23歳・岡田晃平、相性良きメジャーに照準 メンタル強化でツアー初V狙う「結果に出てきている」
<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前情報◇4日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇予選=7397ヤード・パー70、決勝=7430ヤード・パー71>
23歳・岡田晃平は今大会に「照準」を定めている。昨年11月からメンタルコーチ兼キャディの出口慎一郎氏とのセッションを継続し、入念な準備を重ねてきた。
強い思いを寄せるのには理由がある。「学生時代にも出場して15位、昨年は4位タイ。相性は良いと思っています。優勝すればヨーロッパの試合や日本開催のPGAツアーの出場権、5年シードもある。勝ちたい試合です」と語る。
2023年大会では、東北福祉大4年生として出場して15位タイ。昨年はプロ1年目にして優勝争いに加わった。会場の宍戸ヒルズCCに好相性を感じるだけでなく、優勝すればDP(欧州)ワールドツアー「BMWインターナショナルオープン」、日本開催の米国男子ツアー「ベイカレントクラシック」の出場権、今シーズン残りの試合を含めた5年シード、優勝賞金3000万円が手に入る。
この大きな目標に向け、昨年11月から取り組んできたのが、メンタル面の強化だった。岡田自身は「自分にプレッシャーをかけてしまうタイプ」と自己分析する。ティショットで「絶対に打ってはいけない」思えば、逆にそこへ打ってしまい、グリーンを狙うときもピンばかりを意識し、リズムを崩す悪循環が課題だった。
出口氏は「ショット力が非常に高い選手」と評価する一方、「その自信がプレッシャーにもなっていた。得意と思う部分が諸刃の剣になっていた」と指摘。それにより思考を“禁止”から“肯定”に切り替えるトレーニングを行ってきた。
「“ここは絶対にダメ”ではなく“ここにこう打とう”と意識を変える。ネガティブな発想は、ミスの記憶を呼び起こして体が硬直し、スイングのリズムを狂わせる」と出口氏。そうした傾向を避けるため、フィードフォワードと呼ばれる、“どのようにしたら次のショットが最高の一打になるのか”という思考でプレーをするトレーニングを重ねた。
岡田はその効果を実感。「今はしっかり狙いを決めて打つようにしている。グリーンセンター狙いのマネジメントに変えたことで、ピンチをしのげるようになりましたし、ピンチが続かなくなった」。今季6試合すべてで予選通過、うち2試合でトップ10入りと安定した結果を残している。
このメンタルトレーニングは試合中も行われている。開幕前夜から土曜日の夜(予選通過時)まで、毎日30分間のリモートセッションを実施。試合前には前週の課題と対策を整理し、次にどうつなげるかを確認。ラウンド後は「思考のゴミ」を整理し、翌日のプレーにつながる練習メニューをともに練っている。
さらに出口氏はキャディ業も行っていることから、コースマネジメントの相談や、ペアリングに応じたプレースタイルの調整、ミス時の対応など、プレー中の細やかなサポートもしている。「キャディもやられている出口さんだからこそのサポートもあり、本当にありがたいです」と話す。
「踏ん張りどころやストレスがかかるとこが少なくなってきた。メンタルトレーニングからマネジメントが変わって結果に出てきている」と話し、プレーに好影響を与えていることを確信している。
こうして“二人三脚”で積み重ねてきた準備を発揮するときがきた。「毎日2アンダーは目標にしていますが、今年はみんなスコアを出しているので、伸ばせるときに伸ばしたい。4アンダー出した次の日に1オーバーでもいいぐらいの気持ちになれるようにするためにも」と意気込みを示した。(文・高木彩音)
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