新鋭・坂本悠花里監督×新世代キャストで描く、少女たちの目覚め「白の花実」
完璧な少女は、なぜ屋上から飛び降りたのか──。「21世紀の女の子」の一篇「reborn」などで知られる新鋭・坂本悠花里監督が、長編劇映画デビュー作として、全寮制女子校を舞台に少女たちの内なる目覚めを描いた「白の花実」が、12月26日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開される。ビジュアルカットと監督・キャストのコメントが到着した。
周囲に馴染めず転校を繰り返してきた杏菜は、森の奥にある全寮制の女子校に辿り着く。そこでルームメイトとして彼女を迎えたのは、美しく完璧で、誰からも好かれる莉花だった。しかし間もなく、莉花は屋上から身を投げて命を絶った。
残されたのは一冊の日記で、そこには笑顔の裏に潜んでいた苦悩、怒り、痛み、そして幼なじみである栞との記憶、言葉にできなかった“ある想い”が綴られていた。やがて青白い鬼火のような“魂”が現れ、日記を読み進める杏菜の中へ入り込んでいく。
一方で栞は、莉花の魂に導かれるように、それまで「変わった子」だと遠ざけていた杏菜に歩み寄る。「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」その問いは生き残った少女たちの心を浸食し、それぞれの“わたし”が揺らいでいく──。
杏菜役をサントリー天然水スパークリングレモンのCMなどで知られる美絽、栞役を結婚情報誌ゼクシィの15代目CMガールに就任した池端杏慈、莉花役を『DOPE 麻薬取締部特捜課』の蒼戸虹子が務め、周囲の大人たちを門脇麦、河井青葉、伊藤歩、吉原光夫らが演じる。“死の向こう側”へ踏み込むガーリー・ファンタジーに注目だ。
〈コメント〉
坂本悠花里(監督)
昨年の今頃、キャストとワークショップやダンスの練習をしていました。撮影はあっという間でしたが、日々新しい発見と確かな充実感がありました。『白の花実』を作りながら、私は私自身を持て余していた時期があったと思い出していました。作り終えた今、自分というものはずっと持て余したままで良いものなのかもしれないと思い始めています。この映画とともに歩いてくれたキャスト・スタッフに、心から感謝を伝えたいです。そして、これから観ていただけることを心待ちにしています。
美絽(杏菜役)
杏菜を通して、表向きの自分と本当の自分との間にあるギャップに改めて気付かされました。揺れ動く少女たちの葛藤や苦悩には、きっと誰しも共感できる部分があるのではないでしょうか。
壮大な自然や美しい歴史的建造物も、物語と共に楽しんでいただけたら嬉しいです。
池端杏慈(栞役)
穂乃川栞という役に出会えたこと、心から感謝しています。オーディションで決まったときは本当に嬉しかったです!親友の死に喪失感を抱く栞の感情を、自分なりに丁寧に噛み砕いて向き合うことができました。
生と死に目を向ける彼女たちの繊細な姿が丁寧に描かれている作品です。劇中の衣装がすてきなのでそこにも注目してほしいです。たくさんの人にこの作品が届きますように。
蒼戸虹子(莉花役)
「白の花実」は私にとって初めての映画です。
わからないことだらけの中で、莉花と同じように揺れたり、悩んだりしながら、坂本監督とたくさん話をして、莉花と自分を少しずつ重ねていきました。
ダンスレッスン、ワークショップ、そして撮影を通して、美絽さん、池端さん、スタッフキャストの皆さんと過ごした時間は、今でも私の中で特別な記憶として残っています。
作品の中から、揺れ動く、様々な感情をたくさん感じていただけたら嬉しいです。
「白の花実」
出演:美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、河井青葉、岩瀬亮、山村崇子、伊藤歩、吉原光夫、門脇麦
監督・脚本・編集:坂本悠花里
プロデューサー:山本晃久
製作・配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
英題:White Flowers and Fruits
2025年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/110分
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
公式サイト:https://www.bitters.co.jp/kajitsu/
記事提供元:キネマ旬報WEB
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