登山初心者がやりがち!?意外と知らない、山でダウンを着るときの注意点
寒くなってくると山でもダウンが大活躍します。でも、ダウンって結構高いので、普段から使っているダウンを代用したいという人もいるのでは。でも、注意しておかないと、せっかくダウンを持っていっても効果が発揮できなくなってしまうことも。今回は、登山初心者が勘違いをしている山での「ダウンを着るタイミング」と「着かた」についてみていきます。秋冬の山は保温が大切です。注意点を知って、楽しい登山にしましょう。
The post 登山初心者がやりがち!?意外と知らない、山でダウンを着るときの注意点 first appeared on 登山メディアYAMA HACK(ヤマハック)|山の“知りたい“がここにある.
イチオシスト
アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
ダウン選びを間違えると、こんな姿に・・・

秋冬の山では、寒さ対策のためにダウンを着る人を多く見かけます。その中には登山用のダウンだけではなく、普段着として着ているだろう分厚いダウンを着ている人も。
「登山用も普段着ているダウンも変わらないでしょ?」そう思っている人も多いのではないのでしょうか。
今回は初心者が勘違いしがちな、「山でダウンを着るタイミング」や「着用の仕方」についてみていきます。
これを知らないとあなたも写真のようにパンパンになって、山で困ってしまうかもしれません!(実際に山で見かけたこともあります)
①行動中もダウン着てない?

登山をしていると、ダウンを着たまま歩いている人を見かけます。もちろんダウンを着るタイミングは人によってそれぞれですが、基本的に登山でダウンを着るのは休憩中です。
それはどうしてでしょうか?その理由をいくつかみていきましょう。
ダウンを腰に巻きながら歩いてない?

登山では樹林帯の狭い道を歩くことも多く、ダウンウェアを枝などに引っ掛けしまうことも。ダウンウェアは破れて中綿がでてしまうと、保温力が失われます。そういったリスクを避けるためにも、行動中はダウンをあまり着ません。
また、暑くなったのかダウンを腰に巻いている人を見かけますが、それもできるだけ控えたほうがいいでしょう。転倒時や岩場の登り下りでダウンが擦れて、破れてしまうことがあります。行動中は基本的に、ダウンはリュックにしまっておきます。なので、収納に便利な薄手のダウンがおすすめです。
ダウンを着て動くと暑すぎる

行動中にダウンを着ることは、あまり多くありません。それは登り始める前は寒くても、少し登ると体が温まってくるためです。
体が温まっているのにダウンを着続けていると、汗を大量にかき、止まった時に汗で体が冷えてしまいます。体が冷えてしまうと、体調悪化やひどいときには低体温症につながるので注意が必要。
また、汗でダウンの内側から中綿が濡れて、ダウンが保温力を失うこともあります。
関連記事:【汗冷え】 暑い夏でも低体温症の危険が!? 5つの汗冷え対策を解説
どうしても行動中寒い場合は、フリースや化繊中綿の保温着がおすすめです。暖かさはダウンほどではない傾向ですが、濡れても保温力が下がりにくいので、行動中にもピッタリ。
まとめ
ダウンを着るのは、基本的に止まっている時。動く時はリュックの中にしまっておこう。
関連記事:保温着の代表「フリース」と「ダウン」、登山の保温ウェアはどっちが良いの?
②分厚くて保温力があるだけで良いと思ってない?

基本的にダウンは綿毛をたくさん使用していて、分厚いもののほうが保温力が高くなります。そのため、山でも分厚いダウンを着ている人を見かけます。
たしかに保温力は大切で分厚いことが悪いわけではありません。ただ、登山では『暖かさ』だけでなく、他にも注意すべきことがあるんです。それを知らないと、良かれと思って着ている分厚いダウンが、逆に仇となってしまうことも・・・。
ダウンの天敵は”濡れ”

山では晴れていたと思ったのに、急に雨が降るなんてこともしばしば。この雨がダウンにとって、天敵なんです。
ダウンウェアは中綿が空気を含んでふくらみ、暖かい空気の層を作ることで保温力を発揮します。しかし、ダウンが濡れてしまうと膨らむことができないので、結果として保温力を失い、使い物にならなくなってしまうことも。
ダウンの上にウェアを着ることがよくある

出典:Amazon
ダウンを着ている時に雨が降ってきたら、ダウンの上から濡れを防ぐための「レインウェア」を着ます。そのため、上からウェアを重ね着やすい薄手のダウンが、登山用のダウンとして多く販売されています。
保温性のみを重視して分厚いダウンを着てしまうと、上からレインウェアを着れなかったり、着られたとしても最初の写真のように動きにくい状態になってしまうこともあるで、注意しましょう。
実際にどうなるか比べてみた

上からウェアを着る前の様子です
実際に、上からウェアを着るとこんな感じになります。

■厚手のダウン
- 二の腕周りがパンパンで、腕をほとんど動かすことができない
- 首元をまでチャックを締めることができないため、風が吹くとフードがめくれてしまう懸念あり
- ダウンが潰れないので、しっかりと暖かい
■登山用ダウン
- 違和感もまったくなく、動きにくさはほとんど感じない
- 暖かさも十分に感じる
- 脱ぎ着もスムーズ

分厚いダウンを着た時に一番感じたのが、腕や脇周りの苦しさ。とてもウェアが脱ぎづらく、1分くらいジタバタして、ようやく脱げました。
山では服の脱ぎ着で体温調整を行うので、かなりのストレスになると思います。また、服がパンパンだと、すばやく着ることができないため、雨への対処が遅れてしまう心配も。
まとめ
上にレインウェアを着れるくらいの厚さのダウンを選ぼう。
「重ね着のしやすさ」と「コンパクトさ」も考慮しよう!

ダウンは決して安い買い物ではありません。なので、登山の時もできるだけ持っているもので山に行きたいですよね。
秋冬の1000m以下の雪のない低い山に登る場合も、下記のような、暖かさ以外のポイントも考えてダウン選んでください。
- 行動中はリュックの中に入れておける大きさ
- 雨が降っても上にレインウェアを着れるような厚さ
あとは、寒くないようにその他のウェアで調整をすれば、必ずしも登山用のダウンでなくても使用可能です。
登山用のダウンを普段着でも着ている人も多くいます。興味がある場合は、登山用のダウンもチェックしてみてください。
関連記事:【徹底調査】ユニクロのウルトラライトダウンって登山で使えるの?
関連記事:薄くても保温性抜群!「ライトダウンジャケット」は“山”でも“街”でも大活躍
関連記事:登山で活躍する薄手~中厚手フリースといえば!人気アウトドアブランドの定番モデルが集結
記事提供元:YAMA HACK
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
