一度はゴルフをリタイア 36歳の元看護師が10年越しのプロテスト合格に涙「這い上がって頑張りたい」
<PGA資格認定プロテスト 最終プロテスト 最終日◇5日◇烏山城カントリークラブ 本丸・三の丸(栃木県)◇7118ヤード・パー70>
受験者の平均年齢は26.17歳。一番若い選手で17歳、最年長で52歳と幅広い年齢の選手たち、147名が最終プロテストに参戦した。そのなかで、36歳の茶谷龍成がトータル3オーバー・37位タイで悲願の合格を果たした。
ゴルフを始めたのは5歳。父親の影響でクラブを握り、名古屋商科大学ではゴルフ部に所属して、プロゴルファーを目指していた。プロテストも受験したが、当時は合格ならず。「おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなってしまい…。地元の富山に戻って、准看護師の資格を取り、5年ほど病院で働いていました」と、26歳でゴルフを辞めて、医療というの新しい道に進んだ。
しかし、「ずっとゴルフをやっていたので、看護師の仕事は大変で」とゴルフ場に転職。そこで働きながら、「趣味程度に」ゴルフを再開した。そして2023年から2年連続で富山国体のメンバーに選出され、ひさしぶりに競技ゴルフの熱が復活した。
一緒に国体に出場した、ゴルフ場に所属する年下のプロゴルファーからは『プロになったほうがいいですよ』と声を掛けたられた。「僕もちょっとその気になっちゃって」と今年の3月に競技ゴルフを再開。三甲ゴルフ倶楽部・谷汲コースに所属しながら、練習に励んでいる。
36歳になって再び、プロテストに挑戦した。「昔、テストを受けていたときよりも、精神的にも、距離もいまのほうがいい」。今回はプレ予選から勝ち進み、最終まで進出。17位で迎えた最終日は朝から強い雨が降り続く難コンディションの中、1バーディ・5ボギー・1ダブルボギーの「76」とスコアを大きく落とし、トータル3オーバーでクラブハウスに戻ったときは肩を落としていた。
しかし、合格ラインはトータル5オーバー。リーダーボードを確認すると、「ホっとした。よかった」と言葉をつまらせながら、目に涙をためつつも笑顔を見せた。10年越しに叶えた夢。「ここからまた這い上がって頑張りたいです」。来年は、36歳の遅咲きルーキーの戦いに注目だ。(文・高木彩音)
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