“隣のホール”からパーセーブで拍手喝采 メジャー初制覇へ生源寺龍憲を支える「いいクラブ」の存在
<日本プロゴルフ選手権 3日目◇23日◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース(岐阜県)◇7337ヤード・パー72>
今季の開幕戦「東建ホームメイトカップ」でツアー初優勝を挙げた生源寺龍憲が、トータル12アンダー・首位タイで3日目を終えた。今季2勝目、メジャー初制覇がかかる大一番に挑む。
首位を独走していたショーン・ノリス(南アフリカ)と8打差で迎えた3日目は、「少しでも追いかけるほうがプレッシャーをかけながらやりたいなと思っていました」とスタート。その胸には「好き勝手されたらね、僕たちも悔しいので」という強い思いも秘めていた。
だが、それが空回りしたかのように、1番パー5のティショットが右の林の中へ。「打った瞬間、あんなに右に行っているとは思わなかった」という“まさか”の一打だ。急な左足上がりのライから脱出を試みたが、今度は木に当たりさらに右の9番のフェアウェイまで行ってしまう。しかし、ロケーション自体は悪くなく「ラッキーといえばラッキー」。そこから220ヤードを4番アイアンで花道まで運びと、寄せてパーをセーブした。ギャラリーからは大きな歓声が送られる。
その後は3番でボギーを叩いたものの、4番からの連続バーディでバウンスバック。フェアウェイからのョットがピンハイにつく場面も多く、安定した内容で6バーディ・1ボギーの「67」をマークした。
好調の要因に挙げたのが、今週から再投入したアイアン型ユーティリティの存在だ。昨季使用していた『スリクソンZU85』(22度)を、引っ張り出してきた。今季は開幕から先週の「関西オープン」までウッド型に変更していたが、「パー5のレイアップや風のあるティショットで、アイアンの方がコントロールしやすい。それがうまくハマった」と手応えを口にする。
実際に1番の3打目をはじめ、7番、17番といった距離のあるパー3もこのクラブを使い、いずれもバーディを奪取。「ピンに“スジって”…いいクラブでしたね」。報道陣の笑いを誘いながらも、勝負を支える“武器”となった。
生源寺がホールアウトした時点では、ノリスがトータル15アンダーの単独首位でプレーしていた。しかし18番でボギーを叩き、さらにラウンド後には視聴者からの指摘により2罰打が科されたことで、スコアはトータル12アンダーに修正。これにより、生源寺は2位から首位タイに“浮上した”。
来年には米国男子ツアーで戦いたいという意欲も示している、「どんどん賞金を稼いで、(国内の賞金)ランキング上位で、PGAツアーの予選会に行きたい」と今季の目標も“賞金王”を掲げている。現在は同2位。このメジャーで狙うのももちろん優勝だ。
「明日もしっかり打ちつづけてプレーすればチャンスはあると思う。しっかりプレッシャーかけながらやりたい」。未来を切り開くための追い風は吹いている。(文・高木彩音)
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