谷汲で日本プロが19年ぶり開催 248ydパー3は「乗ったら超ラッキー」、ワンオン可能なパー4に待ち受けるワナは…
<日本プロゴルフ選手権 事前情報◇21日◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース(岐阜県)◇7337ヤード・パー72>
プロゴルファー日本一決定戦が岐阜県で行われている。会場の三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コースは、2006年大会も開催された舞台。19年ぶりのコースはどのように変化して、どのようなセッティングになっているのか? 現役シニアプロでコースセッティングアドバイザーの桑原克典、06年覇者の近藤智弘、19年の覇者の石川遼に聞いてみた。
桑原は大会前日記者会見に出席。そこで「僕も19年前にここで経験していますが、一段、二段と変わっています。非常にタフなセッティングになっていて、まさに日本一のプロゴルファーを決定するいい舞台が揃いました」と話した。
06年はもともとの同コースの9番が大会の最終ホールとなっていた。「今回は(18番は)谷汲のオリジナルの18番を使用しています」と、前回と入れ替わった。グリーンは9番、18番で一つのグリーンを共有で使用。横長のグリーン手前には池もあり、タテ距離を合わせるのが重要となりそうだ。
総距離は06年の7003ヤード・パー72から、7337ヤード・パー72と長くなっている。選手からは『狭くて長くて難しい』という声を多く聞くが、その18ホールの中にもチャンスホールはある。それは「ワンオンができるかもしれない」という12番、15番のパー4だ。
だが、もちろん簡単にはいかず、落とし穴もある。「15番は(グリーン手前の)バンカーをウエストエリアにしました。プロにとってはかなり難易度が上がる。ワンオンできるかもしれないが、リスクもあるので、見どころになるかと思います。12番も同じようにバンカーの改良しました」。ワンオンを狙い、惜しくも乗らずにグリーン周りのワナにハマれば、スコアを落とす原因につながりやすい。チャンスとリスクが紙一重のホールだ。
さらに今大会でカギになりそうなのは、長めのパー3。4つあるパー3のうち、3つは220ヤード以上。7番は248ヤードと特に長い。06年覇者の近藤は「ショートホールが難しい。全体的にうまく乗せられない…。パーを拾えるか、拾えないかでスコアが大きく変わる」と警戒する。
19年覇者の石川は、248ヤードの7番パー3について「ティショットで乗ったら超ラッキーって感じ。きょう(プロアマ)は3Uでした。奥のピンだったら255~260ヤードになる。グリーンは横幅があまりなくて、縦の幅がすごくある。横の幅を収めるのはとても難しいので…」と話す。
ティイングエリアでは左の林と右の木がプレッシャーをかけてくる。グリーンは縦に長いうえ、中央がへこんでいる。乗せたとしてもロングパットが残れば、3パットになる危険性もある。
桑原に7番について尋ねてみると、「ピンを切るポジションをさらに厳しくできるように。スペースが少なかったので…」と、3段グリーンになっている上段の右奥を約3ヤード膨らませた。「いままで見たことのないエキサイティングなピン位置を観ていただける」と話した。
ほかに、8番パー4(490ヤード)は「3番のレディスティを使用」し、13番パー3(242ヤード)も「ティを後ろに設置しました」と距離を長くした。全体的に距離の長いコースで、コンパクション25~26、12~13フィートと硬くて速いグリーン。長いクラブでボールを止めるのは難技。そのなかで選手たちはどう耐えて、スコアを伸ばして行くのか、見どころだ。(文・高木彩音)
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