サッポロビールが越冬耐性の強いビール大麦に挑戦 気候変動への対応で品種開発
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イチオシスト
イチオシ編集部 旬ニュース担当
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酷暑や集中豪雨で、理論以前に実生活で気候変動をしみじみ感じる昨今。もちろん農作物もさまざまな影響を受けていて、例えばビールを作るための大麦も、気候の変化に対応するための新しい品種開発が進んでいる。サッポロビールは、寒冷地で夏の暑さを避けて栽培するために、越冬耐性の強い新たなビール大麦の品種開発を始めた。
地球温暖化などの気候変動で、農作物の品質の低下や収穫量の減少、極度な高温や乾燥でビール原料の安定供給も危惧される中、北海道での秋まき二条ビール大麦開発の可能性について、同社は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構と共同研究を実施。現在北海道で生産されているビール大麦は本州の秋まきとは異なり、厳しい冬に対する耐性を持っていないため、春まきで栽培されているが、それでも7月上中旬ごろの登熟期の局地的な大雨や、7月下旬から8月にかけての収穫期の高温の影響を受け、穂発芽や赤かび病の発生、細麦化のリスクが高まっているという。
そこで、さまざまなビール大麦の遺伝資源を秋播き条件で栽培し、越冬性を調査した結果、北海道の秋まきが可能なオオムギを複数見いだすことができた。北海道で秋まきが可能なビール大麦を開発することができれば、比較的気象の穏やかな夏季のはじめに収穫を迎えられ、気候変動の影響を軽減できる可能性があると推察されている。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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