“ダイヤモンド世代”久世夏乃香がバースデーウィークにルーキーV ローアマにも輝く逸材「2位止まりが多かったけれど…」
<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第8戦 リオン・ドール コーポレーション/ゴルフパートナーチャレンジカップ by ゼビオグループ(1日競技)◇23日◇ボナリ高原ゴルフクラブ(福島県)◇6428ヤード・パー72>
5ホールに渡る死闘を制し、ルーキーがうれしい初優勝を飾った。今季からツアー外競技「マイナビ ネクストヒロインツアー」に参戦する久世夏乃香(くせ・かのか)が4アンダーで並んだ藤川玲奈とのプレーオフを制した。
クラブハウスリーダーでホールアウトした藤川に終盤16番パー5で追いついた。「めっちゃ仲いいし同級生なので、『ふたりで戦いたくないな…』という感じやったけれど、やるんだったら勝ちを目指して頑張ろう」と、ともに初優勝をかけたサドンデスに突入した。3ホール目ではしびれるパットを残したが、決め切ってパーをセーブ。カップ切り替え後の4ホール目は両者とも手前のバンカーからボギーとしたが、5ホール目をパーとした久世に軍配が上がった。
正規の18ホールではボギーフリーのラウンド。「危ないところもあったけれど、耐えてパーででしのげていた。ラインが読みづらくて目も強いコースだったけれど、キャディさんにも助けてもらえて、バーディが取れました」とパターを勝因に挙げた。
2003年生まれのダイヤモンド世代。愛用する本間のクラブは、「めっちゃ好き」なイ・ボミ(韓国)に憧れてのこと。昨年まではアマチュアとして下部ステップ・アップ・ツアーに出場し、ローアマに輝くなど活躍していたが、今季からアマ資格を外してプロ宣言。ツアーへの出場を決意した。第2戦で初出場し、これが今季4試合目。8月20日に誕生日を迎えたばかりの21歳が、バースデーウィークを自らの手で祝った。
テレビカメラの前で笑顔が多かったのも、“あえて”意識してのこと。「ファンの人たちが見てくれているなぁ、って」。今年はツアー外競技を転戦し、経験をコツコツと積んでいる。今週も父と自家用車で福島入り。「2位止まりが多かったんです。やっと優勝できました。(プレーオフは)こんな長くなると思っていなくて、ずっと緊張感があった。最後勝てたのでうれしいです」。どこか大人っぽくておとなしめに見える21歳も、きょうばかりは笑顔がはじけた。
「経験はだいぶ生きています。精神面が成長しました。トップにいるということが分かると、前までは緊張して、失敗することが多かったけれど、落ち着いてできるようになった」と成長を実感している。プロテスト初挑戦の2021年から3年連続で最終に進出。75位、46位、35位でいずれも不合格に終わったが、プロ入りへ着実に歩みを進めている。
今年は2次予選から参戦。受験会場は「何回も回ったことがある」というC地区・城陽カントリー倶楽部になる予定だ。ステップ最終戦「京都レディース」の舞台でもあり、昨年は21位に入った。「優勝は自信になりました。今回みたいに耐えて、頑張っていきたい」。勝ってかぶとの緒を締めよ。とはいえ、この日だけは勝利の余韻に浸るつもりだ。(文・笠井あかり)
※マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は「将来有望な若手女子ゴルファーに真剣勝負の機会を提供して大きく羽ばたいてもらいたい」という思いから2019年に開始。24年は14試合前後が予定。出場選手はポイントランキング、前回大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などにより決められる。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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