50度→43度、54度→47~48度に調整した池村寛世のウェッジ5本の謎 エースウェッジは地クラブの“超絶グースネック”!
「リシャール・ミル チャリティゴルフ」で3年ぶりツアー3勝目を挙げた池村寛世。優勝ギアを見ると3年前はウッド1本だったが今回は4本に増えた。一方で変わらなかったのはウェッジ5本体制だ。ただ、そのロフトの数字を見ると50度、54度、58度、60度、60度と不思議な組み合わせだ。その理由とは?
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平均飛距離305ヤード超という飛ばし屋の池村は「短い距離の距離感を合わせたかった」と数年前からピッチングウェッジを含むウェッジ5本体制にしている。優勝時のキャディバッグに入っていた50・54・58・60度の4本はクリーブランド『RTZツアーラック』で、もう1本の60度は地クラブメーカー・ゾディアのプロトタイプである。
「上から打ち込むタイプなので、グースネックが好きなんです」。リーディングエッジがネックの左端よりも後方にあるオフセットの大きな顔、いわゆるグースネックを好む。一般的にはボールがつかまりやすくなったり、スピンが入りやすかったり、ミスヒットに強いとされている。
グースネックのウェッジは、1990年代こそ一般的だったが、外国製ブランドを中心に出っ刃と呼ばれるストレートネックが主流となり、池村好みの顔は少ない。「今のメーカーさんはグースが入ったモデルはどこもなくて。ウェッジはかなりロフトを立ててグースを作っています」と、それぞれのウェッジはロフトを立ててオフセットに仕上げている。
好みの顔だけでなく、「自分の打ちたい距離にロフトをいじった」と弾道測定器を使って自分が打ちたい距離が出るロフト角に調整している。「リアルロフトは分からない」としたが、目安のロフトとそれぞれの飛距離は以下の通り。50度は43度に調整(140Y)、54度は47~48度に調整(130Y)、58度は51~52度に調整(120Y)、60度は55~56度に調整(110Y)、ゾディアの60度は61度に調整(100Y)。しっかりと距離の階段ができている。
100ヤードから10ヤード刻みの階段を作ることで、チャンスにつけたい140Y以内は距離の大きなズレがなくなる。ちなみに9番アイアンは160Y、8番アイアンは175Y、7番アイアンは195Yとウッジを5本にしたことで上の番手とのピッチは間が空くが、「そこは距離を落としたり、がんばって飛ばしたりで調整しています」と対処している。
5本のウェッジの中でもゾディアの61度のプロトタイプはお気に入りだ。7月のオープンウィークの間に「グース強めでリーディングエッジがストレート系に削ってもらってカスタムしてもらいました」という池村仕様。どのウェッジを比べても超絶なグースになっている。
ゾディアの61度は実戦では初使用だったが、4日間でチップインが4回あっただけでなく、ボギーはわずかに2つ。「グリーンを外してもボギーを打つイメージはなかった。これから大きな武器になる」と好感触を得た。5月の「ミズノオープン」では花道からもアプローチミスでボギーにすることもあったが、アプローチの打ち方のイメージを変えたり、新ウェッジの投入で弱点がなくなった。国内は賞金王、アジアンツアーの初優勝に向けてピースはそろった。
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