キャロウェイの“未発表UT”を青木香奈子がテスト 苦境乗り越える切り札に?「パー5のバーディ率が上がれば」
<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前情報◇13日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6625ヤード・パー72>
避暑地らしく涼しさも感じられるコースの練習場で、ルーキーの青木香奈子がクラブのテストを行う姿を見かけた。何度も打感を確かめ、契約を結ぶキャロウェイのツアー担当者と話し合いをしていたクラブは、同社の新作UTと思われる見慣れぬ一本。ヘッド部分には『APEX UW』の文字が刻まれ、今週からツアーに投入されたものだという。
実はこのテストは“課題克服”へ向けて行われたものでもあった。昨年のプロテストに合格し、QTランク134位で開幕を迎えた青木だが、6月に実施された第1回リランキングで40位まで出場優先順位を上げ、この夏は主戦場をレギュラーツアーに移した。ただ、5月の「Sky RKBレディスクラシック」から、先週の「北海道meijiカップ」まで出場8試合連続で予選落ち中。苦しい時期を過ごしている。
その原因のひとつとして考えているのが、今季『5.0172』と“オーバーパー”のパー5平均スコアだ。本人は、この点についてこう振り返る。
「パー5の3打目をフェアウェイから打ちたいけど、(現在のセッティングの)3W、5Wだと転がりすぎてしまって…。(残り)50ヤードで止めたいのに、その先のラフまで行って、そのラフから40、50ヤードを打って、寄らず入らずのパー…みたいなことが続いていました」
その打開策が、今回試したロフト角23度の4番UTだった。当初は現在の1W、3W、5Wという構成から5Wを外して7Wにすることも案じたが、「あまりウッドが得意ではない」という事情もあり、「イメージが出やすい」というUTを試した、というわけ。こうすることで1W、3Wから4UT、そして現在も投入している5UTへと流れていく。
今の青木がパー5の2打目で求めるのは、飛距離よりもしっかり止まる球。そうなると今よりも高さが欲しいのだが、担当者も詳細を伏せるこの未発表モデルの感想は、「私は持ち球がフェードだから打ち込むタイプなんですけど、それでも強く出るのではなく、しっかり上がってくれました」。まさに“かゆいところに手が届く”一本だった。同社担当者の意見で、鉛を貼るひと手間を施すと、さらにきれいなフェードボールが練習場に消えていった。これには、本人もうれしそうな声をあげる。
この後、さっそくこの新クラブを、より実戦に近い形で試すため練習ラウンドに向かった。「球が止まってくれたら使いやすいですよね。これでパー5のバーディ率が上がればいいな。距離と(出球の)イメージが合えば、今週から使いたい」。この日が初打ちだったが、“即投入”も示唆。自然と球が上がるUTが、成績も上昇させる切り札になるかもしれない。(文・間宮輝憲)
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