『コンフィデンスマンKR』のパク・ミニョン×パク・ヒスン×チュ・ジョンヒョクにインタビュー!
イチオシスト
長澤まさみ主演のヒット作「コンフィデンスマンJP」シリーズが韓国版としてリメイク。奇想天外な信用詐欺の手口で悪徳な金持ちを巧みに出し抜く痛快なストーリーは原作に沿いつつ、時代やお国柄に合わせたオリジナルの展開も。詐欺師イラン、ジェームズ、グホを演じたのは、パク・ミニョン、パク・ヒスン、チュ・ジョンヒョク。『韓国テレビドラマコレクション2026』(キネマ旬報社刊)とはひと味異なる、3人の仲の良さが伝わる特別インタビューをお届けします。
悩みどころは、原作を損なうことなく個性を発揮できるか

―まずは、日本の作品のリメイク版に出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
パク・ミニョン:素晴らしい作品の韓国版に出演することができて、すごく嬉しいチャンスだと思いました。どうしたら原作を損なうことなく自分たちの個性をうまく表現できるかというところで、かなり悩んだりもしました。
パク・ヒスン:日本の素敵な作品を韓国に紹介できることになって嬉しかったです。3人の関係性が際立っている作品なので、私たちもがっちり団結して楽しい作品ができるよう頑張りました。
チュ・ジョンヒョク:この素晴らしい作品をリメイクすると聞いたとき、断る理由がありませんでした。絶対にやるべきだと思いました。あらためて、出演を決めて正解だったと我ながら思っています(笑)。
—詐欺師の3人組、イラン、ジェームズ、グホの絶妙で軽快なコンビネーションがドラマを盛り上げます。それぞれとても個性的なキャラクターですよね。
パク・ミニョン:イランは、オリジナル版ではいつも明るく健康的なリーダーとして全体を引っ張っていく役どころだったので、私もそのピュアな演技を引き継いでいけるように心掛けました。そこに韓国的なテイストが加わっているので、さらにディープなキャラクターが誕生したのではないかと思っています。
パク・ヒスン:ジェームズは3人の中でいちばん年上ですが、親近感を持たれる性格です。先頭に立って仕切るのではなく、後ろで見守りながら黙々と2人をサポートする役どころです。
チュ・ジョンヒョク:グホはチームの末っ子で、いちばんセクシーな……あ、セクシーじゃなくて(照)、明るくてエネルギッシュで、とても純粋なキャラクターです。2人が作戦を練っているときに一人だけ仲間外れにされたりもしますが、彼らを愛してやまない、いつも一緒にいたいと願っている人物です。
パク・ミニョン:なんで「セクシー」が出てきたの?
チュ・ジョンヒョク:頭の中でずっと「セクシー、セクシー、グホはセクシー」って考えてて……。
パク・ミニョン:「チュ・ジョンヒョクはセクシー」じゃなくて(笑)?
チュ・ジョンヒョク:じゃなくて。絶対に違います!
チームワークを高めるため、ミニョン邸に集合!?
—劇中の関係性に近づけるために、撮影以外でもお互いに敬語を禁止にするなどしてチームワークを築き上げてきたと伺いました。
パク・ミニョン:実際に私たちが親しくなることが大切な作品だと思ったので、一度、私の家に集まってお酒を飲みながら一緒に語り合ったこともあります。気づいたらあっというまに10時間も経っていて、本当にびっくりしました。それ以降、作品の話はもちろんプライベートな話をしたりもしながら親しくなりまして。おかげでよい化学反応を劇中で起こせたのではないかと思います。
パク・ヒスン:最初は台本リーディングからスタートしたんです。それから作品の話になって分析なんかをしていたら、徐々に個人的な打ち明け話が始まって。涙なしでは聞けない話まで飛び出したりして(笑)。
パク・ミニョン:あの日、ヒスンさんが「ミニョン、なんだかトイレに行くたびに酔いが回るんだけど?」と言っていたのを思い出します。後程チェックしてみたら、うちのゲスト用トイレのヒーターが10時間つきっぱなしだったんです。2人とも毎回サウナ状態のトイレに入っていたんだと想像すると、面白かったです。
チェ・ジョンヒョク:本当に暑かったんですよ(笑)。(3人で集まった)あの時間は、僕にとって本当に大切な時間になりました。集まる前、僕はてっきり演技をテストされるんじゃないかと思っていたんです。台本の読み合わせをしながら、実際に役を演じたりもしたのですが、お二人は僕が自信をもてるように、いろんな話をしてくださって。だからあの日以来、お二人を全面的に信じられるようになりましたし、撮影では完全に頼りきっていました。
ありとあらゆるキャラクターになりすます3人の振り切った演技は必見!

