世界初の自動車用冬タイヤを開発した欧州の老舗、『ノキアンタイヤ』のサマータイヤが熱い!

イチオシスト

「ノキアンタイヤ」は、フィンランド発祥の老舗タイヤメーカー。ウインタータイヤのカテゴリーでは、欧州で確固たる地位を築いている。ただし、抜群の安全性や性能を誇るのはウインタータイヤだけではない。長年の経験で培われた数々のテクノロジーはサマータイヤの開発にも活かされており、こちらも欧州などで高い評価を受けているのだ。
東京オートサロン2026では、「ノキアンタイヤ」の日本輸入総代理店を務める阿部商会が、サマータイヤラインアップを展示。コンパクトなブース展開ながら、来場者の注目度は非常に高かった!
世界で初めてウインタータイヤを開発!



「ノキアンタイヤ」の前進となるThe Finnish Rubber Woksが、フィンランドで創立されたのは1898年。その6年後にはノキア工場が建設され、1932年に自動車用サマータイヤの生産を開始した。そして1934年には、世界初となるウインタータイヤの開発に成功。翌々年から、この自動車用ウインタータイヤは「ハッカペリッタ」を名乗り、同シリーズは昨年でなんと90周年を迎えた。

雪上走行や氷上走行の機会が多いフィンランドで鍛えられた性能により、「ハッカペリッタ」シリーズは本拠地となる北欧のみならず欧州全土で絶大な信頼を集め、「ノキアンタイヤ」はウインタータイヤの最高峰メーカーに君臨。BMW、ジャガー、ランドローバー、テスラ、ボルボ、MBといった欧米の自動車メーカーが推奨するほどである。
プレミアムなのはサマータイヤも同様!

近年、日本でも認知度が上がっている「ハッカペリッタ」シリーズ。しかし「ノキアンタイヤ」は、冬道専門のタイヤメーカーというわけではなく、もちろん発祥はサマータイヤにあり、他の欧州一流メーカーと同じくこちらの生産でも長い歴史を誇る。ブランドとしての大きな特徴のひとつは、「自動車メーカーへの納入(純正採用)がない」こと。これは、ブランド認知度向上の点では不利に働くが、その代わりに自動車メーカーの制約にとらわれず、自由で柔軟な発想を取り入れながらスピーディに製品開発ができるというメリットも生む。
近年、ヨーロッパで活動するタイヤメーカーは地球環境に配慮した製品づくりや物流などを無視できず、これに関しては「ノキアンタイヤ」も同様。ただし、自然豊かな美しい国として知られるフィンランドで育った「ノキアンタイヤ」は一歩上を行き、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックスでは、「世界中の上場企業で上位10%にランクインするサステナブルな企業」に選定されている。

そして、日本のユーザーにとってはもうひとつ、「サマーシーズンにおけるフィンランドの道路環境が日本に近い」というのも、大きな魅力につながる。高速道路の法定最高速度は120km/hで、これは現在の日本と同じ。このため「ノキアンタイヤ」は、超高速域での性能を追求するというよりは、中速域での安定性や快適性や安全性などを重視しながら開発されている。日本の道との親和性は高いのだ!
オートサロンは夏タイヤ推し!

東京オートサロン2026は、地域によってはまだまだウインタータイヤが必須となる1月中旬に開催されたが、「ノキアンタイヤ」がアピールに力を入れたのはサマータイヤ。これらは「ハッカ」シリーズとして展開され、一般的な自家用車用としては「ハッカ・ブラック3/SUV」と「ハッカ・ブルー3/SUV」と「ハッカ・グリーン3」が展開されている。
ちなみにフィンランドは、日本と同じく四季がある国。その土壌で育った「ハッカ」シリーズは、低温域でもコンパウンドが比較的柔軟に保たれるという特徴も持つ。関東地方以西の太平洋沿いなど、降雪や凍結の心配がほとんどない地域に住んでいて、真冬でもスタッドレスタイヤを必要としないユーザーにとっては、「低温域での性能」も大きな魅力となる。
トータルバランスに優れたフラッグシップ!
HAKKA BLACK 3/HAKKA BLACK 3 SUV

