苦悩と葛藤の末に見る景色とは──「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」
1985年に19歳でショパン国際ピアノコンクール優勝を遂げ、ブームを巻き起こした日本をはじめ世界中で華々しく活躍したピアニストのスタニスラフ・ブーニン。その復活への道のりを、最新演奏とともに紡いだドキュメンタリー「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」が、2026年2月20日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国で公開される。特報映像が到着した。
2013年に突如として表舞台から消えたブーニン。度重なる怪我や病気と闘い、2022年に復帰を果たす姿を捉えたNHKのドキュメンタリー番組は大きな反響を呼んだ。映画「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」では、数々のインタビューにより支え続けた妻・榮子との絆などを照らし出し、さらに今年12月にサントリーホールで行う演奏を盛り込み、ブーニンが苦悩と葛藤の末に辿り着いた境地に迫りゆく。
監督は『プロフェッショナル仕事の流儀 栗山英樹』などのヒューマンドキュメンタリーで知られる中嶋梓。総合プロデューサーは『NHKスペシャル』や『クローズアップ現代』を手掛けてきた小堺正記。
今年10月にリサイタルツアーも始まるブーニン。再びの輝きに注目したい。
〈コメント〉
中嶋梓(監督)
長い沈黙を経て再びピアノに向かうブーニンの姿は、失われた時間を抱きしめるようだった。3年間、その再生の旅路に寄り添う過程で音楽が人を救う瞬間に立ち会えた。彼の「音」に宿る真実は、多くの人の心を揺さぶると確信している。
小堺正記(総合プロデューサー)
様々な困難に直面しながらも、それを乗り越えていく姿は、見る人すべてに「歳を取ること」や「生きること」の意味について考えさせられる映像記録になると思う。9年間のブランクを経て舞台に復帰するというのは、精神的にも並大抵のことではなかったはずだ。時折、「新しい手があればいいのに」と弱音を吐きながらも「完璧でなくてもいい。美しい演奏がしたい」と語るブーニンの音色をぜひ堪能してほしい。
「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」
監督:中嶋梓
総合プロデューサー:小堺正記
製作:宮田興、遠藤徹哉
共同プロデューサー:吉田宏徳、苗代憲一郎、服部紗織、山田駿平
撮影:宮崎剛 編集:髙木健史 録音:深田晃 音響効果:三澤恵美子
公演収録:メディアフォレスト
製作:NHKエンタープライズ、KADOKAWA 制作:NHKエンタープライズ
映像提供:NHK 配給:KADOKAWA
©2026「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」製作委員会
記事提供元:キネマ旬報WEB
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