【全国版・都道府県別】クマ出没情報&マップまとめ|公的機関の最新情報をチェック
全国の熊(クマ)出没情報や熊(クマ)出没マップを閲覧できるサイトをまとめて紹介。都道府県別に整理してあるので、探したいエリアの情報をすぐに確認できます。クマとの遭遇を避けるため、出没情報や被害があった場所を事前に把握しておきましょう。
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イチオシスト
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クマによる被害の可能性を低減させるには?

昨今、社会問題になっているクマの出没や被害の増加。山林の環境やクマ自体の習性の変化など、様々な要因が議論されていますが、根本的な解決には至っていないのが現状です。
特に、クマの生息域に足を踏み入れる登山では、備えと事前確認が欠かせません。熊鈴や熊スプレーなどを準備して対策することももちろん必要ですが、山へ出かける前に、「直近の出没情報」を確認しておくことも大切です。
直近で出没情報があった山域への入山は避けるのが賢明

クマの習性や行動パターンを正確に予測することが難しくなっている今、遭遇リスクを少しでも減らすために欠かせないのが、事前の情報収集です。
クマの出没情報が報告されている山や山域については、入山を控えたり、目的地を変更したりする判断も有効な選択肢になります。どうしても当該エリアに入山する場合は、装備・行動の両面で、通常以上に慎重な対策が求められます。
そこで今回は、都道府県別に確認できるクマ出没情報サイトやクマ出没マップをまとめました。登山計画を立てる際には、最新情報が随時更新されるこれらのデータを参考に、状況に応じて無理のない判断を心がけてください。
閲覧する上での注意
今回紹介する情報は、過去から現在までに報告された出没記録であり、今後の出没を予測するものではありません。
出没情報が掲載されていないエリアであっても、今後クマが出没する可能性は十分にあります。
あくまで「現在までの出没情報」として確認した上で、該当の山域はクマの生息域であるという前提のもと、登山の際は装備・行動・計画面での対策を行ってください。
【都道府県別】クマ出没情報&マップまとめ

今回は、クマが生息しない九州・沖縄地方を除く各都道府県ごとに、クマ出没情報サイトや出没マップをまとめました。
掲載しているのは、基本的に自治体や自然保護管理機関など、信頼性の高い公的機関による情報です。
登山計画を立てる段階はもちろん、出発直前にも最新情報を確認し、状況の変化に応じて判断してください。出没状況は日々変わるため、こまめなチェックが安全確保につながります。
北海道

北海道に生息するエゾヒグマは、本州以南のツキノワグマよりも体格が大きく(体長約1.5〜2m・体重約100〜400kg)、高い身体能力を持っています。
北海道の屋根といわれる大雪山系はもちろん、知床半島では「人に対する警戒心の低い個体が増えている」ことが指摘されており、登山者の死亡事例も報告されています。また、道南の大千軒岳周辺でも登山中の死亡事例が発生しており、北海道全域でヒグマへの警戒が必要です。
なお利尻山がそびえる利尻島では、2018年にヒグマが海を泳いで上陸した事例が話題になりましたが、その後は再び海を渡って島外へ移動した可能性が高いとされ、以降の継続的な目撃情報は確認されていません。
東北地方

東北以南に生息するツキノワグマは、ヒグマと比べると体格は小ぶり(体長約1〜1.5m、体重約40〜130kg)ですが、それでも生身の人間が対峙して対処できる相手ではありません。出会わないように行動することが何より重要です。
東北地方では、日本海側と太平洋側との分水嶺として連なる奥羽山脈をはじめ、岩木山や磐梯山などの独立峰でもクマの出没が確認されています。また、市街地への出没や被害も多く、地域全体でクマへの注意が必要な状況が続いています。
関東地方

関東地方にもクマは数多く生息しています。日光連山・谷川連峰などの本格的な山岳地帯から、奥武蔵・奥多摩・丹沢など街に近い山域まで生息域に含まれます。見晴らしの良い高層湿原が広がる尾瀬でもクマの出没が確認されており、人的被害の例もあります。
そんな関東地方で唯一クマが生息していないとされているのが千葉県。三方を海に囲まれ、東京・茨城の境も市街地・農耕地が主であることから、昨今は「クマの心配が少ない山域」としても人気です。とはいえ、近隣県では出没件数が増加しており、一時的な迷い熊の可能性も含め注意は必要です。
甲信越・北陸・東海地方

日本アルプス・八ヶ岳連峰・奥秩父山塊などの連山や、浅間山・木曽御嶽山・富士山などの独立峰まで、日本百名山だけでも35座を擁する、文字通り「日本の屋根」と呼ばれるエリアです。
北アルプス・薬師岳への登山口である折立では、以前からクマの目撃情報が頻発し、2025年にはベースキャンプとなる薬師峠キャンプ場(通称:太郎平キャンプ場)で、テント・食料がクマにより持ち去られた被害を受けて閉鎖となる事態が発生しています。
山岳景勝地として賑わう上高地でも、2020年にテントで就寝中の登山者がクマに襲われ、食料が奪われる事態が発生。このエリアに限ったことではありませんが、人気のある山域ほど、人の食べ物の味を覚えたクマによる被害リスクが高まるため、食料管理の徹底や残飯・ゴミの持ち帰りなどの基本的な対策も欠かせません。
近畿地方

鈴鹿山脈・比良山地・六甲山系など人気の山塊から、修験道の行場でもあり日本百名山の大台ヶ原・八経ヶ岳が位置する大峰山系まで、近畿地方の山域はすべてクマの生息域に含まれます。
特に、世界文化遺産に登録されている熊野古道では、2024年に登山者がクマに襲われて負傷する事例が発生しました。この事態を受け、三重県は初めてクマアラート(警報)を発表しています。
中国・四国地方

山陽地方・山陰地方の分水嶺となる中国山地から、独立峰である大山まで、中国地方もクマの生息域となっており、目撃情報や農作物の被害が発生しています。
四国地方では、徳島県・高知県にまたがる剣山山系にのみ「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定された少数のツキノワグマが生息。このため、本記事では四国地方のクマ出没情報として、この2県のみを掲載しています。
クマの冬眠は過去の常識?年間を通して情報収集を欠かさずに

かつては「クマは冬眠するから冬は安心」と考えられていましたが、近年ではこの認識も必ずしも当てはまらないことが指摘されています。
冬の間も、里山や農耕地で食料を得られる場合は冬眠せず活動する個体が存在する可能性があり、「冬眠しないクマ」に遭遇するリスクもゼロではありません。
また、冬眠用の巣穴を確保できなかった「穴もたずのクマ」は、凶暴になりやすいとの説もあります。実際、近代以降で日本最悪の獣害事件として知られる「三毛別羆事件(1915年12月に発生/死者7人・負傷者3人)」も、穴もたずの個体が立て続けに人を襲った事件でした。
こうした背景を踏まえると、年間を通してクマへの注意や対策を怠らないことが、安心して登山を楽しむためにも重要です。そのためにも、今回紹介した情報をぜひ活用してください。
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