パンダが日本からいなくなる!来年1月の中国返還前に上野動物園へ会いに行こう
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イチオシスト
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東京・上野動物園で生まれ育った双子のジャイアントパンダ、シャオシャオ&レイレイが2026年1月末、中国への返還期限を迎える。今年6月、和歌山・アドベンチャーワールドの4頭全頭が中国に返還された時は、大勢のファンたちによる涙のお別れが話題となった。そして来年シャオシャオとレイレイが返還されてしまうと、日本からパンダがいなくなってしまうのだ。
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1972年、カンカン&ランランが初来日し、空前のパンダブームが起こってから53年。日本の人々はパンダの可愛い姿に癒されてきた。上野動物園で生まれたシャンシャン人気はすさまじく、2023年2月、中国に返還されるまでの6年半の経済効果はなんと600億以上!誕生日には観覧4時間待ちの行列となり、お別れの日は泣き崩れてしまう人が続出し、社会現象となった。来年1月のシャオシャオ、レイレイ返還時も、かなりの騒動になることが予想される。
パンダの魅力と中国返還への思い
上野動物園に毎日通ってパンダを撮影し、ブログやSNSで愛らしい写真を発信している“毎日パンダ”こと高氏貴博さんに、パンダの魅力や、返還への思いを聞いた。
「2011年にリーリーとシンシンに出会ってから、待ちに待った赤ちゃんシャンシャンが誕生して上野が大騒ぎになり、その後、大フィーバーとなりました。2021年にはシャンシャンの返還がコロナ禍で何度も延期される中、双子のシャオシャオ、レイレイが生まれてまた上野が賑わって……と、とても長い歴史を見届けてきた感じがします。シャンシャンも、シャオシャオ、レイレイも我が子のような目で見てきました。日々、子供の成長を見ているような感じで、毎日楽しみの連続なんです」(毎日パンダ:高氏さん、以下同)
我が子同然のシャオシャオ、レイレイが返還されると上野動物園、そして日本にはパンダがいなくなってしまう。
「シャンシャンは“帰る帰る詐欺”みたいで(笑)、何度も返還が延期されました。園内の移動だけでも痩せてしまうような繊細な子だったので心配しましたが、今は中国で元気に活躍しているので、そんな姿をみると感動すらありますね。シャオシャオとレイレイが居なくなってしまうのはもちろん寂しい。ですが、初めから中国との約束で決まっていた事。中国でどんな暮らしをするのか、きっとシャンシャンみたいにみんなに愛されて大活躍するんだろうな、なんて考えると楽しみでもあります。」
2023年、中国でシャンシャンと久しぶりの再会!高氏さんに笑顔の挨拶!?高氏さんは、シャンシャンが2023年2月に中国に返還されてからも、お誕生日やイベント時など折に触れて中国まで会いに行っている。久しぶりの再会の時、シャンシャンはまるで喜んでいるかのような表情や仕草を見せていた。シャンシャンにとっても高氏さんは成長を見届けてくれた“人間のお父さん”的な存在なのかもしれない。そんな高氏さんが思うパンダの魅力とは?
「癒しですね。心を豊かにしてくれて、人との繋がりも増えて世界が広がりました。普段なら会えないような人たちと出会えたり日常生活もガラリと変わりました。朝が大の苦手だったのに、毎朝早起きして動物園に通っています。観覧の合間にパソコンで作業もできるので仕事に支障もありません。逆にメリハリがついて一日の生活リズムが整っているので全てプラスに働いています」

2018年12月、シャンシャンとママ・シンシンが一緒に暮らした最後の日。
高氏さんだから撮れた、まるで「今までありがとう」と言っているような奇跡の2ショット。
アクティブなパンダを撮影するポイント
毎日通っているからこそ、一般の人が知らないパンダの行動も見ているよう。
「パンダって結構アクティブなんです。おっとりしていて動きもゆったり、ずっと寝ているようなイメージがあると思うのですが、素早く木に登ったり、動き回ってめちゃくちゃはしゃいだりする。身体能力が高くて俊敏、そんな意外性が面白い。実際良く寝ているんですが、足を投げ出して寝ていたりして寝相が悪かったり、でんと座って美味しそうにモグモグと竹を食べていたり、人間臭いところもいっぱいあって共感できる部分も多いんです」
生でアクティブなパンダを見るためにオススメの観覧ポイントは?
「開園直後から午前10時半ぐらいが狙い目です。大体その時間帯に食事をしているのですが、その後は食後で眠くなって寝てしまうか、食べ足りなくて『お腹空いた』『もっと食べたい』と騒ぎ始めるかのどちらかになる事が多いですね。おやつが欲しくてイライラしてすごい勢いで木に登ったり、テンションが爆上がりしたりするんです(笑)」

