高橋ヨシキが映画『ハロウィン THE END』と『レッド・ロケット』をレビュー!
イチオシスト
『ハロウィン THE END』評点:★3点(5点満点)

© 2022 UNIVERSAL STUDIOS
44年にわたる血まみれ殺人大河ドラマ完結編!
2018年から始まった最新の『ハロウィン』シリーズもついに完結編である。
『ハロウィン』フランチャイズは本作を入れて13本あり、作品の関係や時系列も非常に複雑なのだが、今回のシリーズは1978年のオリジナル版『ハロウィン』の続き、ということになっているのでオリジナル版さえ観ていれば一応大丈夫な作りになっている。
ということで44年の長きにわたったローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)と殺人鬼〈ザ・シェイプ〉ことマイケル・マイヤーズの殺人大河ドラマについに終止符が打たれる。
今回は新機軸もあって、それは別の超有名ホラー・フランチャイズのとある展開を思わせるものだが(はっきり書くと内容がバレてしまうので控えておく)、ひょっとしてそうなのかな、ということがとある登場人物の名前からある程度分かってしまうのはご愛嬌。時代は現代だが、ズームを多用した画作りと寒々とした風景が1970年代っぽさを盛り上げているのも良い。
一方で登場人物の台詞がときにひどく説得力を欠いているため興ざめに感じる部分も多いし、本シリーズ旧作の名シーンを細かくカットバックさせて盛り上げる手法にもやや疑問は残る。
STORY:殺人鬼マイケル・マイヤーズが大暴れする新編3部作の完結編。マイケルの魔の手から生き延びたローリーは回顧録の執筆中。しかし、青年コーリーが長らく行方不明だったマイケルに遭遇。再び恐怖の連鎖が始まった。
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
製作総指揮:ジョン・カーペンター
出演:ジェイミー・リー・カーティス、アンディ・マティチャック、ジェームズ・ジュード・コートニーほか
上映時間:111分
全国公開中
* * *『レッド・ロケット』評点:★4点(5点満点)

© 2021 RED ROCKET PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
人間の「しょうもなさ」をユーモアを交えて活写する
ショーン・ベイカー監督の前作『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』は、アメリカ社会の底辺でもがきながら生きる人々を描いた秀逸な作品だったが、本作でもまたひと味違う貧困層の人々の姿が活写されている。
主人公は元ポルノスターのマイキーという40代の男で、彼の本当にどうしようもない「しょうもなさ」が全編にわたって描かれる。
これが最高に面白いのは、マイキーのあまりの「しょうもなさ」に思わず苦笑する一方で、誰しも多少の「しょうもなさ」を抱えているからだ(「そんなことはない、俺は私は全然『しょうもなく』ない」という人たちは、そう思う時点で既にマイキーの精神性にかなり近いものがある)。
本作が素晴らしいのは、マイキーだけでなく、地元の人々も程度の差こそあれ全員が非常に「しょうもない」というところにある。マイキーの「しょうもなさ」は群を抜いているので周りに叱られたりもするのだが、叱る人たちもみんなやっぱり「しょうもない」。
本作はそういう光景をベタベタ甘ったるく「優しい目で見つめる」ことはしないが、といってシニカルに突き放すわけでもない。そこには絶妙なバランス感覚と類をみないユーモア感覚がある。
STORY:元ポルノスターで今は無一文のマイキーは、故郷のアメリカ・テキサスでマリファナを売りながら生計を立てている。ある日、ドーナツ店で働く少女との出会いをきっかけに、マイキーは再起を夢見るようになるが......。
監督:ショーン・ベイカー
出演:サイモン・レックス、ブルー・エルロッド、スザンナ・サンほか
上映時間:130分
ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開中
記事提供元:週プレNEWS
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