ともにJ2初昇格を狙うプレーオフ決勝。引き分けOKのFC大阪が堅守で逃げ切るか、それとも攻撃自慢の宮崎が勝利をもぎ取るか【明治安田J2昇格プレーオフ決勝プレビュー】
イチオシスト
まさに今シーズンの“ラストマッチ”となった明治安田J2昇格プレーオフ決勝、リーグ3位のFC大阪と同4位のテゲバジャーロ宮崎の一戦が、鳥取県のAxisバードスタジアムで14日(日)の14時にキックオフを迎える。
FC大阪・島田拓海(C)Jリーグ1週間前の7日に開催された準決勝は、2試合とも激しいゲームとなった。
リーグ6位のツエーゲン金沢と対戦したFC大阪は、立ち上がりこそ主導権を握って押し込む展開となったが、次第に落ち着きを取り戻した金沢にサイドで起点を作られ、クロスを許す回数が増えていく。ただ、最終ラインの選手たちが冷静にはね返し、相手の決定力不足にも助けられて無失点のまま前半を折り返した。
後半も立ち上がりは金沢が攻め込み、CKからクロスバー直撃のシュートを打たれるなどヒヤリとするシーンを迎えた。だが、ピンチのあとにチャンスあり。貴重な先制点が生まれたのはその直後だった。
59分、野瀬龍世が左サイドで仕掛けて右足でインスイングのクロスを入れる。これをファーサイドで秋山拓也が折り返し、最後は島田拓海。今シーズンのJ3で12ゴールを挙げたチーム得点王がダイビングヘッドでゴールネットを揺らし、結局これが決勝点。終盤は金沢の猛攻に遭ったが、失点数でリーグ2位の少なさを誇る堅守は健在。GK山本透衣を中心に虎の子の1点を守り切り、J2昇格に王手をかけた。
一方、宮崎は準決勝でホームのいちご宮崎新富サッカー場にリーグ戦5位の鹿児島ユナイテッドを迎え撃つ“九州ダービー”に臨んだ。
お互いの意地とプライドがぶつかり合ったゲームは、序盤、鹿児島の猛攻を受けて何度もゴールを脅かされる。しかし、ゴール前の危ない場面で全員が体を張って守り抜くことで徐々に流れを取り戻すと、スコアは意外な形で動いた。前半アディショナルタイムの45+1分、ペナルティエリア内で相手のクリアを井上怜がブロック。左足に当たったボールがそのままゴールに吸い込まれて先制点を奪う。
さらに後半、63分に下川陽太のクロスに松本雄真が頭で合わせてリードを2点に広げる。その後は危なげなく逃げ切り、決勝進出を果たした。
決勝に駒を進めたのは、いずれもJ2昇格経験のないFC大阪と宮崎。前後半90分間で引き分けの場合は、年間順位の優位性を確保するため、リーグ戦年間順位が上位のクラブ、すなわちFC大阪が勝者となり、2026年の特別シーズンよりJ2へ昇格することになる。
引き分けでも昇格が決まるFC大阪は堅い守備が特長。一方、90分間で勝利を手にしなければならない宮崎は自慢の攻撃力が大きな武器。対象的なスタイルを持つ両チームだけに、大会レギュレーションが試合展開にどのように影響するのかも注目が集まる。FC大阪としてはチーム唯一のフルタイム出場を果たした守護神・山本を中心に膠着した展開に持ち込みたいところ。宮崎は25得点で堂々のリーグ得点王に輝いたエース・橋本啓吾にボールを集めてゴールをこじ開けられるかが勝負の行方を左右しそうだ。
今シーズンの対戦成績は2戦2分で、いずれもスコアレスドロー。3度目の激突は、まさに決着をつける一戦となる。どちらが勝ち上がってもクラブ史上初のJ2昇格となるだけに、試合開始のホイッスルが鳴った瞬間から激しい火花が飛び散るゲームとなることは必至。“最後の90分間”を終えたとき、歓喜を味わっているのはどちらのチームになるのか。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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