ハイレベルなドライ性能とウェット性能を獲得し、快適性まで兼ね備えた、「ハッカ」シリーズの頂点に君臨するUHP(ウルトラハイパフォーマンス)タイヤ。気温や路面コンディションの変化にも柔軟に対応できる、最新のコンパウンドを採用。周方向の太い溝と、斜めに配されたライトニング・フロー・グルーブのコンビネーションにより、ウェット路面での安全性を高めている。



ノイズの増幅を抑制するトレッドデザインに加え、一部サイズではタイヤの内側にアコースティックフォーム(吸音スポンジ)を装備。これにより、車内に伝わるタイヤノイズを低減している。サイドウォールに配された緑の「HAKKA」プレートは、フラッグシップの証。スポーティで快適な走りを約束してくれる。
ウェットにも強い低燃費ハイパフォーマンスタイヤ
HAKKA BLUE 3/HAKKA BLUE 3 SUV

初春や晩秋の気温が低めなウェット路面でも優れたグリップを発揮でき、猛暑でも剛性感のある快適な走りを楽しめるハイパフォーマンスタイヤ。流体力学のコアンダ効果を用いたトレッドデザインで溝の排水性を高めるなどの技術により、EUのタイヤラベリングで最高グレードとなる「ウェットグリップA」を獲得。全サイズで新品時8mm以上の深い溝を採用しつつ、転がり抵抗を抑えて燃費性能を高めてあるのも大きな特徴だ。


周方向グルーブのサイド部分には、ゴルフボール表面のようなディンプルをデザイン。これにより乱気流を発生させることで、走行時のノイズ低減につなげている。なお、SUV向けのHAKKA BLUE 3 SUVおよびHAKKA BLACK 3 SUVでは、タイヤの中で最も弱い部分とされるサイドウォールの内部をアラミド繊維で補強。防弾チョッキなどにも使われる高強度素材により、パンクのリスクを低減している。
基本性能を磨いたプレミアムスタンダードサマータイヤ
HAKKA GREEN 3

コンパクトカーやミニバンなどをメインターゲットとした、エコ&クリーンなスタンダードタイヤ。大きめのセンターブロックと頑丈なセンターリブで、優れたハンドリングと旋回性を実現。高効率な排水性を追求した溝配置により、ウェット性能も高めてある。先代と比べて約35%も向上した耐摩耗性も魅力。タイヤ重量や転がり抵抗も少なく、軽やかな乗り心地と低燃費を実現している。


ひと目で溝の残量が確認できるトレッド面の数字による残溝インジケーター、適正空気圧をメモしておけるサイドウォールのインフォフィールド、トレッドサイドのディンプル加工など、ハイグレードモデルと同様の装備や技術も多く導入されており、スタンダードタイヤとはいえプレミアムな仕上がりだ。
やっぱりスタッドレスタイヤも無視できない!

「ノキアンタイヤ」はウインタータイヤの生みの親。「ハッカペリッタ」シリーズは90年間も進化を続けており、同社の象徴的な存在となっている。東京オートサロン2026では、そのフラッグシップとなる「ハッカペリッタ R5」シリーズも展示。こちらは、一般乗用車向けとSUV用とEV用で異なる細部設計やチューニングが施されており、幅広い車種で最高のパフォーマンスを発揮できるスタッドレスタイヤだ。
北欧で鍛え抜かれたスタッドレスタイヤの最高峰
HAKKAPELIITTA R5/HAKKAPELIITTA R5 SUV/HAKKAPELIITTA R5 EV

コンパウンドに配合された「アークティックグリップクリスタル」と呼ばれるミクロの結晶が、スタッド(スパイク)のように機能して、氷上でのグリップを向上。タイヤが摩耗しても新しい結晶が表面に出現するため、氷上性能を維持しやすい。接地面のアウトサイドとインサイドで異なるブロックパターンを採用することで、コーナリング性能と直進安定性の両立も実現している。
スタッドレスタイヤなのに低燃費で、雪が積もっていないドライ路面や雨によるウェット路面でも安定性と操縦性と高速域性能に優れる。
シリーズのうちSUV用は、コンパウンドや内部構造まで専用化。トレッドパターンは標準タイプのR5と同じように見えるが、溝は深めに掘られている。EV用は、タイヤの内側に吸音スポンジを採用しているのが大きな特徴。エンジン音がないEVに合うよう、タイヤノイズをさらに低減している。
(編集協力:株式会社阿部商会)

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