山下美夢有は逃げ切りVが得意? 勝みなみ、竹田麗央も加えた日本勢3人の勝ちパターンを比較
<AIG女子オープン 3日目◇2日◇ロイヤル・ポースコールGC(ウェールズ)◇6748ヤード・パー72>
今季メジャー最終戦は、3日目を終えた時点でトータル9アンダーの単独首位に山下美夢有、そしてトータル6アンダーの4位に勝みなみ、竹田麗央と、トップ5に日本勢が3人名を連ねている。もちろん、山下が全英初制覇に限りなく近い位置にいるが、残る2人にも優勝の可能性は大いにある。そこで、この3人の過去の勝ちパターンを振り返ってみた。
全英の過去10大会のうち、3日目で首位に立ち、そのまま逃げ切ったケースは7回。ちなみに、2019年大会を制している渋野日向子は逃げ切りで優勝を果たしている。7割の確率で逃げ切りVの勝者が誕生していることから、山下の勝利の可能性は高い。ただし、山下はルーキーであり米ツアーでは未勝利。一方で日本ツアーでは、22、23年と2年連続で年間女王となり、ツアー通算13勝を誇る。
初優勝した21年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」では、2打差の4位から逆転勝利。結果的には2位に5打差をつけての快勝だった。その後も優勝を重ねていくが、逃げ切りVは実に9回とその確率は69%にもおよぶ。特に23年シーズンは5勝すべてが逃げ切り優勝。この数字を見る限り、今大会もこのまま逃げ切っての優勝が期待される。
続いて勝はどうか。日本ツアーで8勝を挙げ、その内訳は逃げ切りが4回、逆転が4回と五分五分。史上最年少アマチュア優勝を果たした14年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」は1打差の2位から逆転しての初優勝。プロ初優勝となった18年の「大王製紙エリエールレディスオープン」は首位タイから抜け出しての勝利で、逃げ切りと見なせる。22年の国内メジャー「日本女子オープン」では、3打差をひっくり返して大会2連覇を達成している。
海外メジャーでの自身最高位は、昨年の「シェブロン選手権」での9位。全英での最高位は23年の21位だ。今季は、自身の開幕戦となった「ファウンダーズカップ」での7位が最高だが、先週の全英“前哨戦”では2日目に6位に食い込むなど、好調さを見せている。
そして、すでに米ツアーで2勝を挙げている竹田はどうか。昨年の日米共催の米ツアー「TOTOジャパンクラシック」を制し、主戦場を米国へと移すことになった。なお、この大会は3日目が悪天候により中止されたため、2日目終了時の成績を参考にするが、4位から出てマリナ・アレックス(米国)との6ホールに及ぶプレーオフを制し、逆転優勝を果たしている。
さらに、今年3月の「ブルーベイLPGA」では米ツアー2勝目を挙げている。3日目に2位に2打差をつけて首位に立ち、最終日へ。最後はその差を6打に広げ、逃げ切りでの勝利を挙げた。
では、国内ツアー(TOTOジャパンクラシックを含む)での成績はどうだったか。昨年「KKT杯バンテリンレディス」で初優勝を果たし、年間8勝を挙げて年間女王に輝いた。その初優勝は逆転によるもの。結果として逆転勝利は4回、逃げ切り勝利は3回だった。日米合わせた通算では、逆転と逃げ切りがそれぞれ4回と、こちらも五分五分といったところ。
こうして見ると「KKT杯バンテリンレディス」で初優勝を挙げた3人が、海外メジャーの舞台で優勝争いを演じている。それぞれの勝ちパターンを振り返ってみたが、これはあくまでも参考値。最終日は、日本人選手が追われる展開、または追う展開となる。いずれにせよ、3人が優勝争いに名を連ねている今、その悲願を目撃する可能性は限りなく高い。
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