7年連続優勝達成の小祝さくら 飛距離は“脱力”、正確性は“手首”でつくっていた 【優勝者のスイング】
「明治安田レディス」で、ツアー通算12勝目、2019年の初優勝から7年連続優勝をマークした小祝さくら。今季のスタッツを見ると、パーオン率1位、平均ストローク3位、出場17試合で11度のトップ10入りと、絶対的な強さを見せている。そんな小祝のスイングをプロコーチの南秀樹が分析。我々が参考にしたいポイントも挙げてもらった。
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小祝選手は綺麗なレベルターンで肩を入れ替え、クラブを上げて下ろすだけ。無理のないスイングだから再現性が高く、パーオン率1位も納得です。無理のないスムーズさを生んでいるのが、上半身の力みがないこと。アドレスでお腹、バックスイングで右ヒザの内側、ダウンスイングは左足内側、インパクトは左足裏、フォローは左ヒザや太モモと、スイング中に力を入れたいポジションには、しっかりと圧をかけつつ、上体には力みを感じません。
上半身の脱力はスイングスピードアップにもつながっています。切り返しから下半身でクラブを引っ張ってきますが、その際に上半身の力が抜けていて、肩を置いてこられるので、下半身との時間差が大きくなります。手元を下げやすく、正しいプレーンでスピードも生まれるので、飛んで曲がらないのです。
パーオン率1位のショット力には、入射角の安定が欠かせません。「飛んだり、飛ばなかったりタテ距離が安定しない」と悩む人は、素振りでクラブを上げる際に手首の角度を確認してみてください。
ダウンスイングでタメを作り入射角を安定させるには、左右の手の連動がポイント。手元を胸の高さに上げコックを作ったとき、左手首が解けず、左手の親指にクラブが乗った状態に、右手は手首が甲側に折れたまま、コックをキープできているかどうかを確認しましょう。
クラブを上げるときに確認してほしいのは、前傾角度が保たれ実際のスイングに近い感覚になれるから。「ダウンスイングではこの形で下ろそう」という意識が持て、そのためのバックスイングをイメージしやすくなるなどのメリットがあります。
手首の形を意識することで、小祝さんのようにダウンで右サイドの懐が深くなる効果も期待できます。コックが解ける人は体の開きも早いのですが、体が開いていては手首の角度はキープできません。つまり、“体の開き”と“手首の角度キープ”は相関性が高く、手首の意識はスイング矯正にもつながるのです。
■小祝さくら
こいわい・さくら/ 1998年生まれ、北海道出身。2018年から6季連続でメルセデス・ランキングトップ10を継続中。19年の初優勝から7年連続で優勝を挙げている。ニトリ所属。
■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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