—この作品の楽しみの一つは、ターゲットを欺くための華麗なる変装だと思います。30以上の変装をされたそうですが、お互いに似合っていると思った衣装はありますか?
パク・ミニョン:ヒスンさんが歌手に変装したときの、あの表情が忘れられません。魂を込めて歌った歌とダンスが面白かったです。グホ(チュ・ジョンヒョク扮)は……韓国で大ヒットした時代劇『推奴(チュノ)』のキャラクター。似合わなすぎてびっくりしました(笑)。映像ではうまく編集してくれてますけど、現場では彼と目を合わさないように必死でした。
チュ・ジョンヒョク:初耳なんですけど? 現場ではみんなが似合ってると言って僕の写真を撮りたがってましたよ。
パク・ミニョン:それは、似合ってたからかな? それとも似合ってなかったからかな?
チェ・ジョンヒョク:笑えたから……でしょうね(笑)。
パク・ヒスン:ミニョンさんがフリーダ・カーロの格好をしたシーン。女優さんは体を張ることをためらいがちですが、扮装チームが準備した(フリーダ・カーロ風の)一文字眉を、自分でさらに描き足してつながり眉毛にしてたんです。あれは爆笑でしたね。ジョンヒョクさんは女装をしていまして。すばらしい脚線美……とはいえ、かなりこちらが気まずくなる姿で登場します(笑)。皆さん、見て判断してください。
チェ・ジョンヒョク:女装したら自分の妹にそっくりで、びっくりしました! 女装は初めてだったのですが、僕はのどぼとけが大きいので、隠すのが大変でした。
—韓国版ならではの見どころを教えてください。
パク・ミニョン:なぜこの3人が手を組まなければならなかったのかという部分や、3人それぞれの過去のエピソードが、具体的に描かれているところです。見ていただければ、「彼らは一緒に行動するしかなかったんだな」「ここまでするしかないんだな」と感じられる、丁寧な説明ができていると思うので、その物語の流れにも注目してほしいです。
パク・ヒスン:韓国版では、悪人を“より悪辣に”描いているので、3人がターゲットを懲らしめたときの痛快さも増していると思いますし、3人の個人的なエピソードが描かれることで、ミステリー要素も増していると思います。
チュ・ジョンヒョク:言語が違うので、韓国語のリズムが与える楽しさ、言葉遊びのような要素も、面白ポイントになっていると思います。すばらしい原作をリメイクするからには、作品の名に恥じないようにと、僕たち3人、そしてスタッフも、全員で最善を尽くして一生懸命撮影しましたので、楽しんで見てもらえたら嬉しいです。
文=河井佳 制作=キネマ旬報社 制作部

『コンフィデンスマンKR』
Prime Videoにて独占配信中
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【STORY】
天才的な頭脳を持つイランは、寡黙で冷静なジェームズ、お人好しでピュアなグホと組み、詐欺を仕掛けて大金を騙し取っている。彼らのターゲットは、弱者を踏み台にして暴利をむさぼる悪徳業者や実業家たち。悪党を懲らしめ、成功を祝うなか、イランは幼少期のある事件を思い出す。それは彼女が詐欺に手を染めるようになった理由だった。
【STAFF】
演出:ナム・ギフン
脚本:ホン・スンヒョン、キム・ダヘ
【CAST】
パク・ミニョン、パク・ヒスン、チュ・ジョンヒョク、ソン・ジヒョ、イ・イギョン、キム・ソニョン、チョン・ウンイン、ハ・ジュン、オ・ナラ、ユン・チェギョン
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『韓国テレビドラマコレクション2026』
2002年よりキネマ旬報社が毎年発⾏してきた、‟元祖”韓国テレビドラマムック『韓国テレビドラマコレクション』。2026年1⽉16⽇に発売する2026年版の表紙は、パク・ミニョンさん。「彼女が出演するなら無条件で見る」と、韓国での視聴者からの信頼は絶大な韓流スターの一人です。最新作『コンフィデンスマンKR』での役作りから、作品選びの基準まで、役者としての信念を本誌だけに語ってくれました。共演者のパク・ヒスンさん、チュ・ジョンヒョクさんのインタビューも収録。さらに、最新韓国ドラマの解説はもちろん、巻頭特集『珠玉の韓国ドラマ2025 ―ボーダーレスカルチャー時代―』では、古家正亨が選ぶ2025年のOST、最旬俳優の魅力分析、精鋭執筆陣がセレクトした2025年の推しドラマ、韓国コンテンツの現在地と未来を語る対談までを網羅。それだけでなく、2025年の韓国映画事情や傑作レビュー、映画祭のリポートも収録。2025年を彩った韓国エンタテインメントの“今”を、エキスパートと共にひもときます。
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記事提供元:キネマ旬報WEB
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