菅楓華のパットはフェースの芯でボールの芯をヒットする “三種の神器”が安定感を生むヒケツ【大西翔太のHOTSHOT】
イチオシスト
青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太の【SHOW TIME】はリニューアル。好調な選手や注目選手の強さのヒミツ、女子ツアーでの流行など現場からのホットな情報をお届けする。今回は今季好調の菅楓華にスポットを当てた。
◇
プロ3年目の今年、開幕戦で6位タイに入ると2戦目の「台湾ホンハイレディース」で優勝を挙げ、先週も2位タイ。「いまの菅選手を見ていると、毎週優勝争いしそうです」と大西氏も目を見張る注目株だ。
プロ1年目は優勝争いも経験したが、メルセデス・ランキング(MR)63位と初シードには手が届かなかった。だが昨季は悲願の初優勝も挙げてMR4位と躍進。そして今季は年間女王候補として好スタートを切っている。
「菅選手はもともとショット力は高いですが、1年目の頃に比べるとパッティングが格段に良くなっています。台湾の試合はグリーンの傾斜が強く、パッティングがよくないと勝負できないコースでした」。台湾ホンハイレディースでは、4日間の平均パット数28.25で1位と優勝に直結する数字を残した。グリーン上の力が向上したことが、好調さを物語る。
これだけ決まるヒミツはストロークにある。「ややアッパーの軌道でヘッドの芯とボールの芯でしっかりヒットできています」。アドレス時はヘッドを地面に置いてあるが、ストロークの最下点から上がり際でインパクトすることで、フェースの芯とボールの芯でヒットできる。では、そのメリットとは?
「ヘッドが上から入るとバックスピンが入りすぎて、打ち出しでわずかですがボールが跳ねて、転がりがよれやすくなります。アッパー目の軌道でヘッドの芯でボールの芯をとらえると、バックスピン量が減って早めにトップスピンになる。そのため安定した転がりと距離感を合わせることが容易になるというわけです。特にクセのあるグリーンはバックスピンが多いと芝の影響を受けやすく難しくなる。菅選手のストロークは、グリーン問わず戦えますね」
ストロークがいいからこそ、クセの強いグリーンでも安定したボールが打てていたというわけだ。
ラウンド前後の菅を見ていると必ず行う練習がある。小さなトートバッグに3つの練習器具を入れている。その中身の1つは、フェース面が狙ったところに向いているかを確認するレーザー。2つ目は自身のフェースの開閉のイメージが記されたパターマット。3つ目はミラーである。
菅に練習器具の使い方を聞くと、フェース面のチェックは主にラウンド後に行う。2つ目のマットは、カット軌道になるクセがあるため、カット軌道だと当たりやすい位置にティを刺して適正なストロークをチェック。3つ目のミラーはアドレスやストローク中に右肩がかぶるクセがあるので、ミラーに右肩が映らないように振る確認をしているという。
こうした練習を日課としている菅の姿を見て、「納得ですよね」と話す。「トッププロでも向きや構えは無意識にズレることがあります。菅選手は常に肩の向きやフェースの向き、全部揃えて偏らないように、整った形で打つことを意識しています。毎試合上位に入る、強さのヒミツの一つですね」。連戦でも常に上位に入るために、毎日の練習が大事になる。
ちなみに、菅のようにややアッパーのストロークを手に入れるコツがある。「ボールの後ろに10円玉などのコインを置いて、それを打たないようにすることで、かるいアッパーブローでヘッドの芯でボールの芯をヒットすることができます」。大西流コイン1枚で簡単に上達する練習方法も教えてくれた。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務め、24年からは安田祐香のコーチングも行っている。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。豊富な知識を生かして、今年はテレビ解説も行うなど活躍の場を広げている。
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
