「僕が見たかった青空」吉本此那(ここな)がグループで見つけた"自分らしさ"と6thシングルへの思い
僕が見たかった青空・吉本此那インタビュー僕が見たかった青空が、8月6日に6thシングル『視線のラブレター』をリリースする。約5ヶ月ぶりとなる今作は、夏らしい爽やかさと切なさをあわせ持つ、片思いをテーマにしたダンスナンバー。前作の僕青とは一味違う、しなやかさや表現力が際立つ振り付けにも注目が集まっている。
グループでも唯一無二の個性を持つ吉本は、人見知りでおとなしかった幼少期から、僕青の活動を通して大きな変化を遂げてきた。彼女が今、どんな思いでステージに立ち、仲間とどんな時間を重ねてきたのか。これまでの歩みや自身の成長、新曲への想いまでじっくりと話を聞いた。
■アイドルになるまで――改めて結成2周年、おめでとうございます。ツアーファイナルも拝見して、ツアーのスタート時と比べ、パフォーマンスの一体感やグループとしてのまとまりがより強く感じられました。
吉本 ありがとうございます! 嬉しいです。ファイナルが一番楽しかったですし、やりきったという実感がみんなの中にもありました。全員がハッピーな気持ちで終われたので、ステージを降りたあとの楽屋や帰りの車でも、みんなテンションがすごく高くて(笑)。
アドレナリンが出て、帰り道もずっとワイワイ盛り上がっていました。それくらい思い切り楽しめたツアーの締めくくりでしたね。
――今回は、吉本さんの幼少期から振り返って教えていただきたいです。小さいころはどんな子どもだったんでしょうか?
吉本 本当に人見知りが激しくて、自分から誰かに話しかけたり、輪に入ることはほとんどありませんでした。みんなが外でワイワイ遊んでいるのを遠くからじっと見ているのが好きというか。
自分から入っていく勇気もなかったんです。すごく仲の良い子がいて、ふたりだけで行動することが多くて、周りからは「もっといろんな子と関われば?」とか言われてました(笑)。
――外で活発に遊ぶ子ではなかったんですね。
吉本 外で大人数で遊ぶより、教室で過ごすのが好きでした。家に帰ってからもテレビやスマホでYouTubeを見たりしていて。インドア派の極みでした(笑)。
――幼少期に夢中になったことや「これだけは好きだった!」というものは何かありましたか?
吉本 実は、これといった趣味や好きなことはなくて。アニメや漫画も全然ハマってなくて、漫画の読み方すらわからないくらい(笑)。
ただ、小学生の時から『ニコプチ』『ニコラ』『Seventeen』みたいなファッション誌だけは毎月買っていました。コーディネートやモデルさんのヘアメイクを真似したりしていました。
服やメイクで自分が変わる感覚が面白くて、雑誌のモデルさんに憧れて「こんな風になりたい」と思ったこともあります。ただ、当時は自分に自信もなくて、家でこっそり真似するだけでした。
――ファッション以外には何かありましたか?
吉本 母が安室奈美恵さんの大ファンで、自然と私も安室さんに憧れるようになって、小学生の時に歌やダンスを習い始めました。母も安室奈美恵さんと同じで、前髪を作らないワンレンスタイルだったので、そこから私も前髪なしの髪型が定番になりました。
――それが今の吉本さんのスタイルの原点になるわけですね。
吉本 そうですね。「僕青」の中で唯一前髪がないので、見つけてもらいやすいし、覚えてもらいやすいのかなと思っています。自分の個性として結構気に入っています。
吉本此那(1)
――ファッションや安室さんへの憧れが芸能活動を始めるきっかけに繋がっているんですか? 吉本さんは2018年にエイベックスが主催する「キラットエンタメチャレンジコンテスト2018」でグランプリになっているそうですが。
吉本 自分から「絶対芸能界に入りたい!」という気持ちはなかったんです。地元のショッピングモールでたまたまオーディションがあると知り合いに誘われて、母も「せっかくだから受けてみれば?」みたいな感じで背中を押してくれて。
――合格してからはどんな活動をしていたのでしょうか?
吉本 合格してからは毎週末、レッスンが始まりました。歌もダンスもまったくの未経験だったので、毎回「ついていけるかな」と不安でした。でも負けず嫌いな部分もあって、できないことが悔しくて必死に練習していました。最初は目の前の課題をこなすだけで精一杯だったけど、少しずつ自分に自信が持てるようになりました。
――きっと友達と遊ぶ時間が減ったり、青春らしい日々とはちょっと違う毎日だったのかなと想像します。
吉本 中高生時代はレッスンが中心だったので、放課後に友達と遊ぶこともほとんどなかったです。正直「これでいいのかな」と悩んだこともあったんですけど、今思うと、あの時間が今の自分のベースになっていると感じます。
――そこから僕青のオーディションはどういう経緯で受けることになるんですか?
吉本 私、アイドルのことはまったく詳しくなかったんですよ。高校2年生から3年生の進路を決めるタイミングで、たまたまエイベックスが主催する僕青のオーディションを見つけて、「受けてみない?」と声をかけられました。最初はアイドルよくわからないし...と受ける気はなかったんですけど、後日、お母さんからも進められて特に深く考えず、流れで受けてみたら、いつの間にか僕青に入ってました(笑)。
――僕青に合格した時はどんな気持ちでしたか?
