「7」じゃなくて「8」? 稲見萌寧がテーラーメイドの未発表モデルを実戦投入へ
<ヨネックスレディス 事前情報◇5日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6339ヤード・パー72>
この時期のトーナメント会場では秋の新製品をテストすることが恒例だ。ヨネックスレディスではテーラーメイドのレップが忙しそうにしていた。手には新しそうなアイアンを持ち、契約選手を中心に打たせていた。
「詳しいことは言えないのですが…プロトタイプです」。未発表モデルのためお決まりの対応だったが、バックフェースを見ると、洗練されたデザインに『P8CB』の刻印がある。ツアープロのフィードバックから生まれた軟鉄鍛造アイアン『P7CB』の後継モデルと思われる。ソールは抜けのよさそうな、丸みを帯びた形状をしている。
テーラーメイドと契約する最年長シード選手の全美貞(韓国)は、今週試打をして、即投入を決めた。「打感がいいし、飛ぶし高く上がります。普通に打ったら5ヤードぐらいは伸びます。少し調整が必要ですが、試合で使ってみたいと思います」。軟鉄鍛造の打感の良さとやさしく飛ばせる性能が気に入ったようだ。
もう1人、実戦投入しそうなのが2020-21年賞金女王の稲見萌寧だ。クラブ契約フリーだが、最近はテーラーメイドの2017年モデル『P770』を使用している。軟鉄鍛造のキャビティとして人気を博したモデルである。
「私がずっと使っているアイアンと同じ打感の雰囲気。ちょっとヘッドは大きいけど、ちょっと飛んでくれるので試合で使ってみたいと思いました」。使用中の旧モデルはロフトが寝た設計になっていることもあり、データ的にはプロトタイプの方が10ヤードほど飛ぶという。
10ヤードほど伸びたことで、「ウェッジとの間(の飛距離)がつまっていたのがちょうどよくなりました」と副産物も。稲見はPWの下には48、52、58度の3本のウェッジを入れている。旧モデルのPWのロフトは46度ほどあり、48度と飛距離の差があまりなかったが、プロトタイプはその悩みも解決してくれるようだ。
ほかにも契約選手の山内日菜子は練習場で試し打ち。「すごいよかったです。見た目は少し大きくなって安心感があり、打感もすごくよかったです。気持ちつかまりやすくて飛距離が出ます。来週以降、使うかも知れません」と高評価。
「全米女子オープン」帰りの泉田琴菜は、今週の即投入は見送りそうだが、「飛距離が出るし球が上がります。やさしく飛ばせて高さが出るのが一番いい」とうなずく。「海外の選手は球が高いと感じました。スイングもそうですけど、道具との相性ものあるので、そういうのを見直せるきっかけにもなりました」。海外選手の球の高さを目の当たりにしてギアの力を借りることも必要だと感じて帰国したタイミングに、いいモデルに出会えた。
今後多くの選手がバッグインしそうな雰囲気を感じた。詳しい情報を待ちたい。(文・小高拓)
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