手術の小祝さくらへ気づかいも 現在ランク1位の佐久間朱莉がメジャーへ決意「勝てば女王に近づく」
<ソニー 日本女子プロ選手権 事前情報◇10日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>
今季ここまでに3勝を挙げ、現在メルセデス・ランキング(MR)1位につける佐久間朱莉が“メジャータイトル”への想いを明かした。あす11日(木)から始まる試合は、「はじめて回った」という大洗GCが舞台。「アウトは特にトリッキーで、全体的に距離が長いと思いました。メジャーにふさわしいコンディション」と気も引き締まる。
プロ4年目だった昨シーズンは2位に3度入るなど、何度も優勝まで迫りながら、わずかに手が届かなかった。しかし今年4月の「KKT杯バンテリンレディス」で待望の初優勝。そこから「ブリヂストンレディス」、そして優勝賞金5400万円の「アース・モンダミンカップ」も制覇し、年間女王への道を一歩一歩進んでいる。
だが、最近は“悩み”も。「3勝目を挙げてから、いい結果が出ずに苦しんでいます」。6月最終週のアース・モンダミン以降、2カ月以上、勝利から見放されている。その期間は予選落ちもなく、トップ10入りも3度果たしているが、しっくりこない日々を過ごしてきた。その大きな原因がショットにある。「ティショットがつかまらず、(抜けたように)右にいくミスが多い」。さらにショットがいい時はパットが決まらない…そんなかみ合わせの悪さを感じる2カ月でもあった。
それでも先週の「ゴルフ5レディス」の、特に最終日に手ごたえも得られた。アイアンのシャフトに手を加えたことで、「徐々に」感覚も戻りつつあるという。「それが初日からできれば。これまで予選は通るけど、納得いかない最終日を迎えていた。だんだん内容は良くなっているので、結果がもう少しで出てくれれば、と思って練習しています」。今は前向きにクラブを振っている。
大洗GCは名匠・井上誠一氏が設計したコースで、同氏の代名詞とも言われる空中ハザードも点在。ここは「アウトは特にフェアウェイにいっても木がかかったりする。ホールによっては、木の上を越えないところもある」と、ショットへの自信が結果につながる部分でもある。「一打一打、打ち分けが必要ですね」。フェアウェイが狭い場所でも、勇気を持って「自分のスイング」を目指す。
「複数年シードがかかっているし(タイトルを)獲りたい気持ちが強い」。メジャー優勝で得られる3年間のフル出場権(10年以内なら任意のタイミングで行使が可能)は魅力的だ。ただ、それ以上に力を込めたように感じられたのが、あとに続いたこの言葉。「メジャーで勝てば年間女王に近づく」。
優勝で得られるポイント(pt)は、3日間大会が200ptで、通常の4日間大会は300ptだが、メジャー大会では400pt。現在のMR2位は米ツアーを主戦場にする山下美夢有で、3位は先日、左手首の手術をすることを発表し、今季残り試合を全休する小祝さくらという状況になったことも踏まえると、今大会での結果は重要だ。
“ライバル”小祝の離脱については、「さくらさんがいないツアーはさびしい。大東建託で一緒に回った時は、痛みを顔に出さずすごかった」というのが一番、先にくる気持ち。それでもコース内に目を向けると、MRで1555.57ptの佐久間と、現在、MR4位の河本結(1153.45pt)との差は402.12ptとあって、この差を一気に広げたいという思いも強い。
「昨年はどの試合でもいいから、とにかく勝ちたかった。でも、今はメジャーを獲ることにフォーカスして臨めている。そこは昨年とは違いますね」。5月の今季メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は11位。状態も上向き、実績も積んだ22歳は、強い気持ちで難関コースに立ち向かう。
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