阿部未悠が3度目出場の「得意ではないコース」で初60台 フェード貫き狙う下克上V
イチオシスト
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 初日◇27日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>
米ツアーを主戦場とする13人の日本勢のうち、6人が出場する日本ツアーの最終戦。迎え撃つ日本ツアー勢のなかで、阿部未悠が「68」と奮闘した。この日、最も難しいホールとなった最終18番パー4で唯一のボギーを打ったが、好調なショットでチャンスを作り、5バーディを奪取。「いいショットも多かったし、パットもよく入ってくれた。大けがするとか、ピンチがあるゴルフじゃなかった」と満足そうにうなずいた。
左ドッグレッグのホールが多く、フェーダーには不利といわれるコースで自分の持ち球であるフェードを打ち続けた。9番パー5は「左サイドの木の横をギリギリに攻めた」と距離を稼ぎ、残り234ヤードを3番ウッドで2オンに成功。ピン手前10メートルから2パットでバーディを奪った。11番パー5も残り210ヤードの2打目をグリーンに運び、スコアを伸ばした。
「基本的にここは得意じゃないです。みんな言っていると思いますが、フェーダーには打ちにくいコース。(2週前の)伊藤園レディスも打ちにくいホールがあって、打とうと思えば打てるので、ドローにちょっとチャレンジしたけど、やっぱりミスが出る。だから、今週は絶対にフェードで頑張ろうと思った。それを貫けたのは良かったと思います」
3年連続3度目の出場で、昨年はトータル12オーバーの37位タイ、初出場だった2023年はトータル15オーバーで同じく37位に沈んだ。アンダーパーで回ったのは23年の2日目の「71」の一度だけ。9ラウンド目で初めて60台をマークした25歳は「例年よりグリーンが速くてパットのイメージがしやすい。でも、一番はアプローチですね。今年はショートゲームが後半くらいから良くなった。きょうも外して、寄せて、パーセーブはかなりありました」と胸を張った。
岩井明愛が首位タイで滑り出し、古江彩佳が1打差の3位、岩井千怜も6位と実力者ぞろいの米ツアー勢はきっちり上位発進を決めた。米ツアー勢VS日本ツアー勢の図式にもなりつつある今季最終戦だが、阿部に対抗意識はないという。
「今まで日本ツアーを盛り上げてくれた人たちが、ごっそりアメリカに行ったけど、これだけ(リコーカップに)戻ってくる年も珍しいですよね。今年はいつも以上に盛り上がると思う。日本ツアーの意地とかはあまりないですね。それより得意ではないコースを相手に、自分がどれだけのゴルフができるかだけを考えています。きょうは意外とやれました。60台を出せてうれしい」
シーズンを締めくくる最終戦で1年の成長を確認する。向き合うのはコースだけ。「あすからも絶対にフェードを貫きます。18番とか右ラフはフェアウェイだと思っています」。メルセデス・ランキング28位で、出場順位は下から2番目となる39番目。米ツアー勢を撃破し、昨年4月の初優勝以来となるツアー2勝目を“ブービー出場”から目指していく。(文・臼杵孝志)
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