YouTube Premium Liteは加入の価値あり?780円の価格は妥当?

YouTubeを日常的に視聴する人にとって、動画の途中で差し込まれる広告にうんざりしているという人も少なくないでしょう。この広告を非表示にできる公式サービスが「YouTube Premium」です。
しかし、YouTube Premiumの価格は月額1,280円。1,000円以下のサブスクリプションサービスも少なくない中、この価格にためらいを感じる人もいたのでは? そんな中、2025年9月、日本で新たな選択肢として「YouTube Premium Lite」が試験的に導入されました。 月額780円という低価格で「広告なし」を実現すると謳うこのプランは、多くのユーザーの注目を集めています。

しかし、本当にこの780円という価格は「妥当」なのでしょうか? この新プランがどのような利用スタイルの人におすすめなのかご紹介します。
YouTube Premium Liteとは? 通常プランとの違いを整理
Premium Liteは先述したとおり、月額780円でYouTube動画視聴中の広告を非表示に(または大幅に減らすことが)可能です。
通常プラン(月額1,280円)との機能差は以下の表のとおりです。

この表から明らかなように、Liteプランで提供されるのはほぼ広告非表示機能のみ。通常プランの大きな魅力である「バックグラウンド再生」と「オフライン再生」が利用できない点は、特にスマホでの利用が多いユーザーにとっては大きな違いとなります。
また、広告非表示機能も、「完全な広告ゼロ」を保証するものではありません。日本の公式情報や海外での先行事例によれば、音楽関連のコンテンツ、YouTubeショート、検索結果やブラウジング中には広告が表示される可能性があります。 主に動画本編のインストリーム広告が対象と考えられます。
「780円」は高い?安い?
YouTube Premium Liteは、日本に先駆けてアメリカやヨーロッパの一部で導入されています。
・日本: 780円
・アメリカ: 7.99ドル
・ヨーロッパ(ドイツなど): 5.99ユーロ
2025年9月現在の為替レート(1ドル≒150円、1ユーロ≒170円と仮定)で単純計算すると、アメリカは約1,200円、ヨーロッパでは約1,020円となり、日本の780円は比較的安価に見えます。しかし、より正確に価格の妥当性を評価するには、各国内での「通常プランとの価格差の比率」を見るべきです。
たとえばアメリカでは、通常プランが13.99ドルに対し、Liteプランは7.99ドル。これは通常プランの約57%の価格設定です。
日本では通常プランが1,280円に対し、Liteプランは780円。これは通常プランの約61%の価格設定です。日本のLiteプランはアメリカよりやや割高に見えるものの、大きな差ではなく、グローバルな価格戦略から大きく逸脱したものではないことがわかります。
YouTube Music非対応のメリット・デメリット

Premium Liteの価格を語る上で最も重要な要素が、音楽ストリーミングサービス「YouTube Music Premium」の有無です。これが付属しないことは、ユーザーの利用スタイルによって大きなメリットにもデメリットにもなり得ます。
メリット

最大のメリットは価格の安さで、「音楽サービスは不要」というユーザーには非常に合理的です。
現代では、多くの人がSpotify、Apple Music、Amazon Musicといった専門の音楽ストリーミングサービスをすでに契約しています。この場合、YouTube Premiumに付属するYouTube Musicは、機能が重複する「余分なサービス」でしかありません。
もしYouTube Premium Liteのサービス提供開始後、あなたがSpotifyユーザーなら、選択肢は以下のようになります。
・YouTube Premium Lite (780円) + Spotify (980円) = 合計 1,760円
・YouTube Premium (1,280円) + Spotify (980円) = 合計 2,260円
「動画はYouTube、音楽は専門サービス」と明確に使い分けているユーザーにとって、Liteプランは不要な機能にお金を払う必要がなくなり、支払いを最適化できる絶好の選択肢となるのです。
デメリット
一方で、YouTubeを音楽プレーヤーとしても活用しているユーザーにとっては、Liteプランはデメリットが目立ちます。
Liteプランでは音楽関連のコンテンツで広告が表示される可能性があります。ライブ映像などの再生中に広告が入ると、視聴体験が大きく損なわれます。さらに、バックグラウンド再生ができないため、音楽を聴きながら別の作業をすることもできません。
音楽サービスとして利用する人にとっては、YouTube Premium Liteプランに大きなメリットは見出しにくいでしょう。
YouTube Premium Liteの「780円」は誰にとって価値がある?
780円のLiteプランが最も価値を発揮するのは、自宅の大画面やPCで長時間動画を集中視聴し、広告だけを取り除きたい人。
すでにSpotifyやApple Musicなど他社の音楽配信サービスを契約しているなら、YouTube Musicが不要なため、広告オフだけに特化したLiteプランはコスパ抜群と言えます。
一方、通勤・通学中にスマホでオフライン再生やバックグラウンド再生を重視する人、YouTube Shortsや音楽コンテンツをよく見る人にはメリットが薄いため、「通常プラン」がおすすめです。
※サムネイル画像は(Image:「Google」公式サイトより引用)
記事提供元:スマホライフPLUS
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