高氏さんのように、パンダのアクティブな姿を撮影するにはどうしたらいいのか?
「パンダの次の行動を予測してシャッターを切るといいと思います。パンダの視線の先を見たりすると次にその方向に移動するんじゃないか、というのが読めてくる。次はこっちの餌を食べに来るかも、とか、竹を食べているとそろそろお腹いっぱいになる頃だから動き出すんじゃないか、など。観察していくうちに先読みができてくると、こんな写真が撮りたいとイメージする瞬間が撮りやすくなると思います」
木にぶら下がって遊ぶレイレイ
大きな竹を頬張るレイレイウザがらみのシャオシャオ、爆食女王のレイレイ
双子のシャオシャオとレイレイ、性格の違いは?
「シャオシャオは好奇心旺盛で落ち着きがないですね…と上野動物園の飼育員さんも言っていたぐらいで(笑)、常にうろうろしています。レイレイは大人しめで常に冷静にみえます。ママのシンシンに似て食欲旺盛でずっと食べています。
成長するにつれてより個性が発揮されているようで、シャオシャオは元々甘えん坊でママにも良くからんでいましたが、ママと離れてからはレイレイにべったりで追いかけ回していました。“シャオシャオのウザがらみ”って感じで(笑)。一緒に暮らしていた後、離れ離れになった今でも、ほぼ毎日、レイレイの部屋の扉をドンドン叩いているんです。“また会いたい”“一緒に遊びたい”という思いからですよね。そういう可愛らしさが残りつつも立派に1人暮らしを堪能している、楽しそうに暮らしているのを見ると灌漑深いですし、飽きないですね」
2頭で一緒に暮らしていた頃。大好きなレイレイにぴったり寄り添うシャオシャオ動物園が比較的空いている狙い目の時間帯は?
中国返還を前に上野動物園は混雑が予想されるが、比較的空いている狙い目の曜日や時間帯は?
「シャオシャオ、レイレイが返還されることで、より一層混んでいます。土日祝日は混雑しますが、平日は比較的空いていて、朝か夕方に可愛く動いている姿が見られる可能性が高いです。現在、シャオシャオは並ばず観覧できますが、レイレイは最低でも30分、長いと1時間以上待つことも。
雨や天気の悪い日も比較的空いているので狙い目です。オススメは雪。元々、雪が降るところに生息している動物なので、パンダと雪はすごく似合います。今までの傾向では、雪が降った日よりも、翌日、一面銀世界の中を嬉しそうに駆け回ることが多かったです。降っている最中はテンションが上がらないようで“むしろ鬱陶しい”という感じに見えました(笑)」

2014年、大雪が降ったときのシンシンとリーリー愛おしいシャオシャオとレイレイが中国に帰り、日本にパンダがいなくなった後の“毎日パンダ”としての活動は?
「“またパンダが上野に来てくれる”と希望を込めて、これからも上野動物園には毎日通うつもりでいます。『毎日パンダ』のブログもそのままで、投稿する写真はレッサーパンダやシロクマ(ホッキョクグマ)かなと思っています。レッサーパンダは仕草がとても可愛いですし、シロクマも雄雌ペアでいて、オモチャで遊んだり水中を泳いでいる姿など愛らしい。繁殖が難しく、なかなか子供が生まれないんですが、もし赤ちゃんが誕生したらすごいニュースになると思います」
シャオシャオ、レイレイの返還予定日まで残り約1ヵ月。可愛い姿を見に、上野動物園へ!
【プロフィール】
毎日パンダ:高氏貴博(たかうじ・たかひろ)
2011年から上野動物園のパンダを毎日撮り続けるカメラマン。高氏さんがカメラを向けるとパンダは目線をくれる、という逸話もありパンダファンの間ではカリスマ的存在に。「2026日めくり!毎日シャンシャンカレンダー」(平凡社)など、著書は20冊以上。
ブログ「毎日パンダ」
X:@mainichipanda
Instagram :@mainichipanda
写真提供:高氏貴博
(企画・取材・文/猫咲泉)
記事提供元:テレ東プラス
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