9年来の相棒に新シャフトで8y飛距離アップ 首位浮上の今平周吾がこだわり1Wで今季V狙う「ティショットがカギ」
<バンテリン東海クラシック 3日目◇4日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71>
2018年、19年と2年連続賞金王の今平周吾が、今季初優勝に向けて着実に順位を上げてきた。初日を14位タイで発進すると、2日目は4位タイに浮上。この日は6バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「68」で回り、下家秀琉と並んでトータル10アンダー・首位タイで最終日を迎える。
2年連続賞金王は初優勝を遂げた17年から7季連続で毎年優勝を挙げている。今季は未勝利どころか、2戦目の「前澤杯」で2位に入って以降、トップ10入りがない。「(トップ10が)気づいたらなかったですね。残り試合ありますし、秋から調子が上がってくるので特に気にはしていません」と通算10勝のうち6回は9月以降の秋開催である。
今季のここまでを振り返ると「調子は悪くないんですけど、パットを決めきれなかったり、かみ合っていない印象です」。だが今週はパットがいい。「グリーンが重めで、しっかり打てているのがいいのかなと思います」と、ようやくショットとパットがかみ合ってきた。
現在の賞金ランキングは25位(3036万円余り)。今週の優勝賞金2200万円を加算できれば、賞金ランキングは7位の小平智を抜ける。今大会終了時点の賞金ランキング上位7名(有資格者を除くため現在は賞金ランク8位まで)に来週、横浜CCで開催される米ツアー「ベイカレントクラシック」の出場権が付与される。「優勝して出たいですね」と今季初優勝と“副賞”を視野に入れる。
最終日、カギになるクラブを聞くと「ドライバーじゃないですか。ラフに入れるとフライヤーして距離感を合わせづらくなりますし、ティショットがうまくいけばいいリズムで回れます」と、今大会はフライヤーしやすい長さにラフを設定しているため、フェアウェイから確実にチャンスを作りたい。
カギとなるドライバーはこだわりが詰まっている。今平がヤマハと契約した2017年から使用する『RMX116』だ。ヘッド体積445CCの小ぶりなヘッドで、2016年発売モデルだが、いまでも手放せない。これまで新作の大型ヘッドを何度か使用したが、「直進性が強すぎて…」とアマチュアには最適なやさしいヘッドでも、ショットメーカーの今平が求めるやさしさではない。「僕はドロー、フェード、スピン量をコントロールなどいろいろなショットを打つので操作性のいい『116』が好きです。フェアウェイウッドと振り感が近いのもにいい」と話す。
今年9月から手に馴染むヘッドに新シャフトを挿している。グラファイトデザインの新作「ツアーADFI」。先端部に剛性を高める新テクノロジーを搭載したグリーンシャフトは、「これいいんですよ飛びます。しなってくれて先がパンって来てくれます。これにしてから8ヤードぐらい飛距離が伸びました」と頼もしい相棒が見つかった。
以前は「ツアーAD TP」の60Xを使用していたが、新作は60グラム台のフレックス『SR』を選択。「いまはこのしなり感が好きです。もともとしっかりしたシャフトで『S』ぐらいみたいですけど」と表記よりも感覚にマッチした硬さを選んだ。ほかにもチップカットして硬くした『SR』や『S』も持ち歩いており、つかまり具合によって変更するオプションも持っている。
9年間使用する安心感のあるヘッドに、飛距離アップを助けてくれた新シャフトの組み合わせで、今季初優勝を掴みにいく。(文・小高拓)
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