レギュラーよりステップを選んだ浜崎未来の深謀遠慮 “プチスランプ”で最下位転落も「最終日は一つでもきっかけを」
<SkyレディスABC杯 3日目◇9日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6675ヤード・パー72>
獲得賞金でステップ女王を争う「明治安田ステップ・ランキング」で2位につけている浜崎未来が、トータル10オーバーで最下位の62位に後退した。2バーディ・7ボギー・1ダブルボギーの「79」は、台湾で開催された3月の開幕戦を除き、ステップでは今季自己ワーストタイ。原因不明のショットの不調に悩んでいるという25歳は「今週も初日からずっとダメです。どうして予選を通ることができたのか分からないくらい」とうなだれた。
今季はQTランキング123位から始まった。レギュラーは5月までに2試合に出場しただけで、いずれも予選落ち。だが、3戦目の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で7位に入り、8月の「北海道meijiカップ」で9位、「CAT Ladies」でも19位に入るなど、2週前の第2回リランキングは35位まで盛り返した。
今週の「スタンレーレディスホンダ」はリランキング上位の資格で出場できた。だが、選んだのは下部のステップ。「少し迷いました。全部の試合に出られるのなら、スタンレーに行ったと思う。でも、出られない試合もある。レギュラーとステップを行ったり来たりするなら、ステップ一本で勝負しようと思いました」。昨年実績を見ると、日米共催の「TOTOジャパンクラシック」、最終戦の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」を除いた第2回リランキング以降の6試合すべてに出場できたのは、リランキング27位まで。来季を見据えた決断だった。
明治安田ステップ・ランキングで2位以内に入れば、来季は第1回リランキングまでのレギュラー前半戦に出場できる。現在、1位と100万4686円差の2位だが、3位とはわずか22万2414円差。賞金総額4000万円、優勝賞金720万円と国内開催のステップでは最高額を誇る今大会で、少しでも多く賞金を上積みするはずだった。
「ショットがおかしくなったのは選手権からです。コースがすごく難しくて、ラフとか厳しいライに何とか対応しようとやっているうちに、スイングバランスを崩したのかなと思います」
9月の「ソニー 日本女子プロ選手権」から始まった“プチスランプ”。「何か一つでも良くなるきっかけを見つけたい」。最終日はトンネルの出口を探す18ホールとなる。心が折れそうな「79」を叩いても、ホールアウト後の取材にはイヤな顔ひとつ見せずに快く応じ、しっかり前を向いた。
前回「79」を叩いた5月の「ツインフィールズレディース」の次戦、「プレナスレディースカップ」ではプロ初優勝を果たした。誠実な性格のプロ5年目には、今度も必ず運が巡ってくるはずだ。(文・臼杵孝志)
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