米挑戦の弾みにも 金子駆大が今週“初の賞金王”になるための条件は?「意識しすぎないように」
イチオシスト
<カシオワールドオープン 事前情報◇26日◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知県)◇7375ヤード・パー72>
国内男子ツアーは、今季も残り2試合。賞金王争いも終盤を迎えている。現在、賞金ランキング1位に立つのは1億1469万1916円を積み上げている金子駆大。ここまで22試合に出場し、2勝を含むトップ10入り10回で、ここまでたどり着いた。
9691万1920円を稼ぎ、2位には今季2勝の生源寺龍憲が続いている。ただ、生源寺は来週12月2日から米国男子ツアーの来季出場権をかけて争われる2次予選会に挑戦するため、今大会と来週の最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を欠場予定。賞金王レースから外れることになる。
ということは金子と3位以下の選手の争いになる。優勝賞金は今大会が3600万円で、来週は4000万円。2連勝すれば7600万円を上積みできるため、理論上、現在賞金ランク29位(3947万32円)の池村寛世まで賞金王になる可能性を残している。ただし、今大会を終えた時に金子が2位以下の選手に4000万円以上の差をつければ、1位が確定する。
金子と3位の蟬川泰果(7749万4786円)との差は3719万7130円。これを考慮すると、今大会で金子が優勝すれば、残り1試合で蝉川が逆転することが不可能になるため、金子が初の賞金王になる。
勝たなかった場合でも、金子が1800万円を上積みする単独2位になり、賞金ランク13位(5193万1025円)の清水大成以下の選手が優勝した場合、金子の逃げ切りが決定。また、金子が1224万円を獲得する単独3位の場合は、賞金ランク17位(4831万2740円)の勝俣陵以下の選手が優勝し、そのうえで同8位(6744万8865円)の片岡尚之以下が単独2位になると金子が王者になる。
なお、金子が単独2位で、12位(5874万1381円)の佐藤大平までの選手が優勝した場合や、金子が単独3位で16位(5095万5141円)の木下稜介までの選手が優勝すれば、金額差が4000万円以内となるため、次戦へ持ち越しとなる。
今週決めるためには、上記したように複雑にそろばんを弾かないといけない状況ではあるが、栄冠が目前に迫っているのは間違いない。金子は「誰でも取れるものではないと思うし、今後チャンスがあるかもわからないので、賞金王にはすごくなりたいと思っています」と胸の内を明かす。ただ、「(今週で)決まればいいですけど、そんなに意識しすぎないようにしたい」とも。気負わずに、自身のプレーに集中していくスタンスだ。
会場は、太平洋が一望できる景観の良い舞台ではあるが、海風が吹き込むため、風の読みが重要となる。しかし、コースレイアウトはフェアウェイが広く、グリーンも大きいためチャンスにつけられる確率は高い。「そんなに難しくはないと思うので、風が吹かなければ(全体的に)スコアは出る」と、天候次第では伸ばし合いになることも見据えている。
そしてなにより、今季の活躍で世界への扉を叩くことができた。先週の「ダンロップフェニックストーナメント」終了時点の賞金ランク1位には米国男子ツアーの来季出場権をかけて争われる最終予選会(12月11~14日)の出場権が与えられるが、その切符を手にしている。「エントリーしました」。来週の最終戦終了後に渡米する予定だ。新たな挑戦を控えながら迎える残り2試合。まずは、キングの座をつかみにいく。(文・高木彩音)
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