クマ出没により“無観客開催”の国内女子ツアー…実施への根拠は? 小林浩美会長「大事なのは安全対策」
<明治安田レディスゴルフトーナメント◇17日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>
16日、クマの出没により当日のプロアマならびに初日(17日)の競技中止が決まった今大会。一夜明けた17日、あす18日から20日までの3日間、54ホール競技に変更になることに加え、無観客で実施することを日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が正式に発表した。
本来であれば第1ラウンドが行われていたはずの17日も、富谷市職員4名、猟友会3名、地元警察2名らによるコース内の確認作業が入念に行われた。また、同日午前7時過ぎには、コース近隣の田んぼでクマの目撃情報もあったが、「(コース内での)居住性が見受けられず、現在コース内にクマがいる可能性は極めて低い」、「目撃されたクマの痕跡を追跡した結果、ゴルフ場とは反対側に向かっている」ことなどを根拠に、開催に踏み切った。
この発表を受けて、JLPGAの小林浩美会長も会見に臨んだ。ここで「できるかぎりの安全対策を講じ、金曜日から日曜日までの3日間、無観客で開催をします。ファンの方がとても楽しみにしている中、苦渋の決断になりました。申し訳なく思っています」と、無観客開催になることについて、深く頭を下げた。
開催を決断したものの、再びクマがコースに侵入してくる可能性は否定せず。そこで強調されたのは「安全対策」だった。猟友会による朝夕のコース外周の見回り、また爆竹を鳴らすことなどが、その具体策になる。
動物が原因でラウンドが中止になったのは、レギュラーツアーでは初めての事例になったが、全国的にクマの目撃情報も増える中、今回の件が今後への指針にもなり得る。これについて小林会長は「大事なのは安全対策」と繰り返したうえで、「地元の自治体や猟友会、警察の方々のご協力があってこそ。そことの連携が大事だと強く感じています」と見解を示した。
発表された文書には、『万が一、クマが再び現れた場合、速やかに本部、選手、関係各所に連絡が取れる体制を整える』なども明記されている。3日間の大会期間中は、選手や関係者の安全に目を光らせることになる。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。