あらゆる形でチームを支える、野球界のレジェンドたち【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第175回
球界のレジェンドについて語った山本キャスター
先月、日本野球界の大レジェンドである長嶋茂雄さんがお亡くなりになられました。私は現役時代をリアルタイムで観ることが叶わなかったのですが、昔の映像を見たり、ユニークなエピソードを聞いたりするたび、「プレーを観たかったなあ」と残念に思います。
レジェンドといえば、長嶋さんやソフトバンクの王貞治会長を挙げる方も多いでしょうが、私にとって真っ先に思い浮かぶのは、故・野村克也監督。そして今のヤクルトにも、リアルタイムで応援できる現役のレジェンドがいます。野手でいえば37歳の天才バッター・川端慎吾選手。そしてチーム最年長、45歳の石川雅規投手です。
かつて、中日で50歳まで現役を続けた山本昌さんは別として、プロ野球で40歳前後まで現役で活躍する選手は「レジェンド」と呼ぶにふさわしいと思います。
海外に目を向けると、メジャーリーグにはジャスティン・バーランダー投手がいます。
42歳にして第一線で活躍を続け、常に気迫を前面に押し出すピッチングスタイルは、観る者を圧倒します。私がメジャーリーグを観始めた頃に、大きな衝撃を受けた投手のひとりでした。彼と対峙したプロの選手も「圧がすごい」と口を揃えます。テレビで試合を観ていても、画面越しに圧倒されそうになるほどです。
バーランダー投手は37歳のときにトミー・ジョン手術(肘のじん帯の再建手術)を受けています。若い選手が受けることの多い手術ですが、ベテランになっても手術を選んだことに、「まだまだ現役を続ける」という強い意志を感じました。
医学の進歩により、現在では同手術を経た選手の多くが、術前よりもいいパフォーマンスを残しています。実際、大谷翔平選手も2度の手術を経て、今シーズンに自己最高球速を更新しました。
いよいよ梅雨明けでしょうか? シュッと振りかけると涼しくなる化粧水がすでに手放せません。
日米球界をまたにかけるレジェンドといえば、パドレスのダルビッシュ有投手(38歳)。今やチーム内で最年長の選手となりましたが、常に新たな投球スタイルを模索し続け、活躍しています。ダルビッシュ投手は、2023年のWBCではチームリーダーとして、精神面、プレーの両面で侍ジャパンをまとめました。それだけ求心力があるのでしょう。
ちなみにWBCに関していえば、カージナルスで活躍した2大レジェンド、ヤディアー・モリーナ捕手(プエルトリコ)とアルバート・プホルス選手(ドミニカ共和国)が、両国の代表監督に就任することが決まっています。そのように、レジェンドは引退後すぐに指導者としてチームに関わることも多いですよね。
それは、彼らが現役時代から"チームの顔"として信頼されてきたからでしょう。我がヤクルトの石川投手も、もちろんまだまだ現役で頑張ってほしいですが、その先もどんな形であれ、ずっとユニフォームを着てヤクルトに関わってほしいです。
そして最後に、忘れてはならないレジェンドがいます。その名は、つば九郎。球団マスコットでありながら多くの野球ファンに愛されていましたから、彼の穴は簡単には埋まらないでしょう。
ヤクルトには永久欠番が存在しません。しかし、かつてその背番号を背負って戦った歴代の選手たちの勇姿は、ファンの心の中には本棚のように連続して記憶されています。きっとつば九郎の思い出も、上書きされることなく、いつまでも私たちの中に残り続けるのでしょう。
レジェンドは、いつまでも私たちの心の中に。それではまた来週。
構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。