身長164センチなのに飛ばし屋! 全盛期の倉本昌弘はフットワークとリリースで飛距離を伸ばしていた【プロコーチが解説】
スイング理論は進化したといわれているが、時代を彩ってきたレジェンドたちのスイングは、今見ても全く色褪せていない。むしろ、重くて難しいクラブを使いこなす技術には、ボールを正確に遠くに飛ばすための秘訣が詰まっていた! 今回は、国内男子ツアーで30勝を挙げ、永久シードを獲得している倉本昌弘の当時のスイングをプロコーチの森守洋氏が解説する。
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倉本さんは、体の軸が一切ブレずに、体のヨコ回転と腕の上下運動を組み合わせたシンプルスイングですね。本人も「上げて下ろすだけ」と言っていました。
今と少し違いますが、始動のときに腕を上げる動作が何もない。体で回しています。体の回転を使ってフラットに上げ始めて、途中からコッキングとリフトアップで一気に方向が変わる。あとはダウンスイングしていくだけという感じです。
昔の選手は結構インサイドバックで逆ループになっています。アマチュアの場合、インサイドバックからカットに入る方が多いので悪く感じるかもしれません。しかし、プロは右手のヒンジ(右手首を甲側に折った形)をキープできているから、シャロ―にインから入れられる。倉本さんのスイングを見ても、それが分かります。
本人が「足踏みしながら回転する」というように、フットワークも特徴的です。その場で歩くように足を動かして打っています。ただ、腕と体が同調しているので、胸の前からクラブが外れない。名手と呼ばれる選手に共通することですね。
また、ハンマー投げをしているかのようにクラブを使うので、リリースが上手い。小さな体でも、大きな選手に負けない飛距離を出せていたのはここにも理由があると思います。
■倉本昌弘
くらもと・まさひろ/1955年生まれ、広島県出身。国内ツアー通算30勝の永久シード選手。164センチと小柄だが、飛んで曲がらないショットで一時代を築いた。
■森 守洋
もり・もりひろ/1977年生まれ、静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗らのコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。
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<ゴルフ情報ALBA Net>
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