洗礼にはビクビク?「ヨーロッパきたー!」 西村優菜は“キリン”も備え昨年のリベンジへ
<アムンディ・エビアン選手権 事前情報◇9日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
「ヨーロッパきたー!」。そう話す西村優菜は、今年も“欧州の洗礼”にビクビクしながらの現地入りだったが、順調に調整を進めている。出国時から不安があった。
移動を開始した6日(土)は、雷雨の影響もあり「関空から羽田の便が飛ばなかったのでバタバタでした」と出鼻をくじかれた。一時は運休も心配されたが、なんとかその日に羽田への移動は完了。しかし予定通りに出国はできず、翌朝となった。
こうなると心配になるのが、荷物。「フランクフルト経由だったので、ちょっと怪しいかななんて思っていたんですけど、そこは来てくれたのでラッキーでした。もう一安心っていう感じです」。2年前のエビアン終了後には、全英までのオープンウィークにパリへ飛んだ時、クラブが行方不明になる大ハプニングも経験している。それだけに安心という気持ちは人一倍大きい。
今年で3度目のフランスでの試合だが、そのときの苦い経験から「ちょっとあまり良いイメージがない(笑)」というのも本音だ。それもあって観光などもせず、月曜日にはコースに入り、すぐさま調整。アプローチ、パターなどの練習やラウンドを行い、火曜日は炎天下のなか9ホールを回るなど着々と準備を進めている。
“海外あるある”にも少しずつ慣れつつあるが、“海外のコースあるある”にも、しっかりとアジャストしている。例えば、ラウンドで配布されるピンポジションシート。これが、持参しているコースメモに載っているグリーンのマス目の大きさもあり「微妙」なズレが生じる。「この位置だったらここなんですが」と実際に二つを比べて見せてもらうと、たしかにマス目の影響でカップ位置の表示がほんの少しズレている。「たまーに(表示が)違うホールもあるんですよ。これも“あるある”ですね(笑)」。“海外のアクシデントには慣れっ子です”と言わんばかりの笑顔。練習では、その誤差を埋めるのも大事な作業になる。
この2日間はしっかりとコースをチェックできている。「去年より少しグリーンが軟らかい印象はあるので、伸ばし合いになるんじゃないかな」。そのグリーンでは、持参したパターカップを3カ所ほどに置き、距離感やラインの読み合わせなどを行った。そして「セカンドショットの狙いどころが1つキーポイントになってくる」と話す。
アンジュレーションが強いグリーン攻略のため、新しい武器も投入する予定だ。それがオデッセイの新作『ジラフパター』。「この2日間はずっとジラフで練習していたのでいいかなと思っています」。開幕までしっかりとその感触を確かめるつもりだ。「あまりクラブを替えるタイプではない」という西村にとって、もともと使っていたパターも今オフに約4年ぶりに替えたばかり。今回は試打をした際に良い印象を受けたこともあり、新しい仲間とした迎え入れた。
キリンを表す『GIRAFFE』が名前に入っているように、その特長はロングネックにある。打点ブレに強い剛性に加えて、軽量化も実現されているが、「もともとロングネックがあまり好きじゃなかった」という西村にとっては、“未知の道具”で今週も2種類のパターでテストを重ねた。「クランクネックだと、ネック部分がすごくボールに近い感じがしていたけど、(ジラフは)構えたときに気にならなかった」というのが違和感なく使用できている理由の1つ。「ネックがしっかりしている分、まっすぐストロークできる感じがあった」と好感触を抱いたピン型の『#01』を選択した。
手ごたえの良い新たな武器も携え、3度目のエビアンに挑んでいく。自身初挑戦だった2022年大会は15位タイで、昨年は予選落ちを喫している。「とにかく4日間戦いたい。まずはそこに向けて予選を頑張って」と決勝進出をまずは目指す。「メジャーでトップ10というのはずっと目標にしているので、最終日そこに持っていけるように頑張りたい」。そう意気込むと、すぐさま調整のためアプローチ練習場へ向かった。(文・高木彩音)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。