短く持って、腰で打つ! オーバースイングに悩む人は“プロ初V”の稲垣那奈子が参考になる【優勝者のスイング】
「リゾートトラストレディス」で、プロ2年目の24歳、稲垣那奈子がプロ初優勝を飾った。ツアー14試合目の出場で、初の優勝争い。最終日に「73」と1つスコアを落としたがトータル7アンダーで逃げ切った。そんな稲垣のスイングをプロコーチの南秀樹が解説する。
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今季はQT47位の資格でツアーに参戦している稲垣。南秀樹は「腕を固めて体の回転で打つタイプ。アドレスで作った腕の三角形をキープしながら、体で上げて下ろしています。ダウンスイングから腰がやや上方向に回転。クラブが寝やすい動きですが、思い切ってインサイドに振り抜いていて、クラブを立たせています。クロスハンドにしているパッティングスタイルからも、なるべく手先を使いたくないという意思が伝わってきます」と分析する。
腕を固めて体で打っていくので、トップもコンパクトになっている。ミート率を上げたい人や、オーバースイングに悩む人には参考にしたいポイントだ。「トップをコンパクトにしたいなら、稲垣プロのようにクラブを短く持ってみてください。最低でも指1本分は余らせるように。短く持てばトップでクラブが手の中に収まって緩みにくいので遊びがなくなり、ハリのあるトップが作りやすくなります」。短く持つと飛距離に影響が出そうだが、指1〜2本程度なら大きな差はなく、むしろミート率が上がるメリットの方が大きくなる。
コンパクトなトップで一体感が出せれば、腕に頼ったスイングになりにくく、体の回転で打っていける。その際、飛距離を出すには体の回転スピードがポイントとなる。スピードを上げるのは腰を中心とした下半身の役割。始動から腰を使ってクラブを上げていくことが大事で、手先ではなく体でクラブを上げやすくなるといった相乗効果も期待できる。
「クラブを持たずに手を合わせてアドレスの姿勢を作ったら、腰を回してみてください。腰の動きにつられて手が動くと思います。この感覚を大切にしてほしいんです。トップでは2〜3秒ストップすることで、腰のリードで切り返してクラブを下ろす感覚がつかみやすくなります。始動と切り返し、動き出しのきっかけを腰にすることを意識してください」。稲垣のようなコンパクトでハリのあるトップは、腕の動きを抑えられフェースローテーションが少なくなる。方向性が高まること間違いなしだ。
■稲垣那奈子
いながき・ななこ/2000年生まれ、埼玉県出身。共立女子第二高でゴルフの腕を磨き、早稲田大学に進学。卒業後の23年にプロテストに合格し。プロ14試合目となる「リゾートトラスト レディス」でツアー初優勝を挙げた。
■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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