アウトドアは暮らしの一部。YURIEさんが大切にしている、仕事との距離感【アウトドアで働く人】
イチオシスト
アウトドアインフルエンサーYURIEは何者か?

YURIEさんは、キャンプや車中泊、旅を軸にライフスタイルを発信するアウトドアインフルエンサー。
Instagramを中心に支持を集め、現在(2026年2月時点)のフォロワー数は12.6万人。アウトドア・アパレル・自動車・観光など、ジャンルを横断しながら商品企画や空間プロデュース、コンテンツ制作まで幅広く手がけています。
アウトドアインフルエンサーって呼んでもらうことは多いんですけど、自分ではそこまで意識していなくて。生活の中にキャンプや旅があって、それを発信していたら今の形になった、という感覚なんです。

今回訪れたお住まいにも、アウトドア感を押し出した演出はありません。クラシックな雰囲気漂うログハウスの空間には、北欧の家具や日本各地で集めた民芸品がセンス良く置かれていました。
原点は群馬の雪山。外で遊ぶのが当たり前だった幼少期

YURIEさんは群馬県・伊勢崎市生まれ。幼い頃の記憶をたどると、真っ先に浮かぶのは雪山だったそうです。
6歳まで群馬で過ごしていたので、冬はほぼ毎週スキー場に行ってた記憶しかないですね。親が好きだったのもあるし、近所の家族も一緒に行くような時代で。
本当に“いつも雪山で遊んでた”っていう感覚です。


当時は「アウトドア」という言葉すら意識せず、ただ、自然の中で体を動かすことが日常だったそう。
その後、埼玉に引っ越してからは、テニスに打ち込み、中学・高校時代は部活中心の生活に。キャンプや家族でのアウトドアは、ほとんど経験していなかったといいます。
その頃は、とにかく部活でしたね。将来の夢とかも特になくて、“いい会社に入れたらいいな”くらいの感覚でした。
「自分がつまらない仕事は、死んでいるのと一緒」20代前半の転機

高校卒業後、安定を求めて大手メーカーに就職。しかし、その仕事は想像していたものとは違いました。
正直、仕事が全然楽しくなくて。やることも早く終わっちゃうし、暇な時間がつらかったんです。
親には『せっかく入った会社なのに』って言われましたけど、“自分にとってつまらない仕事は、死んでるのと一緒だ”って言っちゃって……。今思うとすごい言い方ですけど、それくらい無理だったんですよね。


結果的に会社を辞め、その後、プレスアシスタントやアパレル販売などを経て、服飾雑貨メーカーのデザイナー職に就きます。
その中で、ものづくりや企画に関わる楽しさに気づいていったそうです。
ノベリティや小物の企画・デザインなど、形にしていく過程がすごく楽しくて。“仕事って、こういうことかもしれない”って初めて思えたんです。
Instagramとキャンプ。偶然が仕事に変わった瞬間

YURIEさんがInstagramを始めたのは2013年9月。当初はファッションや旅、DIYの写真が中心でしたが、すでにライフスタイルの一部となっていて、土日にやったことがそのままフィードに反映される感じだったそう。
SNSという感覚は少なく、もちろん“仕事につながる”という意識はありませんでした。そんな中、職場の先輩に影響を受けて初めてキャンプへ。
道具も借り物だし、知識もゼロ。でも、すごく楽しくて、そこから一気にキャンプにハマっていきました。“非日常感”が海外旅行と似ていたんです。
それで、すぐにテントを買って、写真撮って、インスタに上げていたら、気づけばフィードはキャンプの写真が増えていきました。
すると、少しずつ企業からDMが届くようになったんです。


最初は“これ、何?”って感じでした(笑)。ランドローバーさんから連絡が来たときは、本当にびっくりしましたね。
それ以降も、企業からの案件オファーがDMで定期的に入るようになり、平日の仕事と並行するのが難しくなっていきます。
仕事は楽しかったですし、会社を辞めるのは怖かったですけど、来ている仕事を断るほうが、もっと嫌で。“なくなったらまた考えればいいか”って思えたんですよね。

仕事の幅が広がっても、軸は変わらない

アウトドアインフルエンサーという肩書きで知られるYURIEさんですが、現在の仕事はそれだけにとどまりません。
アウトドアを軸にしながら、宿泊施設や物件のプロデュース、空間のスタイリング、観光局のコンテンツ制作など、関わるフィールドは年々広がっています。
グランピング施設の内装を手がけたことをきっかけに、別の宿泊施設の相談が舞い込んだり、地域活性の文脈で空いている土地を宿泊施設として活用するプロジェクトに関わったり。
最近では、海外観光局の仕事として、旅先の魅力を日本向けに伝えるコンテンツ制作も進行中です。

正直、自分でも何がメインなのか分からなくなることはあります(笑)。
月によって全然違いますし、アウトドアが多いときもあれば、空間やプロダクトの仕事が続くこともあります。
そう話しながらも、不思議と迷いは感じさせません。
不安になることは、あまりないですね。基本どうにかなるって思ってるタイプなので(笑)。ここまで何とかなってきたし、きっとこれからも何とかなるだろうなって。

その“何とかなる”を現実的なものにしているのが、パートナーのしゅんぴーさんの存在です。契約や数字の管理、スケジュールの整理など、いわゆる裏方の部分を支える役割を担っています。
私は感覚で突っ走っちゃうところがあるんですけど、しゅんぴーが『年間で見たほうがいいよ』って冷静に言ってくれるので。そこは本当に助けられています。
勢いだけでは続かない。けれど、慎重になりすぎても前には進めない。感覚と現実、その両方のバランスを取りながら、YURIEさんは自分らしい働き方を更新し続けています。




頑張りすぎない。長く続けるためのマイルール

活動を続けるうえで、YURIEさんが大切にしているのは“頑張りすぎない”こと。
頑張りすぎると、嫌いになっちゃいそうで。だから、ちゃんと休憩するのは意識してます。最近は木の板にタイルを張って、コースターやトレーを作ったりしてますね。

あと、あえて仕事と切り離す時間もつくります。ビジネスホテルとか、すごく好きなんですよ(笑)。何も撮らなくていい場所って、意外と一番リフレッシュできます。

最後に、これから同じような道を目指す人へのアドバイスを聞きました。
アウトドア業界に入ることが正解かどうかは、人それぞれだと思います。仕事にすることで、純粋に楽しめなくなることもある。だから、自分が何に向いているか、どういう距離感が心地いいかを知るのが一番大事かなって思いますね。
暮らしと仕事をきっちり分けるのではなく、好きなものを無理なく行き来させながら続けていく。YURIEさんの働き方は、そんな“自然な選択”の積み重ねでした。
✔こちらの記事もおすすめ!
関連記事:【アウトドアで働く人】“名もなき山”を彫り出す、イッカクモザイクのモノづくり姿勢
関連記事:自転車屋であるテンプラサイクルは、なぜキャンプ業界で存在感を見せるのか【アウトドアで働く人】
記事提供元:CAMP HACK
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
