Z世代と上司世代の「常識」がこんなに違う?職場に潜むギャップと意外な共通点
働き方改革が進み、多様な価値観が尊重されるようになった今、働くことの意味やスタイルは大きく変化しているようだ。SHIBUYA109 lab.と金沢大学 金間研究室の共同調査で、Z世代と上司世代の間には明確なギャップがある一方で、意外な共通点も見えてきた。今回はその実態と世代を超えて、より良い働き方を築くためのヒントについて見ていこう。

Z世代は失敗したくない? 成長に対する世代間の温度差とは

「SHIBUYA109 lab.」と「金沢大学 金間研究室」は、20代の会社員457名と40代以上の会社員480名を対象に「Z世代と上司世代の仕事観ギャップ」について共同調査を実施。「成長意識」に関する設問を通じてZ世代と上司世代の間にどのような認識の違いがあるかが明らかになった。「失敗は必要な経験か、それとも避けるべきか」の問いに対し、Z世代の56.7%が「失敗は必要だが、なるべく避けたい」と回答。
一方で、上司世代の68.9%は「失敗は学び」と捉えており、12.2%のギャップが生じた。「失敗しても許される環境がほしい」といった、Z世代の声からは、失敗の許容に対する不安が垣間見えるが、上司世代は「チャレンジこそ成長」と捉えており、失敗に対する安心感の有無が世代間での意識の差を生んでいると考えられる。また、「周囲と同じくらいできるようになりたい」「競争は避けたい」Z世代に対し、「自分だけの武器を持とう」「競争も必要」と考える上司世代との違いも浮き彫りになった。この結果から、Z世代は個人の特異性よりも、集団との協調を重視する姿勢を強く持っているといえそうだ。

しかし、すべての価値観にズレがあるわけではない。今回の調査では「ほめ方」と「フィードバックの受け入れ方」において、Z世代と上司世代の間で共通認識があることがわかった。理想のほめ方については、Z世代の61.1%、上司世代の66.8%が「個人のキャラクターに合わせてカスタマイズしてほしい」と回答。フィードバックに対しても、両世代とも約61%が「積極的に受けたい」と前向きに捉える結果に。「一人ひとりに合わせた対応」や「対話的な関係性」への期待値は、世代を超えて共通していることがわかった。仕事に対する価値観や行動様式にはギャップがある一方で、大切にしている本質には重なりがあり、こうした共通点への理解を深めることが、世代を超えた職場づくりの第一歩となるはずだ。
若手のリアルな価値観に上司は寄り添う姿勢?

では、実際にZ世代の若手社員たちは、働き方にどのような価値観を持っているのだろうか。調査結果によると、「集団の一人として見られたい」「出世よりもライフスタイルを優先したい」「必要最低限のコミュニケーションで仕事を進めたい」といった意見が多く挙がった。個人の成長よりも集団の調和やプライベートの充実を重視する傾向がみられた。
一方、上司世代は若手世代の価値観を尊重しようとする姿勢が見受けられた。例として、定時退社やフレックス制度の活用、職場マナーに対する柔軟な対応など、若手の働き方に合わせた行動があげられる。しかし、その背景には若手に対する過剰な配慮や、時代への適応を意識しすぎるあまり、上司自身の価値観とのギャップに戸惑いもあるようだ。
こうした中で、世代間の違いばかり目を向けるのではなく、共通点に目を向ける姿勢が今後ますます重要になっていきそうだ。職場における相互理解が深まれば、世代を超えてより良い働き方につながっていくだろう。
出典:【株式会社SHIBUYA109エンタテイメント】
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記事提供元:スマホライフPLUS
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