今季獲得賞金1億円突破! 絶好調の佐久間朱莉はバンカーで2種類のショットを使い分ける【優勝者のスイング】
「アース・モンダミンカップ」で、今季3勝目を挙げた佐久間朱莉。今季のツアー最高額となる優勝賞金5400万円を獲得し、獲得賞金額を大台突破の1億1600万円超とした。強さの秘訣はどこにあるのか、プロコーチの南秀樹が分析する。
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4月の初優勝からあっという間の3勝目。勝利を重ねてつけた自信と、もともと持っていたポテンシャルから考えれば、決して不思議なことではないと思います。飛んで曲がらないショットメーカーで、飛距離が出て、パッティングのスタッツも上位とくれば、後半戦も勝利を重ねることが予想できます。
その佐久間さんは、バンカーショットがとても上手い選手でもあります。今大会も4回中3回、バンカーからの寄せワンに成功。以前プレーを見た際には、ライが悪く「これは寄らないだろう」と思った状況からでもOKの距離に寄せ、驚かされたことがありました。バンカーから寄せる確率を上げるには、的確な状況判断と、コロがしとスピンショット、2つのショットを打ち分けるスキルが必要となります。そこで今回は、バンカーからやさしく寄せるため、コロがしのバンカーショットの打ち方を紹介したいと思います。
2つのショットは、砂を取る量で打ち分けることができます。ボールの近くにヘッドを入れて砂を薄く取ればスピンショット、ボール1個分程度ダフらせて砂を厚めに取れば、ランが出るバンカーショットになります。ここで勘違いしがちなのが、厚く取る=砂を多く取る=ヘッドを深く入れるということです。厚く取るわけですが、ヘッドを深く入れてしまうとボールを飛ばせなくなります。“厚く”とはボールの手前にヘッドを入れてしっかりダフらせることなのです。
練習場のマットの上でも効果的な練習方法があります。ボールの前後にガムテープを貼って、ボールと一緒に前後のガムテープを打つことです。バンカーではコックを使ってクラブを上げがちですが、それはボールを上げる打ち方。ボールの近くにヘッドを入れ、砂を薄く取るときはOKですが、コロがしの際にはコックを抑えて低く遠くにヘッドを上げて、体の回転で打つこと。スピンショットの際はヒールのバンスを当てにいきますが、コロがしの際にはソール全体を使ってボールの前後の砂を拾って、ボールと共に前に飛ばすように振っていきます。
ロフトの立ったAW(52、54度)やPWを使うと、ボールと砂を前に飛ばしやすく、レベルに振っていくイメージも持ちやすくなります。意図的にコロがしのバンカーショットが打てれば、バンカーショットに自信が持てるようになり、佐久間さんのようなバーディを狙っていくアグレッシブなマネジメントができると思います。
■佐久間朱莉
さくま・しゅり/2002年生まれ、埼玉県出身。2020年のプロテストをトップ合格。昨季は未勝利ながらメルセデス・ランキング8位と躍進。「KKT杯バンテリンレディス」にて、悲願の初優勝を達成した。大東建託所属。
■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
※撮影トーナメント:ニチレイレディス
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