巨匠マノエル・ド・オリヴェイラの初長編「アニキ・ボボ」が4Kレストア版で公開
巨匠マノエル・ド・オリヴェイラが長編監督デビュー作として、ポルトの街に暮らす子どもたちの躍動を描いた「アニキ・ボボ」(1942)が4Kレストア版で復活。11月14日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルが到着した。
ドウロ川近郊に暮らす少年たち。カルリートスは内気な夢想家で、エドゥアルドは恐れを知らぬリーダーだ。二人とも、グループで唯一の少女テレジーニャに恋をしている。ある日、カルリートスはテレジーニャが欲しがっていた人形を盗み、彼女にプレゼントした。それをきっかけに少年たちの緊張が高まり、カルリートスは仲間外れとなる……。
オリヴェイラは本作について「夜の闇や未知なるものへのおののき、そして私たちの周囲に脈々と息づく生命の魅惑──それらを暗示しようとしたのです。さまざまな障壁、権力や慣習によって閉ざされた世界の単調さと、鮮やかに対照をなすものとして」と語っている(1954年の発言より)。4Kレストア版は、2025年のヴェネチア国際映画祭クラシック部門でプレミア上映された。ネオレアリズモの先駆けとも評される名作を、改めて堪能したい。
なお11月8日(土)には菊川Strangerで、オリヴェイラ作品「アブラハム渓谷 完全版」「カニバイシュ」がオールナイト上映される。
「アニキ・ボボ 4Kレストア版」
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:アントニオ・メンデス
音楽:ジャイメ・シルヴァ
美術:ジョゼ・ポルト
編集:ヴィエイラ・デ・ソウザ
出演:ナシメント・フェルナンデス、フェルナンダ・マトス、オラシオ・シルヴァ、アントニオ・サントス、ヴィタル・ドス・サントス
1942年/ポルトガル/ポルトガル語/72分/モノクロ/スタンダード
原題:ANIKI BÓBÓ
提供:キングレコード 配給・宣伝:プンクテ
協力:ポルトガル大使館、カモンイス言語国際協力機構
© Produções António Lopes Ribeiro
公式サイト:oliveira2025.jp
記事提供元:キネマ旬報WEB
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