元高校球児の弟を「信じて」 ルーキー・政田夢乃が地元Vへ好位置
<ニトリレディス 2日目◇23日◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇6651ヤード・パー72>
地元・北海道で初優勝を目指すルーキー・政田夢乃は4バーディ・2ボギーの「70」で回り、首位と5打差のトータル4アンダー・12位タイで決勝ラウンドに進んだ。今大会では初めて弟の大成さん(北海学園大3年)をキャディに起用。2日目にして息の合ったところを見せて、スコアを伸ばした。
後半の7番パー5。3メートルのバーディパットは大成さんが読んだラインを信じて打った一打だった。「途中でラインを聞いたら真っ直ぐと言われたホールがあったんですけど、私が読んだラインで打ったら外れてしまって。弟が合っていました。そこから信じ始めて、7番では入れることが出来ました」。最終9番パー4でも3メートルのパーパットを沈めるなど、一緒にラインを読むようになった終盤はパッティングが決まり始めた。
大成さんは元高校球児。本格的にゴルフを始めたのは大学のゴルフ部に入ってから。「それまでは年に1回、一緒にラウンドするかどうかでした」。それでも、この2年半でメキメキと上達し、7月には日本プロゴルフ協会のティーチングプロB級受講者選定実技審査を「76、77」の好成績で突破。「私もよく分かってないんですけど、これから筆記試験もあるみたいで、まだ合格したわけではないんです」と話す政田も弟の急成長を喜んでいる様子だった。
一方で悔やんだのは2つのボギー。特に3番は「もったいなかった」と唇をかんだ。「アゲンストの計算が足りていないのか、すごくショートしてしまって、ピンが手前で難しいアプローチが残ってボギーにしてしまいました」。3日目以降、きょうだいでクリアしていくべき課題も残った。
中学1年生だった2013年にこの大会、このコースで初めてツアーに出場した当時を振り返り「あの時は雨だったので、楽しかったけど、悔しい思いもした。プロになって戻ってきたいと思いました。今はそれが現実になってうれしく思っています」。当時は3日間大会で、3日間とも雨模様。政田は2日間トータル18オーバーで予選落ちだった。
11年経って、プロとして臨む今年は上位での決勝ラウンド進出。「ショットは安定しているので、3日目からはパターでなんとかしたいです。パッティングが入れば、60台も出せると思います」。2週前の「NEC軽井沢72」では最終日の最終ホールで池に落として、1打差の惜敗。悔しさを晴らすチャンスは想像以上に早く訪れそうだ。(文・田中宏治)
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