吉本 合格した瞬間はもちろん嬉しい気持ちもあったんですけど、それ以上に不安のほうが大きかったです。正直、石川県にいるときはコンビニに1人で行くのも苦手だったくらいで、東京での1人暮らしなんて想像もできなくて。
でも、「やるしかない」と覚悟を決めて上京して、毎日少しずつできることを増やしていきました。今振り返ると、東京に出てきたことで性格も考え方もすごく変わったなと感じます。昔は人に頼ってばかりだったけど、自分で考えて行動する力がつきました。
吉本此那(2)
――23人という大人数の中での関係作りって、最初は大変だったと思うのですが、メンバーとはすぐに打ち解けましたか?
吉本 最初はすごく緊張しました。もともと人見知りだったので、自分から話しかけにいくのが苦手で......。でも、メンバーみんな本当に明るくて優しくて、自然と輪の中に入れてもらえたんです。
最初は様子見でちょっと距離を取っていたんですが、みんなが気さくに話しかけてくれたおかげで、次第に自分からも心を開いていけるようになりました。今では本当に家族みたいな存在です。
――これまでの話だと、グループで仲良く活動している吉本さんの姿があまり想像できなかったですね(笑)。
吉本 昔の自分では考えられなかったです(笑)。もともと話すのも得意じゃなかったのに、明るくなりました。いろんな物事に興味が湧くようになったのも、メンバーと一緒にいろんな経験をしたからだと思います。
――感情の部分もあまり表に出さないタイプだと思っていたのですが、今年1月の強化合宿(YouTubeで公開中)では涙を流していましたよね。
吉本 合宿では自分の感情があふれ出してしまいました。それまであまり人前で弱い部分を見せたり、悩みを打ち明けたりすることはなかったんですけど、合宿でメンバーみんなの頑張りや成長を目の当たりにして、「自分も負けていられない」という焦りと、もっと頑張らなきゃという思いが強くなって。
――合宿を経て、グループ全体としても変化を感じましたか?
吉本 グループの結束力もすごく強くなったと思います。今までも仲は良かったけど、お互いの本音や弱い部分を知ることで、一人ひとりをもっと深く理解できるようになりました。おかげで、その後の全国ツアーでは今まで以上に「全員で一つのステージを作る」ことを意識できるようになりました。
――その空気感がライブやツアーのパフォーマンスにも現れていましたよね。ステージ上での皆さんの表情や雰囲気がどんどん変わっていくのを感じました。
吉本 ファンの方からも「成長したね」と声をかけていただくことが多くて、「あの時の努力が報われたんだな」って嬉しい気持ちになりました。
吉本此那(3)
――8月6日には6thシングル『視線のラブレター』がリリースされます。前作とはガラッと変わった爽やかな僕青らしい楽曲になっていますね。
吉本 タイトルを見た時は、"夏っぽい恋愛ソングで、すごく明るい曲なのかな"って思ったんです。実際、メロディーはキラキラしているのですが、歌詞を読むと、実はちょっと切ない片思いが描かれていて。見た目は爽やかなのに、内容はすごく奥ゆかしい恋心なんです。
――ダンスもしなやかで、僕青のメンバーそれぞれの個性がすごく活きているように感じました。
吉本 ミュージックビデオの振り付けは手先のしなやかさが目立って、メンバーそれぞれの得意な動きが活かされているんです。グループとしても初めてのジャンルのダンスだったので、すごく新鮮でした。でもちょっと難しかったですね。
――難しいというのは?
吉本 前作はカッコよさやキレのあるダンスだったので、それは得意だったんですけど、今回は滑らかで"きれいに見せる"振りが多くて、最初は感覚がつかみにくかったです。新しいジャンルに挑戦したことで、表現の幅も広がった気がします。
――吉本さん個人としてはInstagramアカウントを開設しました。投稿へのこだわりや意識していることはありますか?
吉本 SNSはもともとやりたいと思っていたので、始まった時は本当にワクワクしました。インスタ投稿は、事前にカフェや映えるスポットを自分でリサーチしてから出かけて撮影しています。
服やヘアメイクもいくつかパターンを考えて準備して、「今日はどんな雰囲気で撮ろうかな」とテーマを決めて撮影しています。投稿を見てくれる人に「楽しんでるんだな」と感じてもらいたくて。
――投稿を見ているとすごく楽しんでいるのが伝わってきます。
吉本 自分自身が一番楽しんでいるかもしれないです(笑)。
――アイドルとして活動してきて、「やっていてよかった」と感じる瞬間はどんな時ですか?
吉本 やっぱり、応援してくれるファンの方がいるということを実感できた時が一番嬉しいです。普通に生きていたら絶対に出会えなかった方々が、ライブやイベントで「応援してるよ」と声をかけてくれる。そのたびに「アイドルになってよかったな」と思います。
――今後、個人として挑戦してみたいこと、目指していることがあれば教えてください。
吉本 女優業には興味があります。ありがたいことに舞台などで演技をさせていただく機会が増えてきて、そのたびに表現することの面白さを感じています。
最近はドラマを見る時も「どうやってこの表現をしているんだろう?」と分析しながら観ています。自分が演じる側になった時、少しでもその深みを表現できるようになりたいです。
吉本此那(4)
●吉本此那 Cocona YOSHIMOTO
2005年12月5日生まれ 石川県出身
身長=156cm 血液型=A型
ニックネーム=ここな
公式Instagram【@cocona.557_bokuao】
活動の詳細は「僕が見たかった青空」の公式サイトをチェック!
僕が見たかった青空6thシングル『視線のラブレター』は8月6日発売!
ワンマンライブ「アオゾラサマーフェスティバル2025」8月31日豊洲PITにて開催。
舞台「夏霞~NATSUGASUMI 2025~」9月6日〜9月15日シアター1010にて開催。
ワンマンライブ「僕青祭2025」10月18日KT Zepp Yokohamaにて開催。
取材・文/川崎龍也 撮影/篠田直人
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。