープン葛城 2日目◇3日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6510ヤード・パー72>
レギュラーツアー出場が節目の300試合となった元賞金女王は、トータル9オーバー・95位タイで予選落ち。だがその結果にも、清々しい表情でコースをひきあげた。
2013年の賞金女王・森田理香子は昨年9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」以来、7カ月ぶりのレギュラーツアー出場を果たした。だが初日は「78」と出遅れ。巻き返しが必要な2日目も「75」に終わり、週末に進むことはできなかった。
「成績は悪いんですけど、私的には苦手なところは克服できたし、悪いスイングも球筋もいい方向に変わってきている。右肩上がりです。身近で見ている人には『すごく進歩した』と言ってもらえるものです」と数字以上に満足できる部分が多かった。
300試合出場の道のりは平たんではなかった。08年のプロテストに合格すると、同年の「日本女子オープン」でプロデビュー。09年に初シード獲得、10年にはツアー初優勝を遂げる。13年には年間4勝を挙げて賞金女王を戴冠。長く第一線でプレーしてきたが、18年の「ニチレイレディス」を最後に一度はツアーを撤退した。コース外の仕事もこなす日々。だが24年の「ダイキンオーキッドレディス」で6年ぶりに電撃復帰を果たし、そして今季初出場が節目となった。
7カ月ぶりのツアーでは、森田のスイングにも変化が。全盛期はクラブの運動量を大きくしてツアー屈指の飛距離を誇ったが、葛城の地ではコンパクトなトップから振り下ろしていた。「私の悪いクセを直しているんです。飛距離は多少落ちたかなと思います」。もともと飛ばす才能は持ち合わせているため、方向性を重視しても余りある飛距離は健在である。
現状ではツアーにフル参戦することは難しいが、まだまだやる気は十分。レジェンド・青木功の言葉も背中を強く押す。「お仕事でご一緒させてもらったときに、『俺はゴルフ歴70年』っておっしゃっていたんです。『理香子もそれくらい、いかないとな』って言われて…。私はあと40年はやるってことですね。そう考えたらまだまだいけると思っています。レジェンド(シニア)も、ステップ(下部)も、レギュラーもあるので。40歳を超えてから優勝したらもっとかっこいいかなと思う。長くやりたいです」。
プロ19年目で300試合。「すごくいい人生を送れていると思います。(ツアー以外の)違う世界を見られて、ゴルフ界ってすごく狭い世界。社会勉強にもなりましたし、私は“ツアープロ”だけではない。他のお仕事もしながらマルチに活躍したいと思っています。プラス、自分の技術向上も」。テレビ解説などメディアの仕事、イベントなどゴルフ界での様々な“仕事”で活躍している。今後も技術向上を求めながら競技と二足の草鞋を履くつもりだ。
ひさびさの試合会場を眺め「やっぱり楽しいです」と笑顔。「すごく考えるし、プライベートのゴルフとは緊張感も違うし。試合ってすごいなって思います。楽しさもありますが、厳しさもある。そこはよく知っているので…」。ここは楽しさと苦い経験が交錯する場でもある。
今年1月に36歳になり、ツアー会場ではすっかりベテランにはなった。2週前の「Vポイント×SMBCレディス」を制した笠りつ子は、2学年上でその活躍には大きな刺激を受ける。「技術的には今が一番うまいと思っています。成績もついてくるように一生懸命やっていきたいです。400試合は難しいかもしれないけど、数字は伸ばしていきたいですね」。
全盛期に9オーバーの95位タイで予選落ちとなったら、笑顔を見せることはなかったはず。一度ツアーを退いて、外の世界からゴルフ界を見たことで、新生・森田理香子として戻ってきた。かつてはクラブを替えることにも抵抗を感じていたが、今は自分に合わせたクラブ選びもできている。技術の向上、柔軟な考え方は、40歳を過ぎての優勝も夢ではないかもしれない。(文・小高拓)
<ゴルフ情報ALBA Net>
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