ネリー・コルダの単独首位ターンを支える“新パター”の存在 「とても満足、文句なしね」
<AIG女子オープン 2日目◇23日◇セント・アンドリュース・オールドC(スコットランド)◇6784ヤード・パー72>
世界ランク1位のネリー・コルダ(米国)が、今年4月の「シェブロン選手権」に続く今季2つ目のメジャータイトル獲得へ、トータル8アンダーの単独首位に浮上した。
2日続けての「68」。この日は4バーディでボギーなし、初日もボギーはわずかに1つと、強風が吹き荒れるコースで異次元のプレーを続けている。「まだ落ち着いていたコンディションを生かしきれなかったけど、堅実なゴルフができたので満足しているわ」と、その表情は余裕すら感じさせる。
今季序盤は出場5連勝など、5月までに6勝を挙げる無双ぶり。しかし6月の「全米女子オープン」では、初日に12番パー3で『10』を叩くなど「80」と苦戦し予選落ち。続く「KPMG全米女子プロ選手権」も、2日目に自己ワーストの「81」を叩き3試合連続で決勝を逃すと、涙を流した。「アムンディ・エビアン選手権」は26位、連続金メダルを狙った「パリ五輪」も最終日終盤の失速で22位と、春先の勢いにかげりも見えていた。
そんななか“復権”を印象づけるようなプレーを、スコットランドで続けている。それを支えるひとつの要因がパターだ。「新しいパターを入れたの。転がりがすごくよくて、とても満足。文句なしね」。 五輪まで手に握られていたピン型ではなく、テーラーメイドのマレット型パター・スパイダーを操り、グリーンの安定感につなげている。
今週の水曜日に初めて試して、即投入を決めた一本。「この天候でグリーンはかなり遅いけど、本当にうまく転がる。プロになって初めてテーラーメイドのパターを使ったけど、時には気分転換も必要。ジュニア時代には使っていたんだけど、ちょっと違うものを見てみたくなったの」。残り2日間も、いい“相棒”として活躍しそうだ。
2位とは3打のリードがあるが、相手は前年覇者のリリア・ヴ(米国)と、英国ファンの期待を集めるチャーリー・ハル(イングランド)と実力者が並ぶ。ただ、これも「ここではチャーリーを応援する声がとても多い。ファンも観客も素晴らしいし、週末が待ちきれない」と集中につながる要素になりそうだ。
5月以降見放されている優勝をここでつかめば、21年のKPMG全米女子プロ、そして今年のシェブロンに続き、メジャー通算3勝目。グランドスラムも意識するような勝利になる。「天候がどうであれ、私はそれに適応するだけ」。セント・アンドリュースの風は、26歳にとって再び勢いを取り戻すための追い風になるか。
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