30g台のシャフトを使い、飛距離10ヤードアップ!?「周りにも勧めてます」 世界9位のキム・ヒョージュが6年ぶり新潟戦へ
<ヨネックスレディス 事前情報◇5日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6339ヤード・パー72>
世界ランキング9位が新潟を熱くする。2014年のメジャー大会「エビアン選手権」を含む米女子ツアー7勝を誇り、チームヨネックスのキム・ヒョージュ(韓国)が6年ぶりに、この大会に参戦する。
16年からヨネックスとクラブ契約を結ぶヒョージュは、19年大会以来3度目の出場となる。6年前は首位タイから出た最終日に伸ばせず、2位タイに終わったが十分に存在感を示した。
前週の「全米女子オープン」に出場してからの来日。「離陸してすぐ寝ましたが、起きたのは着陸した時でした。ぐっすり寝られたのでコンディションはとてもいいです」と体調に問題はない。コース自体も6年ぶりだが「ここは好きなので、前回と同じでいいイメージです」と相性の良さもアピールした。
長年ヨネックスのクラブを使用しているが、「メンバーの方たちが徹底的に調整してくれるので、飛距離が伸びています」と全幅の信頼を寄せている。ヒョージュのキャディバッグをのぞくとウェッジとパター以外の11本はヨネックス製品で固められている。
なかでもドライバーのスペックに驚かされた。ヘッドはヨネックスの『EZONE GT タイプS』。ロフト表示は9度だが「高弾道低スピン」を求めて1度寝かし、10度ほどに設定。また、そこに挿すシャフトはヨネックスの「レクシス
カイザライト」の3X(30グラム台のフレックスX)。今年3月に発売されたばかりの軽量モデルだ。
国内女子ツアーではお目にかかれないスペックといえる。このシャフトについて本人に聞いてみると「昨年ぐらいに試したけど、最初はチャレンジングだと思った。ただ、使ってみるかなりよくて、『手打ちになりやすいかも?』とも思ったけど、そんなこともなかった。あまりにもよすぎて周りにも勧めています」と絶賛。平均で10ヤードは飛距離も伸びたという。
ヨネックスの担当者に聞くと、「最初はコーマーシャル的に打ってもらった」というが、「体力が落ちてきたというのはあるようです。アイアンもスペックダウンしてよくなりました」。今年7月に30歳を迎えるなか、アイアンのシャフトは80グラム台から70グラム台に軽くするなど、体力面を考えているという。
多くのシャフトメーカーは、軽量化する技術はあってもプロが使用するレベルでは当たり負けすることが多いといわれる。「他社はなかなか作れないと思います」(前出担当者)。昔から“カーボンのヨネックス”といわれる技術力で、女子プロが打っても当たり負けしない軽量モデルが完成した。
軽量ならヘッドスピードが上がりやすく、しかも当たり負けしないため飛距離アップに直結する。ヒョージュにはピッタリハマって、主戦場の米女子ツアーでは今季も3月の「フォード選手権」で1勝を挙げている。母国・韓国では、このシャフトが話題となり、モノが足りないぐらいの人気だという。
世界ランキング9位の実力者が、いったいどんなプレーを見せてくれるのか。「スポンサーの試合でもあるのでずっと出たかったのですが、今回やっと実現しました。久しぶりの出場ですが、日本の名物でもある大勢のギャラリーにいい姿を見せたいと思います」。12年にアマチュア優勝を遂げた「サントリーレディス」以来となる、日本ツアー優勝へ、意気込みは十分だ。(文・小高拓)
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